2008 10 19(日)
群馬県伊勢崎市北部の華蔵寺公園西に位置する波志江町の愛宕神社で“波志江祇園祭”が久し振りに開催されました。(波志江⇒はしえ)
波志江祇園祭は毎年行われる定例祭ではなく、特別な出来事や節目の年に限定されて行われてきた不定期祭。大正時代から数えて6回目の祭りが10月18~19日に行われました。
前回行われたのは伊勢崎市制60周年を記念して2000年のことです。
今年の祭りは8年ぶりで愛宕神社の境内に集まった人形屋台は10台。
2004年に伊勢崎市の重要有形民俗文化財に指定されました。
にぎやかな祭囃子の誘われて・・・。
19日の午後2時過ぎに波志江の愛宕神社に到着。
境内には沢山の屋台が集結し、賑やかな祭り囃子の競演の最中でした。
波志江祇園祭の動画をご覧下さい。
伊勢崎市 波志江祇園祭 1
群馬の伊勢崎市と云えば「かかぁ天下と空っ風」の本場地元。
屋台囃子を演ずるのも可愛い女性達です。
空っ風の上州群馬と云えばご存知”国定忠治”です。舞台は名刀・虎鉄を片手に「名月・赤城山」の別れの泣かせる場面。(忠治の故郷・国定村は波志江から4Km北。)
純白の白拍子は源義経が愛した「静御前」の華麗な舞姿。
それぞれの屋台に飾られた破風板には豪華な透かし彫り彫刻が・・・。
片田舎の町にある屋台とはとても思えない立派な彫刻のある屋台です。
屋台には戦国物がお似合いですね。左は「徳川家康出陣」。
戦国の合戦では定番の武田信玄と上杉謙信の「川中島合戦」名場面。
下波志江の屋台に置かれた虎彫刻は本来3個組み合わされて破風に飾られていたそうです。慶応年間の火災で2個消失し、この1個だけが辛うじて残ったのです。
「加藤清正の朝鮮虎退治」の彫り物でしょうか?
3個が組まれて飾られたらさぞかし豪壮な破風飾りになったことでしょう・・・。
(これから乾燥した冬になります。⇒ 火の用心!)
上写真左右の柱彫刻は雨水を呼ぶ龍神の彫刻です。
全部で10台の屋台が境内に集まって豪勢な景観が繰広げられていました。
愛宕神社境内は祭り屋台の曳き手勢子と見物人で超満員でした。
子供たちも大人に負けじと祭囃子の演奏中。
隣では女の子も鉦太鼓を打ち鳴らし、“波志江祇園祭”を盛り上げていました。
伊勢崎市 波志江祇園祭2008 2
農村地帯だった波志江地区は昔から水利が悪く雨乞いの為に、江戸後期から明治期に波志江の屋台が作られました。
10台の屋台のうち、屋台倉に収納できるのは5台のみ。他の5台は祭りに合わせて組み立て・解体しなければならないそうです。
人手も予算も少なくて毎年は開催出来ないとか・・・。(哀)
国家財政が破綻状態だというのに、自民公明政権の選挙目当て国民買収金「定額給付金2兆円」をばらまくより、この様な文化芸能活動にも使って欲しいものです。
2008 11 19(水)記。 前橋市 最高気温14℃