(童話)万華響の日々

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原発再稼働、超60年策の異常さ

2023-04-22 17:45:41 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

岸田内閣は原発再稼働するという政策に舵を切り替えた。その骨子は今まで40年で廃炉を60年以上とし、かつ休止中の年数を数えない。

こんな狂ったと言ってよい方針があるだろうか。炉の調子を検査してできれば永久に稼働させたいらしい。

これを決めた政府の人間は自分たちの生きている間は問題が起こらないだろうと高をくくっているのではないか。将来の社会が市民が重大な事故で被るであろう被害をどう思っているのだろうか。何よりも頓珍漢なのは検査等で休止した期間を考慮せずに60年以上という稼働期間を考えている点だ。どんな機器も設備も経年劣化がある。オーバーホールという全点検で一切合切入れ替えたらそれは新設と同じだが、部分的にしか交換しないだろう。それであればそのとき交換をしなかった部品は経年劣化をし続けているわけで、この休止期間を、半年とか2,3年を無視して省き60年の勘定に含めないというのは全く理に即さず理解できない。点検休止は何回もあるので纏めれば10年は少なくともあるだろう。この10年を数えずに60年を計画するとは、・・・・。これぞ異次元の延命策というべきである。政府はもっと議論をするべきである。チャットAIにでも聞いてみたらどうか。

 

 

 


原発回帰のなぜ?

2022-12-30 20:43:54 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

政治に一言。原発政策は再稼働、60年の長期運用、新型原子炉の建造など従来の原発廃止を完全に覆す決定に進みつつある。それもこれもウクライナ戦争による天然ガスの不足に由来するエネルギー危機に由来する。岸田首相の側近が原発推進派だという。この男による説得が大きいと言われている。近代日本において幾つかの産業が衰退していった。繊維、造船、アルミ製造、鉄鋼だ。最近では白物家電、音響機器、などなどだ。かつては、これら重厚長大産業が消え軽薄短小産業即ち半導体とか回路などにシフトしてきた。それすら韓国、中国などにとって代わられてしまった。いま国が求めているのは重厚長大の仲間である原発回帰である。原発こそ重厚長大の最たるもので衰退の運命にあるものなのである。

ところで原発の基本的な問題点は解消したのか?テロの標的となる危険性、(ウクライナではこれが現実となった)、過酷事故での放射能漏れの危険性、(日本では地震、火山噴火、大津波などの危険性が高い。)さらに使用済み核燃料の処分方法と処分地は曖昧のままだ。使用後灰中のプルトニウムの処理方法はどうなるか、原爆の原料になるので日本は原爆を保持しているように取られかねない。冷却水の処理も問題である。特に福島原発の事故後の冷却水は海中へ流すしかないようだ。風評被害は今も続く。いったん事故が起きた場合の避難方法だって曖昧のままではないか。それに電気代は極めれ高い。以上のような課題を積んだまま原発回帰はないだろう。

危機の時に過去へ戻るか将来に歩を進めるか、それが今問われたのである。政府は過去へ舵を切ってしまった。エネルギー危機の問題は技術革新のまたとないチャンスでもある。それは全くの白紙から始めるのではなく、既に技術者が開発研究してきたものを国として又は産業としてどう採用するのかという問題でしかない。

既に自然エネルギーとして開発されたものは凄く多い。太陽光、風力、波力、地熱、この中で地熱発電がなぜ取り上げられないのか訳が分からない。日本は火山国だしもっとも有利ではないのか。また、送電網の整理が進んでいない。3・11の電力不測の時にあれだけ電力会社が融通しあったではないか。こういうことに力を入れることが本当の国防というものではないのか。東日本大地震復興予算を防衛費に回すというたわけた考えはどこから来るのか。避難者が今も仮設暮らしをするというのに、・・・・政治家や財界人はもっとしっかりしろといいたい。


原発攻撃は核使用に等しい、また原発増設はとんでもない考え違い

2022-09-13 20:30:47 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

ウクライナのザボリージャ原発をロシア軍が砲撃し損傷を負わせている。これは真綿で首を絞めるような陰湿な核攻撃ではないか。今回ほど原発が危険で脆い標的であると感じたことはない。

