(童話)万華響の日々

いつもご訪問ありがとうございます、ブログ開始から大分心境も変わってきました

夕日の不思議な力

2010-07-31 21:08:50 | 日記

                  

(とおちゃんよ---!! 海岸に行って、夕日を見たんだっ

て??)と、ハナミズキ

「そうだよ、海が見たくなってナア

きれいな夕日を見たんだ」と、とおちゃん

(そういえば、とおちゃんとかあちゃんの相棒ねこチャタが、

この世を去ってから1月経ったんだネエ)と、ハナミズキ

「海に映る夕日の光が、心を和ませてくれるんだ」と、とおちゃん

「何となく、チャタが行った世界に通じているみたいだネエ」と、かあちゃん

(夕日には不思議な力があるのかなあ)と、ハナミズキは思っ

たのでした。

セミの脱け殻は生きているかのよう

2010-07-30 17:59:13 | 日記
            
 ハナミズキは、庭の隅に茂っているミョウガの葉に、

茶色なセミの脱け殻を見つけました。

(ハハーーーン!! 今朝の薄暗いうちに、セミさんは脱皮し

たのだネ)

ミョウガは、優しくセミの幼虫が、脱皮しやすいように、

葉をゆるやかに、曲げてやりました。

セミは、無事に脱皮して、脱け殻を残して、

どこかへ飛び去ったのでした。

ハナミズキは、セミの脱け殻が、ミョウガの葉に止まって、

まるで、生きているかのようだなと思いました。


セミが鳴き始めた

2010-07-29 22:04:03 | 日記
ハナミズキは、自分の枝にとまって鳴くセミの声を聞いてい

ます。

(そうか、セミさんは7年も長い間、土の中にいたのか

やっと、地上に出てきて、一生懸命に鳴いているんだね)

「兎に角、鳴けるだけ鳴くのだ!!

1週間ぐらいしか、生きられないからなあ」と、セミは鳴きながら

いいました。

(そのとおりだネエ

みんな与えられた生物の宿命に従って、寿命が決まっている

からネエ

単純に短いとか、長いとか、比べられないんだよ)と、ハナミズ

キはいいました。

セミの鳴き声は、今からもっと激しくなるでしょう。

猛暑に負けずに鳴き続けろと、ハナミズキはいいました。


猛暑で花木も熱中症

2010-07-28 22:03:46 | 日記
ハナミズキが、真剣に心配しています。

(この猛暑続きで、草花たちがぐったりしているな!!

雨が降っても、直ぐに蒸発してしまうから、水が足りないんだネエ)

「朝顔の花を、見に外へ出たけれど、もう咲いた花がグッタリと

しぼんでしまったネ」と、かあちゃん

「とおちゃんも、朝夕に水やりしてるが、すぐに、土が乾いてし

まうんだ」と、とおちゃん

(洪水の出ているところもあるんだから、贅沢はいえないなあ

草花たちよ、何とか日照りを乗り越えてヤ)

ハナミズキは、自分の葉を震わせながら、真剣に心配しています。

花の万華鏡 バラのようなカーネーション

2010-07-27 20:30:49 | 花の万華鏡
     
                     
ハナミズキが部屋の中で、花瓶に活けてある花を見て、

つぶやきました。

(かあちゃんが花屋さんで買ってきた、その花は、まるでバラの

ようだね)

「この花は、”カーネーション”なんだよ。

本当に、花だけ見たら、バラにそっくりだネエ」と、かあちゃん

(人が手を加えて改良した結果、、花だけ見たら、

バラかと思うような草花の種類が増えているなあ)

ハナミズキは、それが好いことか、悪いことか、考え込んでしま

いました。


花の万華鏡 今年初めての朝顔

2010-07-26 20:27:21 | 花の万華鏡

           
ハナミズキが、とおちゃんにいいました。

(とおちゃん!! とおちゃんが好きだった”花の万華鏡”を、ま

た、始めないのかナ)

「そうだな、再開しようと思う」と、とおちゃん

ハナミズキは、かあちゃんにもいいました。

(かあちゃん!! 今日の朝、今年初めての朝顔が咲いていたよ)

「そう、そう、 初めの一輪は、逃さないよ」と、かあちゃん

「上手く撮れているじゃあないか」と、とおちゃん

そこで、かあちゃんが撮った、ことし始めての朝顔の一輪が、

久々の”花の万華鏡”となったのです。

熱中症対策スタイル

2010-07-23 20:37:21 | 日記
ハナミズキは、葉を枝にいっぱいに茂らせて、つぶやきました。

(今年の夏は、異常に暑いなあ!!)

葉がジリジリと焼けてゆくのを感じるなあ)

