1/19朝日新聞記事から、エボラ熱が終息していないという不気味な内容、 最近はエボラ熱の記事はほとんど見なくなったが、実は潜水艦のように水面下をうごめき隙あらば水面上に姿を見せるような油断ならぬ状況のようだ、
残念なのは決定的な効力を有するワクチンや特効薬の開発が完成していないということだ、エボラ熱が猛威を振るっていた頃、やっとワクチン開発が軌道に乗ってきたような報道があったがあれはいったいどうしたのだろう、
ガッカリさせないで欲しい、パンデミックがいつ発生してもおかしくないのだから、WHOも注意深く監視してほしいものだ、エボラ熱流行が少し衰えたような今こそワクチン開発に力を注いで再流行時に備えてほしい、ノーベル賞の大村智博士のように大勢の期待に応えてもらいたい
以下は記事 {西アフリカで大流行したエボラ出血熱が終息しない。世界保健機関(WHO)は14日、最後の感染国とみられていたリベリアで「終息宣言」を出したが、翌15日には隣国シエラレオネで新たに感染が見つかった。各国の市民には、WHOへの不信と深い疲労感が広がる。
■西アフリカで大流行 不信と疲労広がる
シエラレオネでの新たな感染が発表された15日、リベリアの首都モンロビアにあるエボラ出血熱の治療施設では、防護服に身を包んだ医療従事者が、新たな感染者がいつ運び込まれてもいいように勤務を続けた。
リベリアでは前日14日に「終息宣言」が出された。ただ、これは昨年5月と9月に続く3回目だ。前2回は、再び感染者が見つかった。責任者のマイク・タルケ氏(41)は「完全な封じ込めまで数年かかるかもしれない」と話した。
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■装備手薄 医療者200人死亡
同国は感染拡大の前から医療態勢が極めて貧弱で、人口10万人に対し医師が1人か2人しかいなかった。現場の装備も貧弱だった。
医療従事者協会のジョージ・ウィリアムズ事務局長(45)は「当初は約8割の医療従事者がマスクや手袋なしで治療にあたった。商店のポリ袋を手袋代わりにして手術に臨んだ医師や看護師が多くいた」と話す。
同協会によると、所属する約1万人の医療従事者のうち約200人が死亡。ウィリアムズ氏は「感染した医療従事者が現場を離れたことに加え、感染患者の治療にあたる特別手当などが支払われなくなったことで、医療従事者が病院を去り、感染拡大を阻止できなくなった」という。
ウィリアムズ氏は「死亡した医療従事者に支払われるはずの慰謝料さえ受け取れていない遺族も多い。医療現場には不信が募っており、病と闘える状況にはなっていない」と訴えた。
一方、街では最初の終息宣言の後、エボラ出血熱の予防対策などを示す看板のほとんどが取り外された。飲食店やバス停に置かれていた手洗い用の消毒液も多くが撤去されている。地元記者アロイシャス・デビッドさん(34)は「何度も終息宣言が繰り返され、市民は疲れ果てている。緊張感も途切れた」と危惧する。
市民には、何度も「終息宣言」を出しながら撤回せざるを得なかったWHOへの不満が募っている。(モンロビア=三浦英之)
■楽観視が拡大招く
14日のリベリアの「終息宣言」の際、WHOでエボラ出血熱対策を統括するエイルワード事務局長補は「再発を予期しており、それらに備えなくてはならない」と述べていた。一日で、それが現実になった。 翌15日、WHOが出したのは、たった1行のそっけない声明だけだった。 「WHOはシエラレオネでのエボラ出血熱の事例を確認する」
WHOは楽観的な見通しを示し続け、感染拡大を食い止められなかった。 西アフリカでエボラ出血熱の流行が公式に確認されたのは2014年3月。同年4月8日、対策を担当していたフクダ事務局長補は封じ込めの見通しについて「4カ月」とした。
だが感染の勢いは増し、国際医療NGO「国境なき医師団」は「制御不能」と警告を出した。フクダ氏の発言からちょうど4カ月後の8月8日、WHOは「国際的な緊急事態」の宣言に追い込まれた。
感染症の封じ込めには、感染経路の追跡調査や、住民への感染防止策の周知が重要だ。しかし流行の初期には、感染者に不用意に触れたり、葬儀の際に参列者が遺体に触れたりして感染する事例が多発した。
WHOや地元保健当局は、接触相手の追跡や衛生的な埋葬の普及に力を入れたが、流行国は貧しい国々で、資金や人手が足りなかったという。 世界各国や国際機関、援助団体の協力で、15年になってようやく感染者数が減ってきた。だが今も、封じ込めはできていない。
切り札となる治療薬やワクチンも完成していない。背景には、インフルエンザなどと比べて感染者が少ないために市場規模が小さく、民間主導で開発が進みにくいという現実がある。あるWHO幹部は、研究や開発は軍事関連がほとんどだと指摘した。
さらに昨年10月には、新たなリスクが表面化した。感染後に回復した男性の精液内で、ウイルスが数カ月以上も残存していたと、医学誌で発表されたのだ。
終息宣言は、最後の感染者の血液からウイルスが消えた後、もしくは埋葬後に、潜伏期間の目安とされる21日間の2倍、42日間を経るのが基準とされてきた。この基準が正しいのか、疑問が浮上している。 人類とエボラ出血熱の闘いは、終わりが見えない。(ジュネーブ=松尾一郎))(太字はブログ筆者)