Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

秋、舞踏会 芥川龍之介(岩波書店)

2017-08-25 08:29:20 | 日記
好きな作家であり医者の南木佳士が高校生の時出会い、書くことに開眼したと言う芥川龍之介の”秋”と”舞踏会”を読んだ。ほんの10頁ほどの短編だが南木佳士が17,8歳で芥川龍之介に魅せられた思いが解った。姉妹と従兄の恋愛、姉の妹を思う気持、今では古めかしいが姉が身を引いて他の人と結婚する。その精神的葛藤が知的に静かに語られ、「いいなあ、上手いなあ」…と”End of my life”の寸前の私も感激したのです。”舞踏会”も鹿鳴館の舞踏会でのフランス軍将校と令嬢の出会いのときめきが描かれ、令嬢は老いてからその将校はある作家であったと解る結末でまた「上手いなあ」と感動!。たった10頁余りの中に、長い物語を読んだような世界が描かれていて心を揺さぶり、芥川は短編がいいと改めて思った。