キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

初心者のための宗教学講座

2018年02月23日 | ☆学ぶ!
「初心者のための宗教学講座」第3回。
会場:隣町珈琲(品川区)
講師:釈徹宗

講師の 釈徹宗 と言う方、良く知らなかったのですが、この間、NHKの「100分de名著」と言う番組「親鸞 歎異抄を読む」の再放送をちょっとだけ見て、話がとても分かりやすい人だなぁ。と印象に残っていたのです。宗教には興味がないわけじゃないけれども、「難しそう」と避けてきた分野なので、この方の話なら、わかるかもしれないと思いました。

たまたまネットでこの講座のことを知り、軽い気持ちで出かけてきました。第3回とありましたが、前の2回を聞いていなくても、受け付けてくださるようだったので。平日の夜7時、職場から30分くらいで行けるのでちょうどいい距離です。

出かけてみて、驚きました。

初心者のって書いてあったけど、とっても難しかったのです。


大学の講義っぽかった。
まさに「宗教学」の講義でした(受けたことないけど)
でも内容は面白かったし、用語などは難しかったですが、内容の方はちゃんとついていけてると実感しながら聞くことができたのでよかったです。テレビで感じた「このヒトの話はわかりやすい」というのはそのままでした。


第3回のテーマは「宗教の共存」

つまり、世の中にいろいろある宗教はどう折り合って、人々はどう共存していけるのか?
難しいテーマですね。
自分とは異なる信仰の人と分かり合えるのか?
一緒に暮らせるのか?
社会の構成員として協力できるのか?



【自分のための講義ノート】

講義は、「信仰とは何か」という話から始まり、「宗教間対話」についてのこれまでの取り組みについてひとつひとつ解説してもらいました。

宗教間対話の3つの様態

1.排他主義
自分の宗教が絶対!外は認めない立場。
信じない者は救われない「教会の外に救いなし」

2.包括主義
自分の宗教に他の宗教を呑みこむ。
本字垂迹説。ヒンドゥー教

3.多元主義
1980年代から、自宗教と他宗教を並列に考え、対話を試みる立場。
かなり期待された考え方だったが、
「万教帰一」の考え方を招いたり、これだけでは上手くいかなくなってきた。
ジョン・ヒック


そして現在は、「草の根の対話」の活動が続いているが、その力は相対的に見て小さい。世界的には近年むしろ「原理主義~ファンダメンタリズム」が台頭してきている。そして原理主義のパワーは強大で、草の根の対話などは太刀打ちできないほど。
しかし、草の根の対話だろうとなんだろうと、各宗教は対話の丸テーブルに着席することをやめてはならない。



信仰は、人間の内面の問題でもあるが、時に人間が制御不能になるほどの力を持つ。
心の問題だけではなく、形式、行動様式の問題であったりもする。

宗教には毒がある。
他者を傷つける。

この問題に取り組むためには、宗教を体系的に学ぶ必要がある。
宗教には必ず「リミッター」が備わっており、それが「毒」「加害性」を抑えている。
生半可な理解で宗教をとりあつかうと、過激なものになる。


自己の信仰と他者の信仰とは別のものだが「橋」をかけられる。
これまではその橋を架けるために「地域や文化の様式」が役に立ってきていたが、今はその中景と言うべき力は弱体化した。今その代りになる可能性は「芸術」が持つのではないか?

世界各地で生じる宗教対立問題。
宗教問題は人類の問題であり、信仰をもつ人の身の問題ではない。
無宗教の人でも当事者意識が必要。
草の根の対話の力は小さいかもしれないが、その道しかない。


では、どうやって対話するのか?
そのヒント・・・・

●理解や共感を前提としない
 異なる宗教はどこまで行っても平行線であるかも知れない
●宗教儀礼は信仰がなくても参加できる
 儀礼に参加することで理解できなくても敬意は表せる
 「信心」ではなく「儀礼」に大きな力があるかも知れない



初めて聞く話ばかりだったので、頭の中がとっ散らかっていますが、かなり刺激されました。
面白かったです。
日頃意識していない、自分の中の信仰心、宗教観なども考えるきっかけになりました。


私がやってる宗教的行動
・お正月には鏡餅やしめ飾りをして年神様を迎える
・初詣~真言宗のお寺に行って護摩木勤行に参加して般若心経を唱えている
・初詣~近所の神社に行って、玉串をささげている
・お札をもらってきて家の中に祀っている(ぞんざいだけど)
・おみくじをひいて、それをよく読んで行動を反省したりする
・実家に帰れば仏壇に線香をあげる
・婚家の法事の時は「なむあみだんぶつ」を歌う
・旅行先で神社仏閣を訪れれば、お賽銭をあげて拝む。(外国でも)
・食事の際には「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わす
・水にお湯はたさない
・北枕にしない
・お葬式や結婚式はどんな宗教宗派であっても儀礼に参加する
・クリスマスにはケーキ買って食べる(友達と食事するならメリークリスマスなどと挨拶する)
などなど。
ざっと思い出しただけでも、こんなに。
何教を信じてるのか名前が付けられないけど、かなりの宗教心を持ってると思われますよね。



主催者のブログ
第3回 釈徹宗「初心者のための宗教学講座」開講!

ご興味ある方、音声が販売されています。
http://www.radiodays.jp/item/show/201741



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