攻撃側は核兵器を使わずにまさに核兵器を使ったに等しい結果をもたらす。このような酷いことをロシア・プーチンはするのか。日本は福島原発で津波と地震で崩壊した原子炉から放射能を帯びた水蒸気が地域に広く拡散し多くの住民が避難をせざるを得なかった。あのときもうちょっと原発からの放射能ガスの飛散の規模が大きかったら、あるいは風向きによっては東京が汚染され避難民が多数に上ったと言われている。

ウクライナで起きていること、原発攻撃は人道に外れたことである。絶対に禁止されねばならない。

一方で岸田政権は現在のエネルギー危機や化石燃料に頼れないクリーン電源として原発再稼働及び原子炉の新増設を宣言した。なにを寝ぼけたことをいうのであろうか。3.11の記憶はもう失せたのか。テロや侵攻の攻撃目標になるようなものを何故増やすのか。エネルギー源は再生可能エネルギーになぜ特化しないのか。日本の無尽蔵のエネルギー地熱発電を何故進めないのか。

 

 


オブザーバーとしても出席しない訳

2022-06-22 21:06:34 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

核禁止条約の第1回締結国会議が21日から23日までウイーンで始まった。アメリカとの同盟国のドイツ、オーストラリア、ノルエーはオブザーバーとして出席する。日本は欠席する。核保有国と同じ格好である。ということは、日本はアメリカの核の傘の下にいるけれども、実質的には核保有国ということになる。そう思われても言い逃れ出来ない。現に原発再稼働にはこのところ積極的だし、プルトニウムもたくさん蓄積されている。これは核兵器の原料となる。世界でで唯一の被爆国でありながらその重要な立場に相変わらず気にも留めないのは一体どういう事かと思う。岸田首相は広島出身というのは本当なのか。

 

YTと文章には関係ありません。

 


脱炭素は脱原発であり再生可能エネを極めて欲しい

2022-01-07 20:01:21 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

原発稼働回帰がヨーロッパで始まった。脱炭素すなわち地球温暖化を食い止める為にCO2を出さない原発に再び関心が戻ったのだ。数々の原発事過酷故、代表的なのは2011年の福島第一原発事故である。あれ以来ドイツをはじめ各国が脱原発にエネルギー源の舵を切った。ひとたび事故を起こした時の被害の甚大さ、運転コストが高い、使用後の核燃料の廃棄物処理の困難さ、放出される放射能は地球の広範囲に及び核廃棄物の寿命はものによっては何十万年後まで生きる。よって原発は使用すべきエネルギー源とはなりえないと各国は痛感したはずである。それが2011年から10年しかたたないのに再び原発に関心が戻るとは、情けない。

再生可能エネルギーにしか道はない。これの技術を極めてゆくべきで、再び原発の妖しく甘い誘惑に負けてはならない。


核保有国の共同声明に国は対応を

2022-01-04 16:34:03 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

新年のビックニュースとしては核保有国の米英仏中ロの5カ国が纏まって核保有国同士の戦争はありえないことで、それが一番の責務だと共同声明を発表した。核は戦争回避や防止のためのもので核戦争に勝者はいないと述べたという。国連事務総長もこの声明を歓迎した。

他の核保有国もこれに従って同調声明して欲しい。我が国はこの共同声明にどう反応したのだろうか。まだ聞いていない気がする。こういう時はすぐに反応するのが我が国の立場ではないのかね。核を保有する国としない国の間でなんかしなくてはいけないのだと思うが。はっきりしないな。
更に上記5カ国は核兵器の縮小化に手を付けてもらいたい。

