ツトムさん家の写真日記。

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第200回 100年前のおもしろ広告 みどり市コノドント館

2007-05-21 21:21:21 | 旅行

5月18日(金)    明治・大正・昭和初期の古い折込チラシの展覧会が群馬県のみどり市で開催中。

を飛ばして行った所はみどり市大間々町の中央部にあるコノドント館(大間々博物館)。
 
コノドンって変わった名前の博物館ですね。
みどり市郊外の地層から見つかった中生代・三畳紀(約2億年前)の化石生物の名前とか。

コノドントについては後日談と致しまして、そのコノドント館「100年前のおもしろ広告」と銘打って、主に昔のチラシ広告を展示公開していました。(4月28日~5月27日迄)

総レンガ造りの古い銀行を改造したコノドント館の入口は建物の裏側。無料P有り。
入場料はナントたったの100円!! 見る前から料金で感謝感激です。

100年前のおもしろ広告」はコノドント館の2階と3階に展示中。
綺麗に系統立っての陳列はとても見易くて絵画美術的にも優れています。

100年前のおもしろ広告」は東群馬の大間々町を中心として蒐集されたチラシ広告です。(大間々町は足尾銅山の中継地として戦前まで繁栄を極めた街。)
大都会には見られないユニークな絵図柄が興味を引いていました。

沢山の展示物の中から数点掲載させて頂きます。

まずは上部に大黒様和装美人のグラデーション絵と雲状態の金貨から釣り下がる各種格言、下部は右に日本の太陽暦と左に中国の大清暦を載せた日中で使える貴重な引札(藤屋忠三郎店)。
 
上右(吉野屋)は初日の出で正月の引札波形も鶴の羽ばたきを表現しています。(製作 大阪・古島竹次郎)

現在はチラシ広告と云ってますが、昔は引札(ひきふだ)と云いました。
”は配布する事を意味し、また客を引く、福を引く、金銭を引きつけると云った語呂合わせにもなっています。

前原商店引札は小船で懸命に藻を刈っている図です。

藻を刈る儲かるの語呂合わせですが、見てすぐに理解できたでしょうか?

引札」の大きさはタテ25cm,ヨコ40cm程で、当時の引札の大半は横長タイプ。
美人画引札も多数あります。現代のグラビアポスターでしょうか?
引札の多くは錦絵の伝統を引き継いだ石版印刷の多色刷り極彩色です。
 
引札」には略暦・鉄道時刻表・郵便料金などが印刷され、壁や襖に貼って生活の便に利用されていたそうです。 今で云うなら生活密着形広告の原点ですね。

コノドント館の「100年前のおもしろ広告」に展示されている引札は、みどり市在住の関口初男氏のコレクションを中心として、主に正月に配られた目出度い引札が多く見られます。

下は澤酒造(清酒・世界一)のカレンダー入りのカラフルな引札
 
現在でも生き残っている広告付き団扇。 少女の洋装姿が時代を物語っています。

下は郵便夫の絵に郵便物早見表旧略暦の三つを欲張って入れ込んだ引札(明治36年)

この「藤屋源蔵商店」の引札一つで全てOK! ってなワケですかね。

山深い大間々の地にも文明開化の息吹が引札と共に・・・。

足利屋は黒船の荷揚げ作業の港風景引札に描いています。

文明開化の象徴として自動車・複葉機・飛行船・陸蒸気など盛り沢山の磯田屋引札

舶来物・足袋の銭屋商店は鹿鳴館モードの引札です。背景の大きな太陽は明治期の日本の勢いを表現・・・。 横尾忠則の絵の原点はここにあったんですね。
 
菓子製造・山田屋大正ロマンの香り漂う美人画。 猫を抱いて竹下夢二の世界を彷彿とさせていました。

コノドント館の「100年前のおもしろ広告」では引札を中心に百数十点の展示品が見られます。 なかなか見ることの出来ない明治期からの貴重な引札の集大成で、見る価値は充分にあります。(博物館の目玉・コノドント化石も珍品です。)

群馬県みどり市間々町のコノドント館(TEL 0277 73 4123)へぜひ見に行って下さい。

2007 05 21(月)記。    前橋市   最高気温23℃。


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