「この暑さは、災害といってもいいゾヨ

熱中症で大勢の人が、病院に運ばれているらしいなあ」と、とおちゃん

(とおちゃん、熱中症にかからないように、外を歩くときは気を

つけん)と、とハナミズキはいいました。

「それで、頭には麦藁帽子、首にはタオルを巻い

て、サングラスを掛け、冷水の入ったペットボトルを持って出か

けることにしたヨ」と、とおちゃん

(今は、町内の盆踊り大会の準備でとおちゃんは、忙しいらし

いけれど、気をつけてナ)と、ハナミズキはいいました。

涼しげな風鈴の音

2010-07-20 20:46:00 | 日記
ハナミズキが何かの音に耳を傾け聴こうとしています。

さて、何の音かな?! 涼しげな音だが。

とおちゃんは、友人からほおずきの鉢と一緒に、風鈴をもらっ

たのです。

「窓の外に吊っておいたが、ときどき、、好い音でなってくれる

なあ」

そうか、とおちゃんが吊った風鈴の音なのか、とハナミズキは

知りました。

「こう暑いと、風鈴の音の響きが、清涼感があって、

たまらなく好い」と、とおちゃんは感じました。

秋の虫の音が響き渡るまで、いまは風鈴の音に浸ろうかネ

と、ハナミズキはそう思ったのです。

入れ歯の管理は、とおちゃんの仕事

2010-07-19 21:40:38 | 日記
ばあちゃんの入れ歯の管理は、とおちゃんの仕事です。

夕飯が終わると、

「ばあちゃん、 きょう一日、口の中で窮屈な思いで働いてくれ

た入れ歯を、休ませてやらなくては」と、言って、

とおちゃんは、ばあちゃんの口から、上下の入れ歯をあずかり

ます。

ばあちゃんは、入れ歯と別れるのが寂しいのか

「直ぐ、戻しておくれよ」と、いいます。

「入れ歯を、消毒液に漬けて、明日の朝には持ってくるから」

と、とおちゃんは、ばあちゃんに言い聞かせました。

翌朝、朝食前に、とおちゃんは、入れ歯にすき間を埋める薬を

つけて、ばあちゃんに持ってゆきます。

「入れ歯が帰ってきて、安心したよ」と、ばあちゃん、満足そう

に、入れ歯を口にはめました。

これが、とおちゃんの大事な仕事の一つだねと、ハナミズキが

うなずきました。


日のひかりに透けたようなノリウツギの花

2010-07-18 16:47:02 | 日記
          
ハナミズキが、”ノリウツギ”の白い花が、

満開になってきているのを見つけました。

「ノリウツギさんよ、あんたは本当に、柏葉アジサイに似ているなあ」

すると、ノリウツギがいいまおした。

「わたしは、柏葉アジサイさんより、ずっと繊細な花だし、葉も

小さくて控えめだよ」

ハナミズキがいいました

「確かにそうだネエ。 それに、花の白色が実に透明感があっ

てなんともいえず、好いネエ」

ノリウツギは

「ありがとう、ハナミズキさん 

もうしばらくは、咲いているから、楽しんでください」とこたえました。

とおちゃんは、日のひかりに透けたようなノリウツギの花を見

て、本当にそうだナと思ったのです。

ほうずき

2010-07-17 21:54:34 | 日記
           
      友人から、浅草のほうずき市の”ほうずき”を、頂きました。

ほうずきは、何度も楽しめます。

白い花を楽しみ、赤いほうずきの袋を楽しみ、そして、

赤い実を食べたり、種を包む袋を鳴らして楽しみます。

「ほうずきは、夏の風情があるなあ」と、とおちゃん

「小さかった頃を思い出すネエ

袋の中の種を取って、口の中で鳴らしたモンだよ」と、かあちゃん

ハナミズキも、ほおずきの鉢が横にあるので、喜んでいました。

近所を一周してなだめた

2010-07-16 16:30:00 | 日記
夕方になって、88才のばあちゃんが、いつもの調子で

「田舎の家に連れてってくれないカエ、お前さんの車に乗って」

と、何回も、何回も繰り返します。

”ハナミズキ”が、とおちゃんにささやきました。

「とおちゃん!!  ばあちゃんは、今すごく興奮しているヨ。

その辺を、一周して帰ってきたらどうだい」

「分った、 一周して来よう」と、とおちゃんは、ばあちゃんを車

に乗せて出かけました。

あちら、こちらを走ってから

「ばあちゃん、!! もう暗くなってしまって、田舎へは帰れそう

もないなあ。

じいちゃんが、きょうは泊まっていってくれといってたから、そう

しようか」と、とおちゃん。

「そんなこと、言ってたかい、

そうさせてもらおうか」と、ばあちゃん

そうしよう、そうしようと、とおちゃんは、ばあちゃんを上手くなだ

められたと一安心。

そして、しばらくして帰ってきました。

「きょうは、ここで泊めてもらいます」と、ばあちゃん

自分のうちに戻ってきました。

”ハナミズキ”は自分の提案が成功して喜んでいます。

好きだったエノコロ草

2010-07-15 18:21:03 | 日記

             

ハナミズキが、とおちゃんに語りかけました。

ヤッパリ、とおちゃんはチャタが、エノコロ草が好きだったの

が、忘れられないんだね。

「そうなんだよ、それで、エノコロ草を見ると、

無性に懐かしい気持ちになるんだなあ」

「では、とおちゃん!! そのエノコロ草を、絵にしてみたらどう

だろうかネエ」と、かあちゃん

「下手でも、描いてみようか」と、とおちゃん

それが、今日の絵なんだね

チャタは、エノコロ草の、穂も葉も、好きで食べたからネエ



庭から呼ぶハナミズキの声

2010-07-14 20:49:26 | 日記
とおちゃんとかあちゃんは、大事にしていたねこのチャタを

天におくってから、呆然とした毎日を過ごしていました。

ようやく、自分たちの周りを、見回してみる気になりました。

静かに、呼びかける声が、家の外からしてきます。

木々も、草花も、小さな昆虫たちも、みんなが声をかけてくれて

いました。

「チャタの体は死んだけれど、魂は生きています

われわれの、息吹と共にいます」と。

そのとき、とおちゃんとかあちゃんは、大勢の声の中で、

ひときわしっかりとした強い声を聞きました。

「ぼくも家族の一人だ。いままでずっと見ていたんだ。」

それは、庭に生えている”ハナミズキ”の木の声でした。

「そうか、みんなが応援して支えていてくれているんだナ」

「これからは、このハナミズキさんとお話をしてゆきましょう」と、

かあちゃんはいいました。