(童話)万華響の日々

いつもご訪問ありがとうございます、ブログ開始から大分心境も変わってきました

もう止められない虚しさ、五輪はどこへ行く

2021-06-29 20:25:23 | 2020年オリンピックと東日本復興

先ごろ行われたG7会議では、菅首相が他の国から五輪開催の支持を取り付けた。これには驚いた。G7の前にはマスコミもこぞって五輪開催中止または延期を希望するという人が80%を超えていると報じていた。このような世論を無視してG7に諮り支持を勝ち得たのである。その後は無観客はどこへ消えたのか、有観客を前提として1万人とか2万人とか平気でいうようになった。勿論、国会は閉鎖してしまった。議論の余地がない。こういうことでいいのか。しかも、G7という限られた国だけで決められることであろうか。アジア各国は、アフリカ各国は、南米各国は、オーストラリアやニュージーランドは、ロシアや中国は、北欧の国々は・・・?せめて国連で決まったならば多少は分かるが。IOCが開催強硬論であるので困ったものだ。ぼったくり男爵と言われているバッハ氏を始め大方が貴族で構成されている組織らしい。五輪そのものに疑問を感ずる。世界大会を持つ競技はそれでいいのではないのか。マイナーな競技だけ五輪をしたらいい。肥大化したため費用が掛かりすぎる。特定の国しか開催できない。もうこんなのはない方がいい。一度よく考えなおして貰いたいものだ。

また、菅首相の二言目には意味不明の呪文「安心安全」の内容が分からない。インド株が主流となる中で水際作戦がもうほころんでいる。ウガンダ選手に感染者がいるのに濃厚接触者たるチームメンバーの扱いがおかしい。競技場での酒の飲酒が取りざたされたがさすがに取り下げられた。その安易な考え方が危なっかしい。またワクチンに過大な期待を持ちすぎてはいけない。さらに小池都知事は過労ということで入院してしまった。これは危険なサインというほかない。


立花隆さんの死と大著「臨死体験」

2021-06-25 20:20:36 | 生と死を想う

「知の巨人」と言われた立花隆さんが逝去された。フリー・ジャーナリストが生涯の肩書であった。死亡日は4月30日、80歳であった。惜しい人を失った。私は彼の膨大な著作を殆ど読んでないが、ただ1冊「臨死体験」という中期の大作を隅から隅まで読んだ。そのころ私は愛しい娘と孫を共に失って茫然自失していた時であった。手に入る死に関する本を読み漁った。チベットの死者の書、エジプトの死者の書、臨死体験に関する書、グリーフケア、自死者・自殺者の家族、逆縁の死に関して、などなど読み漁った。その中には柳田邦男著「僕の心には弓矢が刺さったまま」もあった。

なかでも、立花隆さんの「臨死体験」は実例を数多く上げてその中から臨死体験とは?を科学的に解明しようとしていた。立花さんは自ら臨死体験の疑似体験も試みていた。臨死体験とは心肺停止のような死んだ状態になって医者も臨終を告げようとしているときに、ふっと生き返ることであるが、本人は一種独特な体験をしている。お花畑に出くわしていたり、大きな川の前に立っていたり、暗いトンネルを上がってゆくと光り眩い世界に入ってゆきそうになる、そして誰かが自分を呼んでいる声に気づき我に返ると、親族が自分を囲んで呼びかけていたというのである。国や男女や年齢の差に関係なくこのような体験をするらしい。なぜ臨死体験に関心を持つかというと、死後の世界を知りたいためである。そこで死んだ懐かしい人に会えるかもしれないと思うからである。立花さんも多分ご自分の死を感ずる体験があったのだろう。例えば癌が見つかったとか。それでこのテーマと取り組んだのだろう。臨死体験は自ら進んでするものではない。運命の中でたまたま死にそうになった人が体験することである。私も現実に何人かの人から臨死体験を聞いたことがある。死の瀬戸際から生還した話ばかりだ。だが、こういう人たちは大抵はもはや死を恐れなくなっている。むしろ人生を積極的に生きようとしている。他人や社会のために役立ちたいと思うようになる。なぜだろうか。死の体験とはそういうものなのであろうか。

