700ページにも及ぶ俳人詩人の姉妹が訳し戻したA・ウェイリーの源氏物語。表紙が凄いでしょう?とにかく易しい言葉で面白可笑しく英語のカタカナ表記も加えて明るい軽いタッチの源氏物語だった。100年前ウェイリーは日本語を学んで世界に源氏物語を発信したと言うのですから、この程度に解釈できたら立派だと思う。更衣をワードロープのレディ、須磨はエグザイル・アット・スマ、萩の花をライラック、お琴がシターン、琵琶をリュート、数珠をロザリオと言うように仏教用語にはキリスト教用語を与えているが中世ヨーロッパのカトリックの独特な雰囲気がよくマッチしていると…。末摘花がサフラン、青海波はブルーウエーブ・ダンスなどと訳し戻しのキー・ポイントは訳し戻し者はしっかり押えてある。シャイニング・プリンス光源氏は眩く光り輝いて気品と洗練の極みで誰もが感動していたと言う事や女性の噂を耳にすればあちこちとよくもまめに出かけたものだ…と改めて思いつつも可笑しくて肩のはらない700頁。ドナルド・キーンさんはこのウェイリーの源氏物語に出会った事が日本文化に興味を持ったきっかけだそうです。
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