(童話)万華響の日々

いつもご訪問ありがとうございます、ブログ開始から大分心境も変わってきました

ナメクジは驚くべきことに滑るような速さで移動した

2012-05-29 20:33:41 | ハナミズキとの語らい

とおちゃんは風呂に入っていて、ふと壁になにやら黒くて

長いものを見つけました

「その黒くて長いものは何だったのかい」と、ハナミズキがたずねました

「それは、なめくじだったんだよ」と、とおちゃんがいいました

「お湯につかりながら、そのナメクジをなにげなく見ていたんだ

そして、ちょっと目をはなして、すぐにまたナメクジを見たんだ

ビックリしたよ」

「なにが起こったんだい」

「そのナメクジがさっきいた場所から、けっこう離れた場所に

移っていたんだ」

「あんなにのんびりと這ってあるくナメクジが、

そんなに早く移れるのかなあ」

ハナミズキは不思議そうです

「それで、とおちゃんはじーっとナメクジの這うのを見つめていたよ

そしたら、なんとあっという間にするすると壁を滑るように

這っていくのを見たんだ」

とおちゃんはすごく驚いたようです

「まえに、本で読んだんだが、ナメクジはテレポーションといって、

空間をあっというまに移動する超能力があるらしいんだな」

「へぇーー、テレポーションて何だい」

「空間移動能力のことだな、

それも、歩くのではなく空間の離れたところから、

別のあるところへ移動する能力らしい」

「ナメクジって、不思議な生き物なんだねえ」

ハナミズキは感心していいました

「もちろん、風呂場ではテレポーションしなかったけど、

あの滑るような速い移動速度には驚いたなあ」

本当に、これが本当ならば不思議なことです

それにしても、最近はカタツムリはめっきり減少しましたが

ナメクジはよく見かけますねえ


三浦綾子作品ー6 「水なき雲」 その印象

2012-05-28 17:08:36 | 読書三浦綾子作品

読書「水なき雲」 三浦綾子 中央公論社 昭和58年発行

 二人の姉妹がそれぞれ結婚して築いた家庭の家族が繰り広げる悲劇である。 桜田亜由子は会社員の夫の和朗が浮気をしていることを苦々しく思い、代わりに長男の純一の教育に熱中する。

 亜由子の姉の遠野木佐喜子も長男の俊麿の出世に自分の人生の希望の全てを託す生き方をしている。亜由子は全てに渡って姉の佐喜子の生活レベルに負けまいと競争心を燃やしており、俊麿が東大入学を目指しているのを知り、純一にも同じ目標を強いる。

 そんなおり、次男5才の真二は母の亜由子が愛人宅に泊まって帰宅せぬ夫への怒りから、け飛ばした枕に当たって庭石の上に転倒落下し頭を強打し、以後、記憶力が弱まり愚鈍な性格になってしまう。

 だが、それに反して真二は一層天真爛漫な心の持ち主に成長する。
 月日は経ち、俊麿は東大入学を果たすが、合格発表のその日に自らの命を絶ってしまう。その裏には、自分と母とのあってはならない母子相姦の地獄に墜落した苦悩に縛られていた自分があった。

それを図らずも現場に遭遇して見てしまった純一は従兄弟と叔母の浅ましい姿に衝撃を受けるも、誰にも語れず悩んでいたが、従兄弟の自殺を知りその日記を読んで俊麿の深い悩みに同情する。
 真二の頭痛原因も新しい医療で治療回復する期待が込められ物語は終わる。

 本作品では、教育ママといわれる母親たちの尋常でない息子への熱の入れようや、夫婦間の冷えた関係、父親あるいは母親の不倫がどれだけ子供たちに不幸な影を落とすか、母たるるもの、あるいは父たるもののあり様はいかにあるべきかなどなど今の社会の根深い問題点が提起されている。

 作者が女性であるためか、母子相姦すなわち息子との姦通が生々しく扱われていた点に注目させられる。少年期の異性との自然な交際を封じられ、ただ母のみにその肉欲のはけ口をいわば強制させられ、一切の目標を唯一東大合格に絞らされた息子は母に恨みと怒りを抱き自分自身にも赦せない悔悟を抱いていたに違いない。

その複雑な心はいつしか母への報復の決意と変わり、母親の目標達成を果たしたのと差し替えの自殺へと至ってしまった。

 本作品で扱われているテーマは幾つかあり、全てを論ずる気はない。
 やはり、息子への歪ん
だ愛ゆえの狂った愛情のあり方に尽きると思う。作者が母子相姦あるいは父子相姦を、母が息子へ、父が娘への独占欲の極致として取り上げ、そしてその欲情を果たそうとした結果、息子や娘を死に追いやってしまうという結末はなんなのか。