YTと文章は関係ありません

「Dancing Queen ダンシング・クイーン」 ABBA アバ

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福島原発のトリチウム含有冷却排水の姿

2021-06-11 08:46:32 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

福島第一原発の3.11事故から10年たって、溜まったトリチウム汚染冷却水を海水中へ放出することを政府が決めた。海外の稼働中の原発で発生するトリチウム冷却排水も海へ排出されているから安全だという説明だ。だが、同じトリチウム汚染冷却水と言っても中身が違うことが見過ごせない。福島冷冷却水は原子炉が崩壊して残存するデブリを直接冷却した排水である。これにはストロンチウムやセシウムその他多数の放射性元素が含まれたトリチウム排水である。ALPS(多核種除去設備)を通して核種を除いてはいてもストロンチウムやセシウムなどを完全に除去できていない。海外原発の冷却排水は間接的に原子炉を冷却した排水でありトリチウムしか含まない。これを同列に論ずることはおかしい。海水へいくら希釈して放出しても絶対量は変わらない。このような多核種を含む排水を流したら海の生物は汚染される。食物連鎖によって多種の生物特に魚類には高濃度に核種が蓄積する。これを獲った人間が食すれば当然のように核種を取り込み放射能で侵されるであろう。福島県の漁業組合が放出反対をこだわるのは無理もない。10年にわたって風評被害から海産物の安全であることを獲得してきた努力が水泡に帰するからだ。東電は地下水の流入量を減らし、汚染水の蓄積方法を考えてもらいたい。核種の放射能半減期が過ぎるのを待つしかない。原発から出た放射性廃棄物の処理方法に含めて全体的に処理方法を対策すべきだ。


核兵器禁止条約を批准できない日本

2020-10-25 21:13:48 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

核兵器禁止条約が中米ホンジュラスが10/24に批准し、遂に条約発効の条件である50か国に達した。喜ばしいことである。昨日のニュースで49か国になった、後1か国だと言っていた。50番目が日本であればいいのだがと思っていたが期待は外れた。日本政府の核禁条約への態度は全くずれない。大したものだ。後々の歴史でこの日本政府の態度がどのように評価されるか。カギを握っているのは日米同盟である。良くも悪くも戦後の日本はこの同盟の恩恵に浴してきている。この同盟が有効に働く限り核兵器禁止条約への批准はない。他の核兵器保有国のどこも批准していない。三すくみどころか九すくみ状態だ。核保有国はアメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス、北朝鮮、インド、パキスタン、イスラエルである。日本は保有しないがアメリカの核の傘の下にいる。保有と同じ状態なのだ。

世界で唯一の被爆国がなぜ核兵器禁止条約を批准できないのか。原発稼働にも積極的であり続ける。原発事故の被曝国でありながら原発を捨てられない。同じ理屈が底流にありそうだ。


日立のイギリス原発撤退、原発政策はどうなるのか

2020-09-18 20:17:48 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

9/16朝日新聞朝刊には日立製作所がイギリスでの原発建設から撤退したと報じた。インフラ輸出は安倍政権の成長戦略であった。アベノミクスの第三の矢であったわけだが頓挫したことになる。日立は2019/1に民間企業として原発輸出には経済的に無理があるとみて凍結していた。原発事故の賠償額が巨額であり、他社の参入を募集していたが難航した。今年になって新型コロナウイルス感染拡大・パンデミックによる経済の悪化が決定的となったようである。これによって東芝の原発事業失敗、三菱重工のトルコでの原発建設断念の方向と原発海外計画は全て失敗しつつある。
国内では福島事故原発の汚染水処理も難航している。廃炉のデブリ処理も困難の中にあり遅々として進まない。菅政権はこの負の遺産をどう解決しようとするのか、不明である。


再録 長崎原爆忌 永井隆博士の弔辞

2020-08-10 20:31:25 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

長崎原爆被災者として生き残った永井隆博士は浦上教会の合同慰霊祭(1945.11.23.)で信徒代表として弔辞を述べた。病床で苦痛に耐えながら祈りながらまとめたものである。著書「長崎の鐘」にこの弔辞が載っている。かいつまんで紹介したい。

