昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(249)運を活かそう(4)

2015-01-25 04:54:42 | エッセイ
「どこか変更するところがありますか? 誤字脱字があったとか・・・」
 文芸社編集部から電話が入った。
「特にありません」
「では、最終ページを第二版に変えるだけでいいですね?」
 
 「レロレロ姫の警告」に関して出身学校関係や、地元などからの購入要請に応えて、出版社が重版に踏み切ってくれるのだ。
 
 後はわが家族、特に家内と娘への応援要請だ。

 実は肝心の姫の母親である娘と、ババであるわが家内がジジが書いたこの本の出版に反対していたのだ。
 
 この本は目次で見るように、35のエピソードで構成されている。
 
 宇宙からの使者である姫が変身するファンタジーであるが、変身するまでの前半は実話に基づいている。
 超難病で生まれたわが孫娘は、10才になるもパパとママ、それにジジやババのことはレロレロと3つの言葉しかしゃべれない。しかし、とてもカワイイ。
 
 パパとママのみならず、ババも何ごともさし置いても姫のためには超献身的である。
 それは頭の下がるほどだ。
 しかし、その思いを掬い取って描いたこのファンタジーをどういうわけか、応援するどころか、完全に無視している。

 彼女たち自身が、この本に描かれた姫の存在価値を周囲の人たちにPRしてくれなければ、読んでくれる人たちの広がりは期待できない。
 超難病の姫はより多くの人たちの支援を得なければ、この先の姫の人生はないことは明らかである。
 この小説をより多くの人たちに読んでいただくことの意義を、今こそ彼女たちに説いていかなければと決意した。

 ちなみに、ボクがこの本で描きたかった<姫の心>は、彼女が書いた下記の詩に象徴的である。
 つまり、人間界を見下す自然界の<冷徹な心>と、家族の愛情に育まれた人間的な<優しい心>の狭間で葛藤する心である。
  
 お母さん! どこへ行ったのおかあさん!
 海に向かって叫ぶキミ
 玉となって頬を伝うキミの涙

 それを見つめるボクの目にも涙
 何の虚飾もないピュアな涙

 あの黒く荒れ狂った波は今は
 凪いで静まり返っている
 陽さえ燦々と降り注いでいる

 お母さん! どこへ行ったのおかあさん!
 キミの声が、虚しく響く
 ボクの胸がドクドクと脈打つ

 ヒトの驕りを質す自然の怒り!
 事実は事実として 今はピュアな涙を流そう
 
 

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