キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

ホトトギス昭和18年1月号

2017年09月08日 | ☆記憶
有休とって国会図書館に行ってきた。
今日こそ、ホトトギスをゆっくり見て祖父の俳句を見つけるぞ!前回は時間がなく慌ててたから、今回は三時間近くかけてじっくり「虚子選」の投稿俳句を見ていった。毎号それこそ何千句とあるので大変。

でも、ついに発見!
祖父の俳号である「礁舎」の「礁」の字が「樵」になってるけど、間違いない。

  どの顔も戦禍の民や秋耕す  中支南昌 樵舎


同じページに祖父の手記に登場する「親友」の奈良邯子氏の名前も見つけた。

  梅雨の扉に入城の日の文字のこる  中支 邯子

どちらも戦時中の句だなぁ。


一年分の虚子選を読んだので(超絶斜め読みだけど)幾つかの俳号を覚えた。毎号毎号選ばれる常連さんがいたようだ。

熊本の人だと、草餅さん とか
南京の下村非文さん、
漢口の佐藤一村さん、
倶利伽羅の竹中一峰さん、
中支の大刀さん…

有名人の名前もある。
草田男、青邨、汀女…父が最近話題にしていた、横井迦南も常連さんだ。面白いところでは中村吉右衛門なんていうのもあった、芝居の俳句なのであの吉右衛門だろうけど、何代目かな?(初代だそうです。虚子の弟子だったとか @wiki)

この虚子選に投句してくる人々は、日本全国はもちろん、当時外地と呼ばれたアジア、南洋、そして、戦線からもたくさん送られてきてる。入院中の兵士は傷病の文字があり、時には戦死と注意書きのあるものもある。現代より俳句人口が多かったのだろう、特に若い人に。それと、戦地にあっても俳句をよむ情熱がすごいと思った。。



ホトトギスは戦争中もしっかり発行を続けていたようだが、昭和20年になるとどんどん内容が少なくなる。紙が手に入らずやむなくページ数を減らしたようだ。最後の頃は、投句の「虚子選」だけが掲載されるようになる、虚子自身も小諸に疎開し、投句の宛先も小諸に変更される。そして、昭和20年の4月号まで出したところで、発行困難になり、次は10月号、11月号が発行された。12月号は出なかったようだ。国会図書館にもその10月号はなかった。混乱期のためか?11月号を見たが、急に英語のページが登場し、驚いた。

ホトトギスはすべてデジタル化されているが、ネット公開はされていない、また時間を作って読みに行こう。

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