「昭和20年8月9日午前11時2分、一発の原爆が浦上に爆裂しカトリック信者八千の霊魂は一瞬にして天主の御手に召された。猛火は数時間で東洋の聖地を灰の廃墟と化し去った。浦上天主堂は聖母にささげられた。日本の戦力に止めをさすために最後の原爆は元来他の某都市に予定されてあったのが、気象条件が悪く長崎に変更された。しかも軍需工場を狙ったのがずれて天主堂を直撃したのである。このことは神の摂理であったと解釈されなくもない。終戦と浦上壊滅とには深い関係がありはしないか。世界大戦という人類の罪悪の償いが日本唯一の聖地浦上が犠牲に祭壇に屠られ燃やさるべき潔き羔として選ばれたのではなかろうか。

敗戦を知らず世を去りし人の幸せよ。潔き羔として神のみ胸にやすらう霊魂の幸せよ。それに比べて生き残った私たちのみじめさ。なぜ一緒に死ななかったのか。なぜこのみじめな生活をしなければならないのか。私たちは罪人だからでした。余りにも罪の汚れの多き者のみが、神の祭壇に供えられる資格がないため、選び残されたのだ。主与え給い、主取り給う。主の御名は賛美せられよかし。浦上が選ばれ燔祭に供えられたることを感謝します。この尊い犠牲によって世界に平和が再来し、日本の信仰の自由が許可されたことに感謝します。」

永井博士の弔辞にはなぜ浦上教会が原爆の犠牲となったか、亡くなった人たちは償いの羔に選ばれた幸いな人々であること、生き残った者は旧約聖書ヨブ記のヨブの信仰に立たねばならないこと、一切に神の摂理が働いていると認識すること、などが調和よく述べられたもの(世界)であったと思う。調和よい世界とは、神への信仰をもって見ないとわからない世界である。

永井博士は長崎の浦上に思いを集中しているが、勿論この時は広島も原爆で壊滅していた。その後66年たち核の平和利用という幻が全く消え去った福島原発過酷事故を体験した。あれから75年たち今なお原発の負の遺産を抱えている日本、永井博士の平和への道はまだまだ遠い。長崎で原爆にあい亡くなった永井隆博士のことを振り返った。「長崎の鐘」の歌の裏には壮絶な原爆被災者の事実があったのである。長崎市長も広島市長も核兵器禁止条約を日本政府が批准するようにと訴え願っている。安倍首相は原爆忌の日の挨拶で何らこれに触れようともしない。世界で唯一の被爆国でありながらなぜこんなにひねくれた政権があるのか理解不能である。

「タイム トウー セイ グッバイ」

アンドレア・ボッチェリ&サラ・ブライトマン  You tube

Andrea Bocelli, Sarah Brightman - Time To Say Goodbye (HD)

Andrea Bocelli and Sarah Brightman: Time To Say Goodbye (HD) Live From...

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広島原爆の日に核兵器禁止条約について考える

2020-08-06 20:52:35 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

敗戦後75年目の広島原爆の日である。毎年のことだが小学生代表の少年少女の 「平和の誓い」が立派である。二人が交互に暗唱した文章を語る。息があっているのは何回も練習した結果である。さて、毎年のことだが広島市長と安倍首相の主張が合わない。市長は核兵器禁止条約への参加を唱え、安倍首相はそれに触れず核保有国と非保有国との間に入って橋渡しに努めると主張する。何のためになにを橋渡しするのか説明してもらいたい。それは世界をどうバランスさせるものなのか。よくわからないのである。言語明瞭、意味不明とはこのことである。核兵器非保有国は核戦争の防止そのための核兵器製造禁止、勿論だが使用禁止を目的とする。一方の核兵器保有国は核使用の抑止効果のために核を保有する。相手に核兵器を使用させないための核なのである。日本政府は米国の核の傘に入って自らは非核三原則を守る。日米同盟の帰結である。だから日本は核を持たないが実質的には米国の核の論理、すなわち核兵器を保有して核使用の抑止効果を維持する思想に属するのである。日本の実態は実質的に核兵器保有国なのである。ただし米国に与することによってである。そういう立場の日本が核保有国と非保有国との橋渡しをするとは、何を目的にしたものなのか。そこを安倍首相には丁寧に説明してもらいたい。