 三浦綾子がこのテーマを取りあげざるを得なかった
のはなぜであろうか。常軌を逸した愛憎ゆえに狂って鬼女になってしまった姿、あるいは鬼の姿に、人間の性「罪」の悲しく妖しい本性をみる。決して特殊な例外的人間の話ではなく、誰にでも起こり得る人生の闇に落ち込む亀裂である。どうすればこのような人生の落とし穴から救われるのであろうか。


バラが満開の京成バラ園を堪能した

2012-05-27 21:33:16 | 花の万華鏡

京成バラ園へはここ数年ごぶさたでした

久々にドライブを兼ねて行ってみました

平日(5/26日)であったにもかかわらず、大勢のお客さんの入りです

バラもほぼ100パーセントの開花状態です

まず、匂いがすごいです、

甘く優しい惹きつけるような香りで圧倒されました

数年前と比較して、花木が大きく立派になっていました

多くのカメラマンが夢中で撮影していました

とてもすべての花を観て、写真に収めたくても無理だなあと思いました

それほどのすごさです

たまたま、自衛隊の落下傘演習を目撃しました

本物を見たのははじめてです

花の香りと、目くるめくような色彩に圧倒されて帰路につきました

下はむせかえるような香りのバラの花たち

「イングリッド・バーグマン」という名のバラ

たまたま目撃した落下傘演習


絵本 「教会ねずみとのんきなねこのわるものたいじ」

2012-05-25 20:50:57 | 猫、ねこ、ネコの図書館

絵本 「教会ねずみとのんきなねこのわるものたいじ」

グレアム・オークリー 作・絵 三原 泉 訳

徳間書店 発行 2012年

作・絵ともにグレアム・オークリーさんが書いています

実に細かいていねいな絵であり、

ねこもねずみも表情が生き生きととらえられて描かれています

教会の中へ侵入してきたどぶねずみと今まで住んでいた教会ネズミの戦い

そこへのんびりしたねこのサムソンが教会ねずみに味方します

彼が考えた戦いのアイデアは決死のものでしたが

案の定、深刻な事態になってしまいます

大変な戦いでありながらユーモラスで、楽しめます

ねことねずみが共存共栄している世界です

 

 


創作人形作家 高橋まゆみ人形展を観る

2012-05-23 21:44:45 | 展覧会

二年ほど前にも、「高橋まゆみ人形展」がありまして、

そのとき初めて高橋さんの人形を見たときはびっくりしました

それいらい、すっかり彼女の人形の虜になってしまいました

今回再び市川市の「相田みつをギャラリー サロン・ド・グランパ」で

人形展が五月末ごろまで開催されています

勿論、観に行ってきました

今回もまた新しい創作人形が展示されていました

高橋まゆみさんは長野県飯山市にご在住で、

そこでの田舎の人々がモデルだといいます

なるほど、実に人懐こいほのぼのとしたじいさんやばあさんや子供、

孫の表情しぐさが現れています

一口でいうと、かれらはあごが大きく出ていて、ほお骨も出っぱていて

ユーモラスですが優しくて癒される雰囲気に溢れているというわけです

今回は七福神やちんどん屋の役者たちが新たな登場者でした

なかなか味わい深いですね

いちど、暇を工面して飯山市にある高橋まゆみ人形館へ行ってみたいです

ところで、展覧会場の「相田みつをギャラリー サロン・ド・グランパ」は

その名前のとおり相田みつをの書のギャラリーでありかつ、

おいしいパンなどを販売していますから、いろいろと楽しいところです


神代植物園のバラや巨樹を眺め深大寺の森林散策を楽しんだ

2012-05-22 21:26:23 | 花の万華鏡

東京都調布市にある神代植物園を訪ねました

神代植物園があるところは、むかしから深大寺がそもそもあるところです

お寺と植物園の名前が発音が同じなので不思議に思っておりましたが、

そのいきさつが立て看板に書いてありました(省略)

