”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

恐かった赤十字

2017-07-29 15:54:50 | ブログ

静岡赤十字病院、日赤は今はとてもきれいな病院になりました。

でも、私にとっては長い間「恐い病院」でした。

 

 

小学校4年生の時、近所に住むとなりのクラスの男の子が

学校を休むようになりました。

「血液の病気で、日赤に入院しているらしい。」という噂が広まり、

白血病という病気があることも、その時初めて知りました。

  

ある日、授業中に隣りのクラスから全員の泣き声が聞こえ、

その子が亡くなったことを知りました。

 

小学校4年生の私にとっては、それは大変ショックな出来事で、

それ以降、日赤の前を通るのが恐くて恐くてたまらなくなりました。

 

当時の日赤は、かなり古い建物で、とても暗い印象を受けました。

静岡の中心地にありながら、昼間でも薄暗い病院の外壁には

赤十字のマークが、妙に赤く浮かび上がっているように見えました。

 

ここであの子は死んでしまったんだ・・・と思うと

子供心に、あの赤十字のマークが死の世界の入り口に見えたのだと思います。

  

あれから時は流れ、今、病院は見違えるほどきれいになりました。

ところが、駐車場の片隅に、私があれほど恐がったあのマークが

記念に保存されていたのです。

そう、このレンガのような外壁。

私が、目を背けるようにして前を通っていたあの赤十字のマーク。

  

こんな言葉が添えられていました。

昭和8年に開院し、静岡の大火や戦災にも負けずに生き残った病院。

その古い建物に浮かび上がる赤十字のマークは、

子供の私にとっては恐怖のシンボルでしかなかったけど、

多くの市民にとっては、安らぎの赤十字だったんだなぁ・・・。

 

コメント
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