おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

思いを繋いだ缶

2019-03-05 | 行政書士 〔相 続 : 遺言〕

 

 

 

民法改正の相続部分を学習をしていて

ふと 

10年ほど前 ? の ある件を思い出しました



 

老齢の方が一人住まいをしていて 火災事故で亡くなりました

現場に遺言書を見つけ出したのは たしか?お孫さん

金属製の缶の中に発見 だったと記憶しています

中に 焦げのまだら模様の 自筆遺言書

その頃の法律(民法改正施行が続き 今年 一部施行されていますが)で
ポイントになるのは

全文自筆
作成日付
署名押印
遺言対象物件の一定の明確さ

などなど ですが

問題は作成日付部分でした

他の部分は なんとか としても 一番に冷や汗ものだったのは
遺言書 作成日付部分

あの部分が あと1センチ いや 5ミリほども焼け焦げ部分がずれていたとしたら
 
おそらく 解読不可能状態 というより 焦げでほぼ真っ黒状態であったので
 
遺言書の効力も否定されざるを得ない という状況でした



焼けただれた 遺言書のコピーをとろうにも なんとかかんとか

丁寧に そっと さらにそっと なんとか 崩れないように 祈るように
 
というような感じ



検認
 という関門

家庭裁判所の方も 扱いに さぞや 神経を遣ったことでしょう

依頼者さんともども 遺言者さんの思いを 偲ばざるを得ない感が

ありましたっけ・・・


彼のまだら模様焼け焦げの遺言書
 
それこそ ン千万円単位の 某保険金の扱いに 重大な影響を与える

遺言ではありました


そのまだら模様が わずかでも 炎の中で位置を変えてしまっていたなら・・・

と思うと なんとも 運命の機微を思わざるを得ないことで・・・

お金も問題 でしょうが なにより 遺言者さんの思いが 依頼者さんに
 
結局伝わらないことになってしまっていたわけで・・・


遺贈(遺言による贈与)を受ける者として遺言書中に指定されている方を
 
受遺者と呼ぶのですが そのような依頼者さんから

法規・法制相談を受け アドバイスをさせていただいた

案件でした

危機一髪 

だからこそ 保管の心配をしなくて済む公正証書遺言を などと記すると
 
法的な遺言書対策講座もどきになりそうな記事になってしまいそうですが

人生の機微の綾を言いたかった
 
ということですので・・・

              

   

      

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保存・利用改良・変更

2019-03-05 | マンション〔トラブル〕

 

 

公平 と 公正

意味するところは なんとなく ではなく ハッキリと 違う のでしょうね ?

 

「公正 ではあるけれど 公平 でない」

「公平 ではあるけれど 公正 でない」

「公平 ではないかもしれないけれど 公正 である」

「公正 ではないかもしれないけれど 公平 である」

 

マンションのエレベーター使用のことですが 

1階住人と上階の住人とが同一負担であるとすると

不公平か?


 

『どう考えても 1階の方はエレベーターとの縁は薄いだろうさ 

それでも同様の負担なの?』

という発言が ときどき あります

・エレベーターがあるので屋上の諸設備の保守管理も可となる

 というように つまるところ共同の利益を共有していることは

 どの階に住もうと同様

・当初の売り出しの時に そのあたりを多少勘案しての売買価格設定

 になっていることがある

などなど 理由付けは いろいろあるでしょうが

多少ポイントを外した回答 であるような?ないような?


 

おそらく 

使用頻度で負担料を決める という基準設定は 現実的でなく 

 無理がある 

 エレベーター負担も 共有者全体で使うものの負担と考え 

 専有部分割合等での基準を貫くしかない

 それが 公正ということ ではないのか・・』

 という説が 説得力としては ありそう ?・・・






それと

トイレを 最新機能式に変えるのは

広い意味では 改装なのか それとも 修繕ともいえるのか という類の問題

マンションによっては 「修繕」工事 と 「改装」工事への対応を ルール化しているような

ところもあり得ます


概していうと 

好みの装いに変える ということと 

今までの状態を保存するために修繕する 

ということの意味の差異


修繕となると 工事届けを出しさえすれば 

しかし 改装となれば それだけではすまない

というような理解も

使用細則などで 別扱いになっているかもしれません



生活に必須部分であるトイレなのだから そこまで こだわらなくとも

という感じはあります が 念には念をいれた細則を

というマンションもあります

 

もちろん トイレだけのことではありません

 

なにしろ さまざまな個性の集合体組織ですので

トラブルは 起きないに越したことはありません

 

某理事会で

『そこまで突っ込む住人がいるの ? まるで クレーマーだね』

という評価をしてしまうようなことは 避け

“今後のこともあるので シッカリしたルール作りのキッカケにしましょう”

という発言

とても 大切なものであると 私は思います

 

お国柄というか?

どちらかというと わが国では ≪そんな細かい理屈 いやだなー≫

という雰囲気になってしまう場面が多い?

