旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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見えているか!自分

2013-07-01 01:00:00 | ノンジャンル
*高いつもりが低いのが教養。
 *低いつもりが高いのが気位。
 *深いつもりで浅いのが知識。
 *厚いつもりが薄いのが人情。
 *薄いつもりで厚いのが面皮。
 *強いつもりが弱いのが根性。
 *弱いつもりで強いのが自我。
 *多いつもりが少ないのが分別。
 *少ないつもりが多いのが無駄。

 東京下町のお寺さん近くの喫茶店のカウンターにあった小冊子を友人が持ってきてくれた。
 この類の小冊子は、大抵の観光地にあって読む人の心をくすぐっている。友人が、この小冊子を持ってきてくれたのは「少ないつもりで多いのが無駄」の後に、ボールペンで次の1行が書き加えられていたからだ。
 *賢いつもりが愚かなのが橋本。
 学歴、教養、社会的地位も申し分なく、地方のみならず国を動かす勢いの人物が「慰安婦問題」に不用意な発言をして、自らを窮地に追い込んでいるさまは「賢いつもりで愚か」と言われても仕方あるまい。

 西洋のブラックユーモアを思い出した。
 昔々、西洋の偉い学者が渡し船に乗った。学者は、見るからに学者らしい身なりだが、渡し船の船頭は身なりも貧しく、親の跡を継いで渡しを守っているらしく、学問とは無縁の態。学者は、いつもの説教癖が出たかして、船頭に言った。
 「船頭クン。キミは神学を学んだことがあるかね」。
 船頭は、びっくりして答える。
 「とんでもありません。聖書すら自前では読めません」。
 「そうかぁ気の毒になぁ。神学を学ばないものは、人生の3分の1を失ったようなもんだ。では、哲学を学んだことがあるか」。
 「テ、テ、哲学とてもとてもっ!哲学と言う言葉を聞いただけで頭が痛くなります」。
 「なんとまぁ気の毒に。ワシは10歳から哲学を学んでいる。哲学を学ばないものは、さらに人生の3分の1を失ったことになる。人間、ただ生きていればよいというものではない。つまり、学問とはだネ・・・・・」。
 学者は、船頭相手に高尚な講義をはじめた。と、そのとき、強烈な突風が船を襲い、アッという間もあらばこそ、渡し船は転覆して学者も船頭も河に投げ出された。船頭は、さすがに河で生きてきただけに泳ぎは得意。転覆は幾度も経験している、すぐに岸に向かって泳ぎ出した。しかし、学者はそうはいかない。
 「お、おういっ船頭!助けてくれっ!」・。
 その声を聞いた船頭は叫んだ。
 「先生っさまぁ!先生さまは泳ぎを学んだことがありますかっ!」。
 溺れかけた学者は必死に助けを求める。
 「お、泳ぎどころか学問一筋で海にも河にも入ったことはないっ!助けてくれっ!」。
 船頭は言った。
 「それはまぁお気の毒に。神学、哲学を知らないものは人生の3分の1を失うが、泳ぎを学ばず、知らないものは人生の10分の10を失うだよっ」。

 古諺に「学や知っち 物ぉ知らんがくやしっち むのぉしらん」がある。
 高学歴の学問は知っているが、日常的な常識をしらないことを言い当てている。また「くさ物言いとぅ 夜小便とぉ当らんくさむぬいいとぅ ユーシバイとぉ あたらん」もある。いい大人になっても、屁理屈や小賢しい物言いばかりで実行を伴わないものは、寝小便をたれる小人に等しいというのだ。筆者もそうなっていないか。反省!反省。

 ※7月初旬の催事。
 *第24回 日本最西端与那国島国際カジキ釣り大会(与那国町)
  開催日:7月5日(金)~7日(日)
  場 所:久部良漁港

 *第23回 サニツ浜カーニバル(宮古島)
  開催日:7月7日(日)
  場 所:下地与那覇港

 *第25回 糸満ふるさと祭り・第15回エイサーinいとまん(糸満市)
  開催日:7月13日(土)~14日(日)
  場 所:西崎陸上競技場