スヴャストラフ・リヒテルのピアノ
ルドルフ・バルシャイ指揮
新星日本交響楽団 1994年サントリーホール
モーツアルト11歳の時の作曲である。
モーツアルトに対して、如何に若い時の作曲といえどもモーツアルトであることに変わりはない。天才は生まれながらにその片鱗を見せるのだ。あの明るさ、透明さ、軽やかさの輝きは明白である。しかし、20歳代になってからのものとは明らかな違いが感じられる。このCDは他に2曲が入っている。年代順に聴くことができ、おのずとそれらの違いが分かる。20分足らずの曲だがモーツアルトの明るく軽やかな響きに打たれる。
ピアニストのリヒテルは1915年ウクライナ生まれで1997年に84歳で亡くなった。今のウクライナのことを思えばさぞかし悲しむことであろう。