「長崎の鐘」 3 永井博士の浦上教会合同慰霊祭での信徒代表としての弔辞

2020-07-09 20:06:53 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

長崎原爆被災者として生き残った永井隆博士は浦上教会の合同慰霊祭(1945.11.23.)で信徒代表として弔辞を述べた。病床で苦痛に耐えながら祈りながらまとめたものである。著書「長崎の鐘」にこの弔辞が載っている。かいつまんで紹介したい。

「昭和20年8月9日午前11時2分、一発の原爆が浦上に爆裂しカトリック信者八千の霊魂は一瞬にして天主の御手に召された。猛火は数時間で東洋の聖地を灰の廃墟と化し去った。浦上天主堂は聖母にささげられた。日本の戦力に止めをさすために最後の原爆は元来他の某都市に予定されてあったのが、気象条件が悪く長崎に変更された。しかも軍需工場を狙ったのがずれて天主堂を直撃したのである。このことは神の摂理であったと解釈されなくもない。終戦と浦上壊滅とには深い関係がありはしないか。世界大戦という人類の罪悪の償いが日本唯一の聖地浦上が犠牲に祭壇に屠られ燃やさるべき潔き羔として選ばれたのではなかろうか。

敗戦を知らず世を去りし人の幸せよ。潔き羔として神のみ胸にやすらう霊魂の幸せよ。それに比べて生き残った私たちのみじめさ。なぜ一緒に死ななかったのか。なぜこのみじめな生活をしなければならないのか。私たちは罪人だからでした。余りにも罪の汚れの多き者のみが、神の祭壇に供えられる資格がないため、選び残されたのだ。主与え給い、主取り給う。主の御名は賛美せられよかし。浦上が選ばれ燔祭に供えられたることを感謝します。この尊い犠牲によって世界に平和が再来し、日本の信仰の自由が許可されたことに感謝します。」

永井博士の弔辞にはなぜ浦上教会が原爆の犠牲となったか、亡くなった人たちは償いの羔に選ばれた幸いであること、生き残った者は旧約聖書ヨブ記のヨブの信仰に立たねばならないこと、一切に神の摂理が働いていると認識すること、などが調和よく述べられたもの(世界)であったと思う。調和よい世界とは、神への信仰をもって見ないとわからない世界である。

永井博士は長崎の浦上に思いを集中しているが、勿論この時は広島も原爆で壊滅していた。その後66年たち核の平和利用という幻が全く消え去った福島原発過酷事故を体験した。今なお原発の負の遺産を抱えている日本、永井博士の平和への道はまだまだ遠い。来月は原爆忌であるが先立つ今月に長崎で原爆にあい亡くなった永井隆博士のことを振り返った。「長崎の鐘」の歌の裏には壮絶な原爆被災者の事実があったのである。


「長崎の鐘」 2  永井隆博士のこと

2020-07-03 20:22:55 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

永井隆博士は明治41年(1908年)2月3日に松江市の生まれ、父は医者であった。松江高校理科卒、長崎医大、同大物理療法科助手、その後軍医として満州に行き、昭和9年帰還しカトリックの洗礼を受けた(26歳 霊名はパウロ)、同年結婚、昭和19年医学博士、この頃に慢性白血病で余命3年といわれた。昭和20年8月9日原爆被災しつつ被爆者の救護活動に当たった。昭和20年11月、浦上教会合同慰霊祭で信徒代表として弔辞を述べた。この時の内容が「長崎の鐘」に詳しい。

昭和21年教授についたが7月に倒れ病床に就いた。昭和26年5月1日死去、43歳であった。5月3日に教会葬、14日に長崎市公葬儀であった。なお昭和24年には長崎市名誉市民に推された。著書として「この子を残して、「長崎の鐘」、「如己堂随筆」など。生涯の座右の銘は「如己愛人」。如己堂にて礼拝と祈りと執筆と絵描きの晩年であった。如己堂というのは被爆後の療養生活を送った東屋である。「如己愛人」とは聖書のなかの言葉であり、己(自分)のごとく他人を愛する、という意味である。永井博士は本当にこの言葉を身をもって実践された。

讃美歌「主われを愛す」YouTube

 

Joey+Rory - Jesus Loves Me (Live)

Check out the official music video for "Jesus Loves Me" by Joey+Rory ...

