Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

写楽 閉じた国の幻

2011-11-05 18:53:00 | 日記

島田荘司著「写楽 閉じた国の幻」(新潮社)を読んだ。わずか十ヶ月の活躍で突然姿を消した浮世絵師、東洲斎写楽の正体に迫ったミステリー。700頁もの大作で時として挫折しそうになりながらも、神田神保町の学士会館(45年前我らは此処で結婚式を挙げた)や著者が最も固執していた平賀源内が遠州相良に住んでいた、そしてオランダ商館の一行が長崎から江戸に参府旅行をした時の記録に富士川が溢れて蒲原で足止めになった、池田満寿夫が写楽は素人といった事、版元の蔦屋重三郎の話など身近な話に後押しされ結末までたどり着いた。史実とフィクションが入り乱れ頭の整理が大変。写楽の謎に眼をつけて学術書なども調べ、ミステリー仕立てにしたところは流石です。写楽の正体は浮世絵の鉤鼻に伺える…長崎の商館員のオランダ人であったそうな。