立花さんに生きていて書いて欲しかったものがある。新型コロナウイルス・パンデミックとワクチンとその後の世界、についてである。それもかなわなくなった。誰かが現れて書いて欲しい。


福島原発のトリチウム含有冷却排水の姿

2021-06-11 08:46:32 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

福島第一原発の3.11事故から10年たって、溜まったトリチウム汚染冷却水を海水中へ放出することを政府が決めた。海外の稼働中の原発で発生するトリチウム冷却排水も海へ排出されているから安全だという説明だ。だが、同じトリチウム汚染冷却水と言っても中身が違うことが見過ごせない。福島冷冷却水は原子炉が崩壊して残存するデブリを直接冷却した排水である。これにはストロンチウムやセシウムその他多数の放射性元素が含まれたトリチウム排水である。ALPS(多核種除去設備)を通して核種を除いてはいてもストロンチウムやセシウムなどを完全に除去できていない。海外原発の冷却排水は間接的に原子炉を冷却した排水でありトリチウムしか含まない。これを同列に論ずることはおかしい。海水へいくら希釈して放出しても絶対量は変わらない。このような多核種を含む排水を流したら海の生物は汚染される。食物連鎖によって多種の生物特に魚類には高濃度に核種が蓄積する。これを獲った人間が食すれば当然のように核種を取り込み放射能で侵されるであろう。福島県の漁業組合が放出反対をこだわるのは無理もない。10年にわたって風評被害から海産物の安全であることを獲得してきた努力が水泡に帰するからだ。東電は地下水の流入量を減らし、汚染水の蓄積方法を考えてもらいたい。核種の放射能半減期が過ぎるのを待つしかない。原発から出た放射性廃棄物の処理方法に含めて全体的に処理方法を対策すべきだ。


五輪暴進豪華客船は止められないのか

2021-06-06 13:00:59 | 新型コロナウイルス感染

東京五輪はもう始まっている。開会式はまだだが聖火リレーをやっている。オーストラリアからはソフトボール選手団が合宿にやって来た。パブリック・ビューイング会場をあちこちに設営するらしい。こういうのを五月雨式という。小出しに少しずつやって既成事実を重ねて全体を形成しようとする。
五輪を中止決定しない限りこの動きは止まらない。このようにして五輪は荒海に進水した。ある政治家が言うにはさざ波状態だそうだ。だがまだストップを掛けるチャンスは残っている。国民の8割が中止か延期を望んでいる。これは何かを恐れているからである。何が起こるのか、それをリスク管理という。専門家会議の尾身会長は「いまの状況でやるというのは普通はない」と発言した。尾身氏はWHOで感染症対策に当たった専門家である。その人がそう言っている。これに対し厚労省の田村大臣は「尾身氏らの自主的研究の成果発表」と評した。専門家の公式提言とは受け取らない。よくぞこんな失礼な批評が出来たものだ。人間もここまで落ちるものかと哀れに感じたものである。見て見ないふり、聞いて聞かないふり。聞く耳持たず、見る目を持たず。リスクを知りながらリスクに目をつむる。

大感染クラスターが五輪中後に起き国内はもとより世界に拡散したら、このリスクをまともに扱わなかった責任をどう取るつもりであろうか。菅首相のふたこと目には「国民の安全安心」という。空虚な言葉にしか聞こえない。ワクチンを打てばリスクを回避できるのだろうか。今現在接種率は5割いかないのではないのか。当然集団免疫はついていないだろう。ブレーキ(国民の意見、専門家の提言)を取り去った(無視した)暴進豪華客船を誰が止められるか・・・

写真は映画「タイタニック」より