終身刑で28年の長い間アメリカで収監されている鹿児島県出身の著者が、脚光を浴びたのは朝日新聞の短歌投稿欄でした。とても繊細な歌を詠みいつも気になっていた。望郷の念ばかりでなく制限されているであろう生活の中で小さな自然をみつけ歌を詠む心は優しさに溢れ、何故終身刑に?と考えさせられる事度々でした。アメリカのプリズンは日本よりずっと自由があり、世間の情報などもたくさん入るようで精神的にも潤いのある生活が出来るように伺える。彼がいつか寒い夜に日本の綿入れの半纏が懐かしい…と詠んだ歌が忘れられず、出来ることなら送ってあげたいとさえ思った。人間如何なる時もその人の生きる”姿勢”が大切なのです。「さつま富士山麓菜の花埋め尽す故郷忘じがたく候」