千葉県市川市にある”東山魁夷記念館”へ久しぶりに行ってきました
東山魁夷画伯(1908-1999)は青緑色を用いた日本画で有名な方です
魁夷さんはクラッシック音楽もお好きで、中でもモーツアルトがお気に入りだったとのことです
ドイツへ出かけてコンサートにもよく通われたそうです
記念館の売店では魁夷さんが特にお気に入りであったモーツアルトの”第二楽章”を
吹き込んだCDが売られていたので購入しました
魁夷さんはあるときモーツアルトのピアノ協奏曲イ長調(k.488)の第二楽章を聴いていたときに、
脳裏に針葉樹の繋がり合う青緑色の湖畔に、一頭の白馬が現れて横切ってゆく幻想が
浮かんだそうです
これを絵に表わされたのが”緑響く”という作品であるということです(購入したCDの表紙絵)
魁夷さんにとって、モーツアルト音楽との出会いはけっこう年をとられてからで、
画壇でも不遇な時期であったとのことですが、最も幸福な巡り合いであったと述懐されています
魁夷さんのCD解説文によれば、
”人は生涯の旅路の上で幾度か邂逅と別離、親愛と忘却を重ねてゆく。
もし、長い年月を共に歩み、喜びと悲しみを共にする好伴侶に巡り合えたとすれば、
その仕合わせは計り知れないものがあるだろう。
それはこの世に在る人の場合だけに限らない。”
本当に同感です
私も以前に購入したモーツアルトのCDから気に入った第二楽章を抜き出して録音し
就床する前に聞いています
魁夷さんが選んだ曲の第二楽章のいくつかはわたしも共通しています
多くのモーツアルトファンはみなさんも同じ曲を選ぶでしょう
わたしにとっても、モーツアルトとの出会いは真に幸福な出会いといえます
わたしもどういうわけか、40歳を過ぎてからモーツアルトが好きになりました
夜、寝床に入ったらモーツアルトのCDを小さな音で聴きながら眠りに入りますが、
こんなに幸せなことはないというほどに、まさに至福のひと時だと思っています