ツトムさん家の写真日記。

写真いっぱいの楽しい日記です。(全面表示でご覧下さい)

第720回 熊谷市妻沼 聖天山歓喜院 下。

2012-09-21 19:00:00 | 旅行

2012 09 08(土)


2012年(平24)7月9日(月)、晴れて国宝に指定された“妻沼の聖天様”(聖天山歓喜院)の聖天堂本殿の拝殿と奥殿を見学。

拝殿脇の拝観口で700円を支払ます。 約30分間隔で案内する「阿うんの会」のガイドさんの説明を聞きながら入場。
 

権現造りの奥殿を一目見てその豪華壮麗さに誰しも感嘆の声を上げます。

奥殿の外壁は隅から隅まで華麗な彫刻が施され、異次元に迷い込んだ様な錯覚を覚えます。

拝殿と奥殿を結ぶ中殿の南外壁を飾る狩野派絵師が描いた唐獅子と長命水滝から見学は開始。


お見事としか言いようが無い漆塗り芸術作品も随所に見られます。
黒漆の羽目板に彫られた「鷲と猿」図は名工・左甚五郎作と伝えられ、激流に落ちた猿を煩悩に苦しむ人間とみなし、猿を救う鷲は聖天にたとえられます。
 
左上画像は孔子・釈迦・老子が瓶(かめ)の酢を舐めている「三聖吸酸」図。宗教・思想の違いはあっても真理は一つという故事。

細密な透かし彫りに5種類の漆を施した素晴らしい大羽目板彫刻。
聖天堂の彫刻は上州花輪村(群馬県みどり市)の名工“石原吟八郎”とその弟子たちが制作しました。


南北面に飾られた一対の鳳凰は吟八郎の技を継承する小沢常信と後藤正綱が手がけた作品。
  
階段にもブドウ畑で遊ぶリスと牡丹に舞う揚羽蝶とそれを見つめるネコが生きているように彫られ、左甚五郎の作とも言われています。
一代目の左甚五郎は聖天堂完成の約100年前に他界、3世か4世の左甚五郎でしょうか?

外壁に施されている彫刻は全て中国説話に基づいたものと言われています。
 
八体の竜神が奥殿の床を支え、邪悪を威圧して寄せ付けません。

極彩色に彩られた奥殿の素晴らしさ!! 正に国宝に相応しい品格です。


奥殿外壁(西面)の豪華さは日光東照宮を凌ぐと云われています。


西面上部の瓶(かめ)を割って子供を救う彫刻は「司馬光の瓶割り」の故事から。(司馬温公)
 
中央の羽目板には囲碁に興じる布袋恵比寿様、左手に酒盃を持った大黒様は酒を呑みながら観戦中。

奥殿各所にはめ込まれた錺(かざり)金具には造られた当時の寄付者の名前が記入されています。
  
十二支になぞらえた十二猿がユニークな姿を披露、母猿が子猿を抱いているので正確には十三猿だとか・・・。

金箔漆塗りの極彩色で絢爛豪華な聖天堂の奥殿、平成15年から8年の歳月をかけ、総工費13億5000万円を費やし修復・完工した江戸中期の文化遺産(宝暦10年 1760年完成 工費2万両)。
 

奥殿北面の上部にも瓶にまつわる説話の彫り物があります。南・西・北の三面とも唐破風の下は瓶の彫刻。
こちらの瓶は「酒売りの孝行息子・高風に、酒を呑み舞い踊る猩々酌めども尽きぬ酒瓶を与えた中国説話」を題材にした「猩猩酒遊図」。 
 
唐子たちが闘鶏を楽む光景もリアルに彫られています。

北面の大羽目板は特に精緻を極めた壮麗な透かし彫り!!


台座の部分には主に子供たちが遊ぶ姿が活き活きと立体的に彫刻されていました。


まだまだ沢山の彫刻が有りますが、下の動画でお楽しみ下さい。

国宝 妻沼聖天山 聖天堂 動画 .avi


死ぬまでに絶対見ておきたい国宝“妻沼の聖天様”を心からお奨め致します。


2012 09 21(金)記。      前橋市 朝     最高気温27.1℃   最低気温21.1℃  30℃以下に。




おまけコーナー。

「遂にテレポーションの瞬間が撮影された」・・・中国中央電視台(国営放送)。
CCTV camera captured Teleportation in China - September 2012

 

不気味!! 廃墟の遊園地で11年間回り続ける観覧車。(東ドイツ)
The Abandoned Ferris Wheel Spins Anyway




最新の画像もっと見る

コメントを投稿