(童話)万華響の日々

いつもご訪問ありがとうございます、ブログ開始から大分心境も変わってきました

VWのジーゼル車不正ソフト事件は世界経済にとって脅威

2015-09-30 22:18:23 | 社会診断 企業

VW不正排ガスジーゼル車、これは10年に1度あるかないかの超ド級

の大事件です、不可抗力によるものではなく意図された時限爆弾です。

下請け会社(ボッシュ)が2007年に不正ソフトの搭載を違法だと警告し

たにもかかわらずVWはそれを無視したといいます、アメリカでのシェア

を取るための画策だったそうです、世界で1100万台で、傘下のアウディ

も210万台あるといいます、ドイツでは自動車産業に携わる人は7人に

1人いるというからドイツのみならず世界中の自動車産業に携わる労働

者を中心に下請けなど含めて経済にジワーと影響が出るはずです、

これはあの長い不景気のもととなったリーマン・ショックに続くVWショック

というべきで、、火山が爆発したようなものです、噴煙は世界中に及ぶ

でしょう


新国立競技場の無責任建設計画の責任の取り方 1

2015-09-30 20:16:34 | 2020年オリンピックと東日本復興

新国立競技場の建設費等の問題で第三者委員会の任指摘を受けて

下村文科相が辞意届を出し、安倍首相は辞任に値しないとしながらも

近々の内閣改造まで退任を留めました、下村氏は非違行為はなかっ

たが国民を盛り上げられなかった責任はあるということです、だから

第三者委員会の指摘点を受けての辞任ではないわけです、また頂点

に立つ責任者の森喜朗会長に動きはありません、安保法案採決以後、

内閣改造までの日程的及び政局的なダメージは皆無であり、辞任には

責任者や組織(政権)にとって何らかの犠牲があってこそのものである

はず、この辞任にはそれが見られずなんだろうかという感じがします


老衰死は平穏死なのだ

2015-09-22 19:18:13 | 生と死を想う

今週の日曜日のNHKスペシャルで放送されたのは老衰死のことでありました、興味があったのは90歳前後の

高齢者が老衰と いう形で最期を迎える、その意味とか内容状態についてです、「平穏死」で有名な石飛幸三医師

がご自分で開設され運営されている老人ホーム(特養)での利用者が老衰という平穏死を迎える姿、それを見守り

看取る家族の姿、これが実に印象的でした、体の機能が衰え組織の細胞が少しずつ滅死して減少し食事を摂らな

くなり、必要なものはただ唇を濡らす水のみとなり、昏睡し、最後の荒い呼吸が始まり、それが静かに衰え弱ま

ってゆく、そのとき身体は最後の発熱をしていっとき熱くなるがやがて呼吸が弱まるとともに静かに静かに呼吸

が止まり心臓が長い間休むことなく打っていた鼓動を止める、血圧もあっという間に下がってゆき終に死に至る、

実に厳かというほかありません、

 わたしの父母もまさにこのように息を引き取りました、実はいまでも気になっていたことがあったのです、

それは両親が死に瀕して荒い息をしていたこと、二人とも酸素の吸入をしてもらっていました、その荒い息が

苦しそうに見えたので、苦しかったのではないかと思って気になっていました、番組では老衰死しつつある人

のその荒い呼吸で苦しそうな身体の痛みを脳への痛みまたは苦しみの信号として測定していました、しかし

本人にとってその信号が弱まってゆくのです、つまり見かけとか外見では苦しそうに映るのですが、もはや

本人の意識というか心というか魂というか、それが平穏な状態へ限りなく到達していてもう苦しみは感じて

いない、医師はそう説明して家族を慰めていました、だからわたしは安堵しました、身体は死に向かう最期

のときには平穏以外の何ものでもないということです


「藤城清治影絵展 幸せをよぶ光」 を観て

2015-09-15 20:50:30 | 展覧会

銀座の教文館でいま開催中の「藤城清治影絵展  幸せをよぶ光」に行って来ました、

以前にも藤城清治さんの動物園展を観て興奮しました、今回もさらに影絵ってこんなにもすごいのかと

入館して直ぐにも感動しました、一つ一つの作品の世界に引き込まれしばらくは動けなくなるという

魅力の世界です、それぞれの影絵は結構の大きさで例えば「軍艦島」という作品は畳一枚ぐらいあり

ます、微妙な色彩でカラフルで細密であり、具体的であり抽象的です、

藤城さんの生涯を掛けた傑作ぞろい六〇点です、全く圧倒されっぱなしでした、広島の原爆ドーム、

修道女、二十六聖人、ブレーメンの音楽隊などを始めとしファンタジーとメルヘン、その究極の

望みは平和の希求、そのために美しさと華麗さと精緻さを最高に生かしたこれ以上のものはないと

いう藤城清治展です


有楽町の「相田みつを美術館」を観て

2015-09-07 20:13:54 | 展覧会

有楽町の東京フォーラムにある「相田みつを美術館」へ行って来ました、全館照明を暗くしてあるので

眼の不自由な人はちょっと足元注意です、よく相田みつをの作品ははがき大で売られています、ここで

