(童話)万華響の日々

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「来夏のオリンピックの開催」がコロナ対策を誤らせてきている

2020-12-22 19:04:06 | 新型コロナウイルス感染

政治家が医者や科学者や専門家の意見をなかなか率直に聞いて政策に反映させない。そのはずである。他のもっと重要な判断基準があるからである。それこそが「来夏のオリンピックの開催」という政権の悲願である。先般、IOCのバッハ会長が来日し「来夏のオリンピックの開催」を確認して帰っていった。去る春の中国、習近平訪日がコロナ水際作戦の遅れになってしまったように、その後に「来夏のオリンピックの開催」というお題目が大きく政権のコロナ対策を鈍らせてきてしまった。7月には早々とGOTOトラベルを開始した。それが継続し長引いていた。専門家の意見や世論と支持率低下になって、ついに最近の菅政権のGOTOを12/28から1月11日まで中止決定した。大方の国民が余りにも遅い決定だし、なぜ27日まで中止を伸ばすのかと批判している。人の移動が最も感染の原因になると言われていたのにGOTOを引きずってきた、だが1/12からまた再開しようとしている。なぜ旅行なのか、なぜ観光なのか、なぜイートなのか、すべてが「来夏のオリンピックの開催」にかかわっている。海外からの受け入れも前のめり的に早すぎる。しかも、いまや変異型コロナウイルスが英国から発生している。厳しい対策を早くとらないととんでもないことになる。このような中で「来夏のオリンピックの開催」は益々見通せない。感染者はうなぎ上り的に増大し、重症者や死亡者は伴って増える。感染者を増やさないようにすることが最も大事な医療を守る対策となる。106兆円の予算から経営が行きずまった人々を助けるため、医療関係者への支援にもっと回さないとだめだ。東京都の感染者が日に1000人は現実となりつつある。そうなると異次元に入るだろう。「来夏のオリンピックの開催」というお題目を捨てて早くコロナ対策に全面的な舵取りをすべきである。


タイタニック号海難事件では無理を無視して航海に出た。いまのコロナ禍はその教訓を生かさなければならない。

2020-12-08 21:06:17 | 新型コロナウイルス感染

最近のことだが、NHKテレビで、タイタニック号の悲劇の隠れていた真実を知った。言われているように1912年4月14日から4月15日にかけてイギリス・サウザンプトンからアメリカ・ニューヨークに向かっていて、巨大氷山に激突して沈没した。午前2時過ぎであったそうである。タイタニック号は当時の最大級の豪華客船で2224人の客を乗せた処女航行であった。船倉には大量の石炭が燃料用に出発の何日も前から積まれていた。船の構造は鋼板で作られていたがどうやらやや品質水準の低い鉄板であったそうだ。知られているように石炭は発火源がなくても貯蔵中に自然発火する。タイタニックの場合も出発の前に石炭が船に積まれそのころから燃えていたというのである。船会社は予定どうりに出船することが会社の利益であった。たとえ船倉が火事でもだ。ボイラーマンたちは必死で燃える石炭をボイラーへ投げ込んだ。しかし、到底次々に類焼する大量の石炭を処理できなかった。隔壁は品質の悪い鋼板であったためもあり、真っ赤に焼けその強度は劣化していた。巨大氷山が航路上にあると通信で知られていたがタイタニックは大量の石炭を燃やさないと船倉の火災を消すことができず、最大速度で走らねばならなかった。そのために氷山への激突は相当の衝撃であった。結果は脆くなった隔壁は破壊され海水が流れ込んだ。以上のようなわけである。石炭火災や品質の悪い鋼板使用などの事実は最近まで秘密にされていたらしい。

出発のときには船倉での石炭火災が分かっていたのに航海スケジュールを守るため、豪華客船の宣伝のため、乗組員、船長や関係者はどうこの問題を扱ったのか、しかし、船主会社は航海決行してしまった。多分、火災は航海中に消すことができるだろう、船の強度は氷山衝突に耐えられるだろう、と高をくくっていたのだろう。また、計画していた救命ボートの数も半分ぐらいしか載せていなかったらしい。それで、救命にも支障を生じたのであった。

1918年にはスペイン風邪のパンデミックが発生している。4年間継続した。タイタニック号海難事件もスペイン風邪大流行も、殆ど同時期である。あれから100年たって、いま新型コロナウイルス・パンデミック中である。先は見えない。人間の驕りと無理がいかに悲劇を呼ぶか明らかである。オリンピック決行はそういう運命に向かっていないか。それを恐れる。

 


莫大な犠牲者を出しつつある新型コロナ感染症、こんな時にオリンピックはしないことだ

2020-12-01 17:07:15 | 新型コロナウイルス感染

12月現在の世界の新型コロナウイルス感染者は6300万人超であり、死亡者は150万人に達した。感染者数は実に世界人口77億人の1%になった。死亡率は3%とかなり高い。これだけの犠牲者が出ており、さらにこの数字はますます大きくなる。たとえワクチンが使用されてもその効果が薬学的な安全性を加味して評価されるまでにはまだまだ時間を要するだろう。そんな状況下にオリンピックを開催に向けて進めることの意味とは何だろうか。確かにこの死亡者のレベルは毎年のインフルエンザによる死亡率 0.1%台、結核の死亡率 1.8%と比べても数倍~数十倍高い。日本においてはインフルエンザの死者は3000人超/2018年、結核では 約2000人/2019年であった。

そうするといまだに先の見えない流行中、COVID19の死亡者は相当な人数になるであろう。しかも世界同時的である。ますます増加してゆく感染者と死亡者を思うとき、哀悼の意を抱き、とてもオリンピックなどという雰囲気ではないと思う。既に莫大な犠牲者を出しているという認識である。世界中が弔意を示さずにはおれない。どうしてオリンピックなどできようか。

GOTOイベントが感染増大と明確な相関がないという菅総理の認識はリーダーとしての資質を疑う。社会現象は複雑な絡み合いで進行するのであり、当初は明確な関係が見られない。そのいい例が地球温暖化と大気中の炭酸ガスの増加の関係である。トランプ大統領はこの関係を認識しないでパリ協定から離脱した。しかし、世界的に大方の国々は多くの気象異常現象から炭酸ガス原因説を確認している。はっきり証明できぬうちにその真相を把握し、見通し手を打つのがあるべき政治家の使命である。この観点からもGOTOが感染増加の大きな原因であると認め早くオリンピックを中止して医療崩壊を防ぐ方に予算と力をかけるべきである。