Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

遠藤周作「沈黙」をめぐる短編集 慶應義塾大学出版会

2020-09-06 17:12:05 | 読書

先日、未出版の原稿が外海の遠藤周作博物館で見つかり早速読んでみた。大作”沈黙”や“深い河”の発表後短編を雑誌に書いていたのですね。自身の身辺の事を父親には絶対書いてくれるなと言われていたと言うが、短編はかなり家の事を題材としている。半分はフィクションでしょうが両親の離婚が彼のクリスチャンとしての方向性に大きな影響を与えているように感じた。結婚を決めた時のいい加減さなど「なんの花もないおむすびのような顔」と言って狐狸庵先生の顔が出たり、母と共に崇拝していた神父が好きになった女性と限界を超えた交際をしている噂に悩み彼と”さよなら””をした。信じ切って逝った母を思って…。遠藤周作の年譜を見ると母親が東京芸大出身のヴァイオリニストであった事、彼が12歳の時両親は離婚、母と大連から日本へ…はノンフィクションである事が解った。両親の離婚は一生引きずっていたと感じた。