と感じますが マンション組合員の国際化

ケッコウ進んでいますし お国柄の違いのトラブルは ナカナカたいへん

ですので ルールは より明確なほうが良いことは確か と言えるでしょう

 

 

 

ということで 広義の管理 と 狭義の管理 のこと とか

その行為が  変更・管理(利用 / 改良)・保存  の どれにあたるのか 

あるいは

修繕なのか 改修なのか 改装なのか

その解釈も けっこう微妙だったり・・・(硬い話でスミマセン)

 

争いになりそうなときには 私個人の解釈ではなく 客観的な基準が必要

考えをまとめていくための調査と学習の連続です

プロとしては 当然のことですが

 

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処理手法機能の美しさ

2019-03-05 | ◆行 政 書 士〔全 般〕

 

(ほぼ 以前のものの再掲 です)

 

「戸籍」 と 「登記」 に関した話です

 

技術力というと 工学系における話題のイメージが独り歩きする感がありますが

文系の理論の視覚上の処理(やや?硬い表現でスミマセン)での

系統だった処理手法 には感動することさえあります



なんのことなのか 具体的な説明がないとみえてきませんでしょうが・・





日本には 戸籍という 身分法関係文系の視覚上の処理手法 ともいえる

システムがあります



その中に 登場する言葉として 改正原戸籍 ・ 除籍

等という言葉を聞いたことがある方も多いと思います


これらは ごく簡潔な説明をするとすると いわば現役の役目を終えたもののため 

あるいは  別な場に 必要に応じてお目見えの紙面を設けたりするための仕組み

(コンピューター言葉でいうと 保管場所にフォルダを収めたり 分派のフォルダ

を作ったり するという感覚でしょうか)に関連したものといえます

いずれも 中身も視覚上に現れている事項も 有効成分をもとにしてのものです



これに対して 消除

という言葉も 戸籍上に登場することがあります

これは その成分自体を戸籍から抹殺する(その成分は間違いで無効のもの

なので そもそも戸籍上に登場してはいけないものだから)手法を表すもの


例として 

結婚していた夫婦に授かった子が 実は夫の絶対的な生殖能力欠缺

があって 戸籍の内容上にも視覚上にも 表れていることを抹殺せねばならぬ

ような場合(父との親子関係は無いのであるから)


(婚姻夫婦上の子は 一応の推定がはたらいたりし 

 嫡出子としての届出がいわば義務付けられています)




戸籍は 連綿と続く親族関係などの事柄が 前者を前提として後者の効果が発生したり 

他の者の身分(あまり適切ではない言葉ですが親族法において これに代わる表現が

なかなか見つからない・・・)形成に影響を与え合いながら進行していく仕組みなので 

直接前者に関わらず前者の関わる身分事項が抹殺されると それはそれは内容的にも

複雑な法律模様になるし 戸籍における視覚上の表現技術もそれなりの交錯状態に

なってしまうことが多いと思われます



日本における 戸籍表現技術力には 感心させられることが 仕事上 複雑紙面を

眺めていて 何度かありました

 
“戸籍上の内容を 視覚上に表す技術力
 
 実に うまくできているものだなー”
という感慨



最近の業務で 消除 ということが発生した件があり

それと 他の身分関係の発生の処理も重なり お役所も表記に一苦労という感じ

まして 一か所の役所にとどまらず 連係プレーを要求されること多しですから

(夫は 北国 妻は 南国 ということで 本籍が違うのは それほど珍しくない 

というか 本籍が同じというほうが珍しいでしょうから?)


とにかく 

一個の波ができると その波たるや どこまで行くのやら 何個の輪に広がって

しまうのやら という感 でしょうか?






同じような文系法系システムの技術として不動産登記の権利関係の流れや交錯を

視覚上で示すことがあるといえるでしょう

実に 感動を覚えるほどの 合理的 理論整然として とも言える 視覚上の技術

であると思います

<付記登記の付記登記> などという 権利の順位を守りながら さまざまな変化をも

効果的に処理していくこと などなど

(商業登記の役員変更登記等にもその片鱗がみられたりすることがあるでしょうか・・?)


見慣れた方には  

“何処が 感動ものなの?”

と 訝られそうですが 私には そう思えるのでした

 

以前は 紙ベース さぞや タイヘンなこともあったろうと想像できます 

今は コンピューター化で 処理自体の能率は 格段にアップしたことでしょう






身分法も不動産関係法も スタートは西洋諸国のそれを手本にしたと考えられます が

どうなのでしょうか ? 今では 文系的法的内容も 視覚技術上もお手本国を とうに

超えているのではないでしょうか


そもそも戸籍制度そのものを持たない(というか 持てない とでも言うべきか・・・)

国も けっこう多いらしい




日本国民の 几帳面さ 正確を好む気性 などなどの賜物・・・かな

戸籍簿 登記簿 を見ると
 
その視覚の仕組みの美しさ?に感心させられるのです  そうして 機能美にも


 

戸籍のことも 登記のことも 知識をたくわえないと 私の場合は仕事になりません            

文系の技術にも感謝しながら・・・さて 業務続行

                 

   

 
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(いつものことですが 説明を簡略化するため 
 詳細な法律用語説明はしていません 

 各自 検討なさってくださることを お願いいたします)