放射線育種場、通称「ガンマーフィールド」の存在を知ったのは、この春つくばで。科学技術週間の一環で、筑波農林研究団地が一般開放され、そこの農業生物資源研究所に展示がありました。何と50年も前からずっと放射線を当てて品種改良をする研究をしていたそうです。しらなかった~。原発だけじゃなく、医療だけでもなく、放射能の力を使った研究ってほかにもあるのですね。
とても面白いと思ったので、その仕組みや研究成果を自分なりに調べてみます。
正式名称:放射線育種場
所在地:茨城県常陸大宮市
管理者:農業生物資源研究所
開設:1962年
公式サイト:http://www.nias.affrc.go.jp/institution/hitachioomiya.html
目的
植物に放射線(ガンマ線)をあて、突然変異を誘発して品種改良に利用する。
概要
土地を掘り下げ、その中に半径100メートルの円形の畑をつくり、その中央にコバルト60を置いて放射線(ガンマ線)を畑の作物に照射する屋外の照射施設。
畑を掘り下げているのは、放射線をその外に出さないようにするため。またコバルト60のまわりは鉛で上下を覆って、幅10センチ程度の隙間からのみ放射線が出るように作られている。
主な実績
・米「レイメイ」
・米「美山錦」~清酒用
・腎臓疾患用の「低グルテリン米」
・米アレルギー性疾患用の「低アレルゲン米」
・大豆「ライデン」「ライコウ」
・低アレルゲン大豆「ゆめみのり」
・梨「ゴールド二十世紀」、「寿新水」、「おさゴールド」
・花、菊、バラ、クレマチス、カーネーション、ベゴニア、ユリ、トルコギキョウ、ミヤコワスレなど
(花卉の場合は色に変化が大きく出る)
・常緑高麗芝「ウィンターカーペット」
・純白系エノキダケ「臥竜1号」
他にももっとありそうですね。
私が食べているものも、ここの研究から生まれた品種なんかあるんじゃないだろうか。
<参考>
放射線育種の概要(高度情報科学技術研究機構)
一般公開について
さて、このガンマフィールド、一般公開をやっているようなので、ぜひ一度行って見学したいと思っているのですが、ホームページには2010年の一般公開のことしか書いてありません。
もしかして、震災以後やってないのかしら??
と思って、メールで問い合わせてみました。
担当の方から、すぐに丁寧な返信をいただきました。
どうも、生物研は組織の統合みたいなのがあるようですね。それもあり、まだ具体化してないらしいです。1~2年以内に開催したいとありましたので、ホームページをときどき覗いてみようと思います。事前に申請すれば見学可ですよともいっていただいたんですが…こんな素人ひとり、お仕事のじゃますぎて申し訳ない。
いっそのことツアーを企画しようかな(笑)
<メモ>
現在、農産物の品種改良を行うには主に3つの方法がある
1.従来の交配による方法
2.放射線照射やイオンビーム照射による突然変異誘発ののちの交配
3.遺伝子組み換え
1の従来の交配を繰り返す方法が一番多く用いられているらしいが、これには時間がかかることがネック。そのため、自然の突然変異の起こるスピード(確率)をあげることで、時間短縮させるのが2の方法。3は狙った機能を遺伝子語と組み替えることで狙い撃ちできるが、その前に膨大なゲノム研究が必要なのといろいろ手間もかかるらしい。
放射線はまっすぐ進む性質があるので、土手になっている先には放射線は進まない。
線原のコバルト60のところは鉛でおおわれて10センチの幅で放射線が出るように設計されている。
花粉の出ない梨がつくられた。
「花粉のでない杉を作ってほしいですね」と言ったら「もうありますよ」との答え。
通常植物に放射線を当てると、成長が阻害される方向に変化する。
ジャガイモの芽が出ないとか、草丈の低いものになったりする。
草丈が低いと収穫が楽。
たぶん原発事故以来過敏になってる人が多いということで研究者の人も過敏になってるのだと思われますが、「放射線でゴジラになったり巨大なトマトができたりというようなことは、楽しいフィクションの世界です」と説明してくれました。