当日は、バラの花が七割がた咲きそろっているということでした

お客さんも多かったですが、バラの花の数のほうが多くて

好かったと思いました

森林も緑が濃く森林浴もたっぷり満喫できました

巨樹もけっこう多くて、親しんできました

トチの巨樹が紅色の花を満開にしていました

昼食は深大寺そばを楽しみ、帰りには深大寺の茶屋で饅頭を楽しみました

茶屋やそば屋の雰囲気は昔ながらの、

のんびりした風情で癒されて帰ったことでした

深大寺植物園も深大寺の境内もなかなか好い癒しの空間です


平安時代から千年目の金環食を見た

2012-05-21 20:37:54 | 日記

かねてから噂の日本全国的な金環日食の起こるという日の朝となりました

昨日の夜に、ボール紙に小さな穴をあけたものを用意しておりました

外へ出ると、曇っていましたが、何となく日も射すような天気です

ボール紙で太陽を映してみましたが、どうも映りばえが好くなく

どうしようかと、思っていたら雲がかかったので

太陽をちらりと見てしまいました

雲の流れる中に金環が見えました

このとき、少し薄暗くなり、気温も少し低くなったようでした

本当は木漏れ日の金環食を見たかったので少し残念です

写真は撮れなかったので、記憶を頼りに絵をかいてみました

次にこんなに広範囲で金環食が見られるのは、三百年後ということです

長生きしないといけないですなあ


クローバの葉を踏みしめる幸福

2012-05-20 21:26:12 | ハナミズキとの語らい

散歩の途中で一休憩する場所、

小さな広場でいまはクローバでいっぱいです

クローバの葉っぱを踏みしめて、ベンチへ進みます

そこで座って、持ってきたペットボトルから水を飲みます

最近はいろんな花木があふれて、こんなシロツメクサはかえって

珍しくなってきました

何か懐かしい草花ですね

ちょっとカメラで撮ってみたら、

万華鏡の中をのぞくような気分です

熊蜂がクローバの蜜を吸っていました

のんびりした気分です

ハナミズキに話したら、

「そういうときがすこしでもあれば、

幸せってことだよ」と、いいました


生涯を閉じるとき、自分の人生に対して悔いなき思いで臨めるのだろうか

2012-05-19 20:27:56 | 千年大災害と脱原発・核廃絶推進の闘い

朝日新聞朝刊の「声」欄で、東京都練馬区の奥本さんが東電の勝俣会長の

国会事故調査委員会での参考人招致での発言について投稿されていました

わたしも同意見です、大会社の会長とは思えない小もの発言には呆れていました

いやしくも、会社が関与した原発事故に対して、事実・真実を知ろうが知るまいが

その全責任を持つのが会長や社長であろうと思います

部下である社長や所長に責任転嫁するとは何たる情けない姿でありますことか

あまりにも他人事のような責任についての発言は、もはや訴えられた場合の訴訟

を覚悟して、下手なことは発言しないという訴訟対策であり自己弁護の姿勢であ

ことは想像に難くありません

こういう人は生涯を閉じるときがきたとき、一体、自分の人生に対して悔いなく

満足な思いで臨めるのだろうかと哀れに思います

実に可哀そうな人なのですよ


館林の躑躅が岡公園のツツジ老樹を楽しむ

2012-05-17 21:33:34 | 花の万華鏡

ちょっと時期が過ぎてしまったのですが、

群馬県館林の躑躅(つつじ)が岡公園に行ってきました

「公園の人が言うには、今年は寒かったり、雨や風が強かったりして

躑躅の花咲がよくなかったそうだよ」

「それでも少しは咲いていたのかい」と、ハナミズキが聞きました

「ところどころで、山ツツジなどが咲いていたよ

風が酷くてまいったなあ」と、とおちゃんがいいました

「樹齢が800年とか400年とかいうヤマツツジの老樹をみて面白かったねえ」

と、かあちゃんがいいました

「ツツジというのは幹そのものは、それほど太くならないが

横に枝を張るんで広い土地が必要なんだな

それと、いわゆるひこばえが大事だと思ったよ」

「それはなぜだい」と、ハナミズキが聞くと

「ツツジの幹は一本ではだめなんだな、

何本かが根元から幹が出て、それを一緒に育てて、

大きな固まりにするのが必要みたいだ」

「そういうもんかねえ

ところで、とおちゃんは難しい漢字を覚えたんだって」ハナミズキが言うと

「そうそう、ツツジという漢字だよ、”躑躅”と書くんだな、これは難しい」

花がなくても、興味の対象は見つかるということですかね

「公園内にネコちゃんがいて歓迎してくれたよ

花の少ないのをネコちゃんが補ってくれたかねえ」と、

かあちゃんがつぶやきました

 