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サトウハチロー作詞、古関裕而作曲、歌は藤山一郎「長崎の鐘」 1

2020-06-29 14:30:12 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

HKテレビの朝ドラ、「エール」を見ている。日本の大衆作曲家として歩んだ古関裕而、その人生が知りたくて見ていたが、コロナ禍で撮影ストップとのことだ、かの志村けんも出演していた。

まだ先のことであろうが、古関裕而の最高の傑作が登場する時を楽しみにしている。人によってその傑作は様々であろう。戦時に作曲した軍歌だという人もいよう。野球の応援歌だという人もいよう。終戦後のラジオドラマ、「君の名は」主題曲だという人もいよう。いろいろあっていいが、わたしにとって、それは「長崎の鐘」である。長崎に1945年8月9日に落とされた原爆、その犠牲者となった長崎医大の医者、永井隆博士の手記がもとになり、博士の本はなかなか出版してくれるところがなかった。そんな折に精神科医で式場病院創立者の式場隆三郎の援助により出版された(日比谷出版)。その後大いに売れたという。この本をもとにしたといわれているが、詩人のサトウハチローが作詞を行ったのが「長崎の鐘」である。サトウハチローの弟も広島原爆の犠牲者となったそうだ。長崎の鐘とは原爆によって瓦解した浦上天主堂の鐘で、瓦礫の中から発見された。永井博士は若くしてカトリック信者となった。夫人もしかり。この夫人が原爆で亡くなった。博士自ら頭部に負傷をしたが、それをこらえて犠牲者の救出と治療にあたった。この本を読むと涙が出てやまない。さて、サトウハチローの詞は古関裕而の目に留まった。そして作曲を行い、藤山一郎が歌ったものである。

現在に至るまでこの上なく国民に愛されている代表的な曲だと思う。

「長崎の鐘」You Tubeより

 

藤山一郎 長崎の鐘(クラシック歌謡)

藤山一郎が独唱する「長崎の鐘」は古関裕而の名曲であり、クラシック歌謡の代表曲です。

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経団連会長の原発稼働期間60年提言に思う

2019-04-24 21:01:05 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

中西宏明氏は経団連会長(去年秋以来)、かつ日立製作所の会長だ、日本を代表する経済人の発言は極めて重い、その会長がエネルギー政策について新たな提言をした、4月9日の朝日新聞記事によると、原発稼働期間を現在最長40年を60年に延ばす、しかも休止期間を差し引くともいう、

また地球温暖化防止の環境上の観点から温暖化ガスの放出が最も少ないから原発を推進すべきだとも、

耳を疑う提言である、老朽化し頻繁に起こっている地震による原発に与えた歪、それが積もり積もって安全性から20年で廃炉しようとしていたものを40年に延ばすことさえどうかと思うところ、さらに20年を積み重ねる、それを可能とする定期補修工事やその細密な程度と期間は想像するよりはるかに長く慎重を要する、福島原発事故から8年たったが、まだ休止中の原発は多い、原子力安全審査委員会がそれらの再稼働を審査する期間はもっと長くなる、その費用はどこが負担するのか、それでも延長稼働は可能となるのか、炭酸ガスを出さない代わりに気の遠くなるほどの長寿命の放射性廃棄物がたくさん出る、その人類に与える深刻な問題は地球温暖化に比してさらに重大ではないのか、その処分法もまだ不明な点をどう説明するのか、福島の放射性核物質を含む大量の貯蔵排水はどうするのだ、出口が分からぬまま原発再稼働を認めている今の審査について全く安心ならないでいる、むしろ再生可能エネルギーの開発に尽力すべきだし、廃炉のための技術開発こそ必要だ、それを提言してこそ日本を代表する経団連の心意気ではなかろうか