とおちゃんは風呂に入っていて、ふと壁になにやら黒くて
長いものを見つけました
「その黒くて長いものは何だったのかい」と、ハナミズキがたずねました
「それは、なめくじだったんだよ」と、とおちゃんがいいました
「お湯につかりながら、そのナメクジをなにげなく見ていたんだ
そして、ちょっと目をはなして、すぐにまたナメクジを見たんだ
ビックリしたよ」
「なにが起こったんだい」
「そのナメクジがさっきいた場所から、けっこう離れた場所に
移っていたんだ」
「あんなにのんびりと這ってあるくナメクジが、
そんなに早く移れるのかなあ」
ハナミズキは不思議そうです
「それで、とおちゃんはじーっとナメクジの這うのを見つめていたよ
そしたら、なんとあっという間にするすると壁を滑るように
這っていくのを見たんだ」
とおちゃんはすごく驚いたようです
「まえに、本で読んだんだが、ナメクジはテレポーションといって、
空間をあっというまに移動する超能力があるらしいんだな」
「へぇーー、テレポーションて何だい」
「空間移動能力のことだな、
それも、歩くのではなく空間の離れたところから、
別のあるところへ移動する能力らしい」
「ナメクジって、不思議な生き物なんだねえ」
ハナミズキは感心していいました
「もちろん、風呂場ではテレポーションしなかったけど、
あの滑るような速い移動速度には驚いたなあ」
本当に、これが本当ならば不思議なことです
それにしても、最近はカタツムリはめっきり減少しましたが
ナメクジはよく見かけますねえ