紅茶の産地と言えば、
インド、スリランカが真っ先に浮かびます。
しかし、その産地では、なぜ紅茶をストレートで飲まずに
チャイという形で飲むのでしょうか?
産地なら、そのままおいしさを味わえばいいのに・・・。
最近、紅茶の生産者様とお話させていただくことが多く、
そんな中でふと沸いた疑問です。
理由は、インド、スリランカの歴史を考えてみれば
ごくあたりまえのことでした。
インドもスリランカもイギリスの植民地でした。
ということは、茶園で作られた良質な茶葉は
すべてイギリスに送られます。
インドやスリランカには商品にならない、
細かいほこりのような茶葉だけが残されました。
この茶葉で、よりおいしさを引き出すために考えられたのが
ミルクと一緒に煮込み、
地元で採れたスパイス類を加えるチャイだったのです。
【写真は、昨年のスパイス講座でインド人の先生が煎れて下さったチャイ】
以前、夫がインド出張の時に撮ってきた写真には、
道路を普通に横切る牛の姿がありました。
ということは、ミルクには困らない!! (^^)
どんな状況の中でも、
おいしさを求め、工夫する人間の力と心が
その国の食文化を創り上げるのですね。