アトラス山脈がモロッコを大きく二つに分けています。北のメディナの世界と南はサハラ砂漠へ続くカスバとオアシスの世界。砂漠を観る為にはこのアトラス山脈を往復しなければならない。しかしその風景の変化はダイナミックでやはりモロッコへ来たと言う実感が湧いてくる。雪を頂いたアトラス山脈、手前は荒涼とした大地。
明日のメズルーカ砂丘の起点エルフードを目指し、2000メートル余りのザード峠を越えます。途中イフレンと言うおよそモロッコとは思えないヨーローパ風のたたずまいの静かな街で小休憩です。イフレンは標高1650mにありとても寒かった。夏の暑さが厳しいモロッコでは避暑地として国王や政府要人、大富豪の別荘地となっているそうです。軽井沢のような雰囲気です。
同じタンネリでサボテンの繊維で布を織って売っています。デモンストレーション用かも知れないけれど古い形の手織り機です。これもモロッコの隠れた名産、サボテン・シルクと彼等は盛んに言っているがシルクとは?。スカーフに丁度よいと思い一枚買ってみたが、Oさんの仰る通り肌に馴染まず大げさに言えばゴワゴワですね。光沢はあるけれど…。暑い夏に頭部を覆うには良いのかなあ。
原皮をなめして染色をする職人の集まっている所です。アラビヤ語ではスーク・ダッバーギンと言う。異様な匂いがするので入り口でミントの一枝を渡され鼻の下にかざしながらの見学です。中世から変わらない手仕事で革をなめし染めている。硬い皮を薬剤を使ってなめす仕事が最も過酷で足などは薬剤でかぶれ大変きつい労働と言う。鳥の糞はアンモニアがあり革をなめすのに丁度良い。なめした皮は円い甕の中の染料で染められる。中世からの伝統をこうして守る…というより伝統に引きずられ身を委ね彼等は生きていると言う思いを強くした。ここで働く職人は250人ぐらい。この下で買ったバブーシュは頑丈だけれど履きにくくよくなかった。250DHを200DH(3000円弱ぐらい)にしたが高かあ~い。(旅の終盤で解った)良くない買い物だった。失敗!失敗!がっかり!悔しい!