映画「わが母の記」 日本 2011年

2012-05-16 21:07:40 | 映画の印象

別ブログに掲載しています、右記をご覧下さい⇒映画の真相とその隠された深層」 

 母 八重の行動が認知症からくる不可解な症状かと思われていたものが、俄然はっきりとした意味付けを持って迫り来る。このあたりのドラマづくりは推理小説の映画をみているような感があり、それが母が息子を想う篤い愛情の現れであったことが分かりぐっと胸に迫るものがある。


手術後、久々のスーパー銭湯へ行ったこと

2012-05-15 15:46:18 | 病気も仕事

実は10カ月ぶりぐらいですが、スーパー銭湯に行きました

心臓の手術後、やはり感染症の惧れや体力上の理由で、

スーパー銭湯の利用を中止していました

病院では手術後、半年ぐらいたったときに、スーパー銭湯に行っても大丈夫と

お墨付きをもらっていました

けれども、胸の傷が生々しいのや、感染症への注意上、行くのを延ばして

いまし

連休が終わってスーパー銭湯も空いたであろうと思い、

最近ついに行ったのです

どっぷりと湯ぶねにつかるのはやめて、腹ぐらいまでつかっていました

当日のスーパー銭湯には「電気風呂」はなかったので、問題なかったですが、

「電気風呂」は心臓ペースメーカーの植え込み者には禁じられています

ただし、「ジェット風呂」や「炭酸ガス風呂」は問題ありません

しかし、強いジェット湯を胸に当てるのは止めました

いろいろと気を使うものです

スーパー銭湯では頭を洗うのが楽でいいです

湯上りには、温水のシャワーで体をよく洗ってから出ました、

無論これは従来からやっていたことですが

これからはスーパー銭湯へちょくちょく行くつもりです


映画「アーティスト」 フランス 2011年

2012-05-15 14:45:41 | 映画の印象

 

別ブログに掲載しています、右記をご覧下さい⇒映画の真相とその隠された深層

2012年になって映画黎明期のサイレント映画を観るようになるとは思いもかけなかった。しかも、サイレントからトーキーへの移行時代をテーマにしており、最後にはせりふも聞けるという豪華な作りでうれしい。



心臓ペースメーカーを入れた遺体の火葬について

2012-05-14 21:03:44 | 病気も仕事

今日5月14日の朝日新聞朝刊には、

心臓ペースメーカー(PM)を入れた人が、亡くなったときに

火葬場によっては断られるという話が載っていました

PMは高性能なコンピューターであり、内部にあるリチウム電池で動きます

このリチウム電池が強熱されると、爆発破裂するので火葬場では

作業者の人などに危険が及ぶ場合があるというわけです

わたしもPMを植え込まれたときに、死亡した場合には病院で摘出除去してもらう

ことが必要といわれました

電池類は一般に火による加熱に対して危険ですから、

家庭からの廃棄物回収に当たっても、使用済み電池は特別に電池だけ

まとめて回収されています

人間も例外ではなく、火葬にされる場合には病院に申し出なければならないとい

けません

なお、記事では日本では現在30万人がPMを入れていること、

また現実にはPMを入れた遺体を受け入れている火葬場もあり、

統一されていないので、今後火葬場でのPMを入れた遺体の対応状況について

調査し、しっかりした対応策についての資料とするようです


母の日に際して母をテーマの映画について思う

2012-05-13 21:37:34 | 日記

五月の第二日曜日は「母の日」です

うちでもばあちゃんがショートステイへお世話になっていたのを迎えに行ってきて

夕飯は好物の日本そばのつけ麺にして食べてもらいました

さて、母の日を意識したわけではありませんが、

いま好評上映中の「わが母の記」をかあちゃんと連れ立って観てきました

なかなか良かったと思います

母を扱った最近の映画では「母べえ(日本 2007年)」と

「母なる証明(韓国 2009年」を思い出します

「母べえ」は戦時中の獄死した反戦文学者の夫とその弟子である青年との悲しい

愛の物語であったとおもいます

また、「母なる証明」は殺人事件を起こした犯人との疑いのかかった息子の無実

を証明するために狂気の行動に走った母の悲しい愛の物語でした

「わが母の記」は年老いた認知症の症状の中でなおも沁みだしてくる忘却の彼方

に消えつつあった真を伝えようとする母の息子への愛が語られたと思います

すべて素晴らしい映画でした(前二作はわたしのブログにも映画のカテゴリーで記録してあります)

母をテーマにした文学や映画そのほかの芸術には、

胸を打たれるものが数多いことに気づかされます