旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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色は匂へと・健康かるた

2017-06-10 00:10:00 | ノンジャンル
 ものごとすべて「いろは」の「い」から始まる。
 階段を上がるのも、まず一段目の踏み出しが肝要で、いきなり三段目に足を掛けても、まあ、登れないことはないが、踏み外す恐れがある。そうなると十段先の目的の場所には行けない。「千里の道も一歩から」の道理。そこいらから「いろは」は、いろんな心得を説く言葉、標語に用いられている。

 「めざせ長寿・健康かるた」。
 作者は高橋和男(ペンネーム・たかしま風太)1943年生まれ。日本児童文芸家協会会員。レクリェーションインストラクター。東京都公立小学校教師退任後、作家活動に入る。著書多数。盲老人ホーム。特別養護ホームらで歌と話しの活動を続けている」と、紹介されている。

 *(い)一年の健康祈る初日の出
     琉歌にも「一年ぬ事や元旦に定み 一日ぬ事や朝ぬ内に」とある。

 *(ろ)老化は足から病は気から

 *(は)はい!みかん 老化防止にビタミンC。
     小生もあわてて通販のビタミンCを取り寄せた。

 *(に)日本のお米のおかげで 米寿の祝い。  
     言うまでもなく米と八十八歳・米寿を掛けたところが面白い。

 *(ほ)惚れたハレたも若さの秘訣
    「男も女も色気を失ったらおしまいよっ」。「体力は衰えても、色気は保持したい」。

 *(へ)勉強はいくつになってもいいもんだ
     学ぶ、考えるは脳の活性化に繋がる。生涯学習。
     先日乗ったタクシーの乗務員いわく。「お客さんの前に乗った女性は七十余りの方。
     行き先は那覇市の定時制泊高校。爽やかな気持でハンドルを握れます」。

 ここで注釈を。「いろは句」のあとに書き加えている文句は、作者の言葉にあらず。小生の独白である。乞う容赦。

 *(と)年寄りの笑い声には福が来る

 *(ち)痴呆の予防 ひきこもりにならずにウォ―キング
     生活道路を40分ほどかけて歩く。行き交う人に挨拶をする。確実に笑顔と声がかえってくる。それが楽しみで足も軽くなる。

 *(り)料理する姑と嫁の笑い声

 *(ぬ)縫い物や編物をして指運動

 *(る)留守番はしっかり戸締まり火の用心
     電話の対応は慎重に。年齢を重ねるとアクが抜け皆「いい人」になる。
     会話を欲しているのだろうが、その「いい人」の隙につけ込む「わるい人」がいる。

 *(を)お薬は飲み忘れない飲み過ぎない

 *(わ)若者にも好かれる頭のやわらかさ
     カタカナ言葉が日常化している昨今、サプリメントをサプライズと言い間違えて若者に訂正された。以来、カタカナ言葉は、周囲の若者に使い方を教えてもらっている。新語は大いに吸収しよう。

 *(か)肩こりによく効くひ孫の小さな手
     私事ながら小生にも、上は大学二年次、下は3歳児の孫がいる。上の孫が結婚し、出産するまでは元気でいたい。

 *(よ)よく学びよく笑う脳元気

 *(た)大好きな孫にも愛のカミナリを
     孫は可愛がってばかりではいけないということか。けれども、孫に敬遠されたくなくてついつい目じりの下がった物言いをしてしまう。カミナリなぞ落とせないのである。「そう甘やかしてほしくないっ!」と、孫の親のカミナリを喰う。爺商売は難しい。

 子が巣立ち、いまは古女房とふたり。「新婚当時みたいね」と、気休めの顔マッサージをしながら片割れはのたまうが、逆らうとこちらが損。「うん」と生返事をして、その場を凌いでいる。戻ったようでも、そこは「元のまま」の「元」ではないからだ。
 「めざせ長寿・健康かるた」は次号につづく。