ツトムさん家の写真日記。

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第808回 大田原市 光丸山 法輪寺。

2013-09-10 12:00:00 | 旅行

2013 08 03(土)


下侍塚古墳から国道294号線を1.5kmほど南に下った位置にある古刹“法輪寺”(大田原市佐良土1401)に参詣。

国道横にある法輪寺の直ぐ脇を流れる御行川(岩川)の中に鳥居が立っています。
海や湖などに真っ赤な鳥居が立っているのは厳島神社や芦ノ湖などでも見られますが、普通の川に鳥居とは珍しいことです。
  
この鳥居は光丸山奥之院への第一鳥居で第二・第三鳥居は山中の参拝道に立てられているそうです。
その昔は、この川は参拝道だったのか?または、この第一鳥居までは舟で上って来たのか?摩訶不思議な鳥居です。
川中の両部鳥居に掲げられた扁額には「光丸山大権現」の金文字。

鳥居と国道を挟んだ場所で杉木立に囲まれているのが“光丸山 法輪寺”、天台宗の名刹で貞観2年(860年)慈覚大師円仁の開山と伝えられています。
ちょうど、貞観大地震(貞観11年)直前の時期に開山した古刹です。
 
参道脇の手水舎にあるの姿がまるで身を乗り出して水を飲んでいる様で面白い・・・。

入口の正面に建ているのは光丸山本院大日堂、シンメトリックな形が美しい寺院形式の神社です。
訪ねた“光丸山 法輪寺”は古来からの神仏習合を留めるユニークな寺院、この地では神仏分離・廃仏棄釈の嵐は吹かなかったのでしょうか?
 
「光丸山」の扁額を飾る龍彫刻は素晴しい!

本院(大日堂)の横に建つ「天狗堂」を拝見、中に鎮座している天狗面の大きさは高さ2.14m幅1.5m鼻の高さ1.3m重量1トン。
1880年(明治13年)に奉納、昭和6年と28年に漆塗り替えされ、木製では日本一の大天狗面と云われ、防火・盗難厄除けの霊験があります。
 

大きな天狗面を拝見の後、大日堂の右奥に進むと古代の建築物を想わせる山門に出会います。
この山門は後嵯峨天皇直筆になる「勅額」を掲げた“勅額門”。
 

勅額は山・院・寺の三額を賜ったそうで、この門には山号の「正覚山」の文字。
但し、現在の額文字は後嵯峨天皇直筆ではなく、霊雲法親王(護良親王)の筆になります。
“光丸山 法輪寺”とは神社と寺の合体通称名、法輪寺の正式名は「天台宗 正覚山 実相院 法輪寺」。
   
勅額門の近くには霊験新たかな“薬師堂”、祀られているのは勿論万病に効く“薬師如来坐像”。

勅額門を通過すると正面に法輪寺の本堂(釈迦堂)、光丸山の中之院でもあります。
消灯され暗い内陣の須弥壇には釈迦如来坐像が鎮座しています。
 

本堂の右手前に建つ鐘楼脇に立派な枝垂桜の古樹が見られます。
この桜樹が樹齢約800年と伝えられる“西行桜”、保延年間に法輪寺を訪れた西行がこの桜を愛でて、「盛りには などか若葉は今とても 心ひかるる糸桜かな」詠じた事から“西行桜”と名付けられたそうです。(現在の桜樹は二代目)
  
法輪寺の境内には観音堂大黒堂無量堂などの諸堂が並び、深山の寺院らしい荘厳な雰囲気を漂わせていました。

時間が許すなら、二之鳥居・三之鳥居を経て“光丸山奥の院”まで参拝したい・・・。


現在でも神仏混淆を守る貴重な光丸山法輪寺、幽玄なひと時を味わいに訪ねては如何でしょうか。



2013 09 10(火)記。     前橋市     最高気温 28.4℃    最低気温 20.5℃


おまけコーナー。

ゴッホの絵をアニメーション化したショートフィルム。



歴史を物語る興味深い写真。
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錯覚画像コレクション。
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