ヒトに放射線を当てて突然変異を生じさせるのは非常に難しい。
遺伝するような意味での突然変異が起こるのは非常にまれ(人では実験が難しいため)
原爆被爆者の場合においても次の世代にまで受け継がれた変異はない。
とても面白いと思ったので、その仕組みや研究成果を自分なりに調べてみます。
正式名称:放射線育種場
所在地:茨城県常陸大宮市
管理者:農業生物資源研究所
開設:1962年
公式サイト:http://www.nias.affrc.go.jp/institution/hitachioomiya.html
目的
植物に放射線(ガンマ線)をあて、突然変異を誘発して品種改良に利用する。
概要
土地を掘り下げ、その中に半径100メートルの円形の畑をつくり、その中央にコバルト60を置いて放射線(ガンマ線)を畑の作物に照射する屋外の照射施設。
畑を掘り下げているのは、放射線をその外に出さないようにするため。またコバルト60のまわりは鉛で上下を覆って、幅10センチ程度の隙間からのみ放射線が出るように作られている。
主な実績
・米「レイメイ」
・米「美山錦」~清酒用
・腎臓疾患用の「低グルテリン米」
・米アレルギー性疾患用の「低アレルゲン米」
・大豆「ライデン」「ライコウ」
・低アレルゲン大豆「ゆめみのり」
・梨「ゴールド二十世紀」、「寿新水」、「おさゴールド」
・花、菊、バラ、クレマチス、カーネーション、ベゴニア、ユリ、トルコギキョウ、ミヤコワスレなど
(花卉の場合は色に変化が大きく出る)
・常緑高麗芝「ウィンターカーペット」
・純白系エノキダケ「臥竜1号」
他にももっとありそうですね。
私が食べているものも、ここの研究から生まれた品種なんかあるんじゃないだろうか。
<参考>
放射線育種の概要(高度情報科学技術研究機構)
一般公開について
さて、このガンマフィールド、一般公開をやっているようなので、ぜひ一度行って見学したいと思っているのですが、ホームページには2010年の一般公開のことしか書いてありません。
もしかして、震災以後やってないのかしら??
と思って、メールで問い合わせてみました。
担当の方から、すぐに丁寧な返信をいただきました。
どうも、生物研は組織の統合みたいなのがあるようですね。それもあり、まだ具体化してないらしいです。1~2年以内に開催したいとありましたので、ホームページをときどき覗いてみようと思います。事前に申請すれば見学可ですよともいっていただいたんですが…こんな素人ひとり、お仕事のじゃますぎて申し訳ない。
いっそのことツアーを企画しようかな(笑)
<メモ>
現在、農産物の品種改良を行うには主に3つの方法がある
1.従来の交配による方法
2.放射線照射やイオンビーム照射による突然変異誘発ののちの交配
3.遺伝子組み換え
1の従来の交配を繰り返す方法が一番多く用いられているらしいが、これには時間がかかることがネック。そのため、自然の突然変異の起こるスピード(確率)をあげることで、時間短縮させるのが2の方法。3は狙った機能を遺伝子語と組み替えることで狙い撃ちできるが、その前に膨大なゲノム研究が必要なのといろいろ手間もかかるらしい。
放射線はまっすぐ進む性質があるので、土手になっている先には放射線は進まない。
線原のコバルト60のところは鉛でおおわれて10センチの幅で放射線が出るように設計されている。
花粉の出ない梨がつくられた。
「花粉のでない杉を作ってほしいですね」と言ったら「もうありますよ」との答え。
通常植物に放射線を当てると、成長が阻害される方向に変化する。
ジャガイモの芽が出ないとか、草丈の低いものになったりする。
草丈が低いと収穫が楽。
たぶん原発事故以来過敏になってる人が多いということで研究者の人も過敏になってるのだと思われますが、「放射線でゴジラになったり巨大なトマトができたりというようなことは、楽しいフィクションの世界です」と説明してくれました。
ヒトに放射線を当てて突然変異を生じさせるのは非常に難しい。
遺伝するような意味での突然変異が起こるのは非常にまれ(人では実験が難しいため)
原爆被爆者の場合においても次の世代にまで受け継がれた変異はない。