はもちろんはるかに大きい現作品の大きさで観られるのでまた迫力が違います、みつをの独特の字体が

よく分かります、彼の若かったころの楷書の書が展示してあります、それはしっかりした楷書で思わず

唸ってしまいます、この基本があってこその彼独特の親しみ溢れる書です、初めからこのような、いい

方は悪いがちょっと子供っぽい字体であったわけではなく、楷書や草書の厳しい修業時代の努力があっ

てこその辿り着いた境地であり、それを表すことのできる字体であったのだと思います、

有名な「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」という言葉も彼のあの字体でなければ彼の

思想をよく内容や思いを伝えることができなかったのだと思います、また行ってみたいと思いました


歌舞伎町ビル火災の犠牲者の両親の苦しみに思う

2015-09-07 17:18:38 | 生と死を想う

2001年9月1日の歌舞伎町ビル火災で44人が死亡したという14年前のニュース、犠牲者の

両親の今も続く苦しみについて9月1日の朝日朝刊で見ました、その犠牲者の一人中村沙理由さん

(当時23歳 栃木県足利市)の面影を14年間追い続けている両親の苦しみを知るにつけ心が痛み

ました、将来はミュージカルの舞台俳優を目指していたが歌舞伎町でアルバイトをしていて事件に

巻き込まれたものです、両親は今でもオーデション用の娘の録音を聴いて偲んでいるとのことです

  犠牲者44人の中には同様の悲劇にあった肉親や友人が多くいることでしょう、このような逆縁

の死、とくに事件・事故・災害で亡くなった子供とか孫を持つ親兄弟や祖父母の心の苦しみは到底

想像できません、同じような目に遭った人ならば慰めも言えるかもしれません、けれどやっぱり

慰めや励ましはできるものではありません、

 ただただ自分の体験を語ってお互いに聞き合うことで共通の境遇を知って苦しみは自分だけではない

のだという慰めが得られるかもしれません、死と生の問題はだれにでも関わることでありながら納得

できる解答を得られる人は稀ではないかと思います、特に親しい者の不慮の死に関係した人はなぜ

自分だけが、この子だけがこんな苦しい目に遭わねばならないのか、その理由がわからず迷宮に

落ち込んだまま悩み苦しみ続けるのだからなおさらでしょう


三浦綾子作品-13 「病めるときも」 その印象  

2015-09-04 19:13:37 | 読書三浦綾子作品

病めるときも  「病めるときも」から 三浦綾子 朝日文庫 昭和53年発行

  精神を病む男を愛してしまった女、彼女を襲った苦しみとそれを乗り越えて

生きてゆくために与えられた神の導き、

  藤村明子は二十歳の夏、洞爺湖畔でのある青年と出会う、太平洋戦争の

起きた翌年、遊覧船で物想いに浸っていた青年に気が付き惹かれる明子、た

またま宿泊旅館が同じだった、この男が九我克彦だった、内に引きこもり傾向

の性格のようだ、

五年後の二人は婚約していた、明子の家は祖父の代から熱心なクリスチャン

だが母は故あって元芸者、世間はうるさかった、明子はめげずに神に喜ばれ

る生き方をしようと決意した、克彦は大学で結核に関する薬学を専攻していた

が明子も軽い結核にかかったこともあり克彦の研究は更に開発に拍車がか

かった、だが研究完成が近づいたある夜、研究室から出火し彼の研究成果は

全て焼失した、

  そこから悲劇が続く、克彦は意気消沈し精神状態がおかしくなる、むしろ

狂ったといってよい、もともと精神状態が落ち込む傾向があったので精神病い

わゆる精神分裂症(現在は統合失調症という)を発症したといってよい、彼は

入院したが明子の結婚の決心は変わらず二人は結婚した、

しかしチョットしたことで彼は精神異常に落ち込んだ、あるとき明子が彼の研究

室を尋ねたときだ、克彦は手伝いに来ていた女中の若い津由子と絡み合って

いるのを目撃、津由子は妊娠し出産時に男児を生み不幸にも死亡した

雪夫と名付けられた男児を明子は自分の子として育てる決心をする、ところが

雪夫は二歳の時はしかにかかり精薄児になってしまう、精神分裂症の夫、白

痴の息子、不幸のドン底、明子に未来はあるのだろうか!


用意されていたのは障害を持つ子供たちの施設内にある精神病院との出会

いであった

さすがの三浦綾子文学、主人公に負わせる苦難はこれでもか、これでもかと

いうくらいに徹底的に痛めつける、明子は重圧に押し倒され祖父に涙で苦しみ

を訴える、明子の祖父が彼女に助言する言葉は「神は負えることのできない荷

は負わせない、お前には何か果たすべき使命が与えられている」と、

そして明子は施設で働くうちに、そこの障害児の生きる姿にある種の神々しさ

を覚えるのだった、

  敢えて他者への愛のゆえに苦しみを負った者に与えられる報酬は

この世の常識を遥かに超えたところにあると伝えている

 

朝日文庫「病めるときも」に収録された作品は以上の6作です