昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(250)姫のパパ、ママへ

2015-01-26 06:23:11 | エッセイ
 ─姫のパパとママへ─
 
 石垣はいかがでしたか?
 
 青い空、遠浅の澄んだ海。
 日ごろの忙しい日々を癒すひと時になりましたか?
 以前、なぜそんな遠い所へいくの?と訊いたら、姫が好きだからと言っていたことを思い出します。
 姫は学校でもプールの時間が一番楽しみみたいですよね。

 姫はもう10歳、小学校の最年長です。
 傍目ながら、親としてのご苦労を見てきて、改めてご苦労さまと申し上げます。
 ジジとして何の手助けも出来ないことに心痛の思いです。

 姫は確かに難病の持ち主ですが、目つきがしっかりしている。
 むしろ、我々が見透かされているのではと思うことがあります。
 我々のしゃべっていることは全てお見通しなのでは、と。

 ボクも喜寿を超え、人生を振り返る歳になりました。
 とても満足のいく人生ではなかった。
 あたふたと、確たる目標もなく、日常を追いまくられて暮らしてきたような気がします。
 ババからのんきな父さんとバカにされています。
 
 しかし、いろいろなニュースに触れ、人類の先行きに思いを馳せるようになりました。
 人類はこのままでいいのか!などと。
 
 そんな時、東日本大震災が発祥しました。
 
 自然をコントロールしようなどという傲慢な人類に、自然が警告を発しているのでは?となぜか直感しました。
 そして、そのことを伝えるために、姫は自然界からの使者として遣わされたのでは?という発想が浮かびました。

 急に創作魂に火が点いたのです。
 そんな思いをファンタジーにまとめ、世に発信したい!と。
 考えてみれば、人生に確実に保障されているのは<死>だけです。
 この人生という短いひと時を、ボクは何のためにこの世に生まれてきたのだろう!
 残された時間を有意義に過ごさなければ、と思うようになりました。

 そんな時、たまたまいろいろな出版社に送っていた作品の中から、「レロレロ姫の警告」が文芸社の目に留まり、<文芸社セレクション>という企画に乗らないかというお話を頂きました。
 この機会を逸してはもうボクが世に出る機会はないでしょう。
 
 富士紅葉台の山荘にみんなと行った時、姫は降るような満点の星空を眺めていました。
 
 
「横顔には月光菩薩の面影があるわね」
 
 ババがつぶやいていたのも思い出しました。
 それらのエピソードをまとめあげ作品に仕上げました。
 
 人間はそれぞれどんな形であれ、この世に生まれてきた意義はあるのです。
 そのために一生懸命生きる。
 自分のため、他人のため。
 姫は姿ふるまいだけでも存在価値があるんです。
 ・・・何かを訴えかけるような目・・・
 ・・・月光菩薩のように人を和ます笑顔・・・

 そんな思いを作品に込めたつもりです。
 

 取りあえず原稿を同封します。
 ジジの意図するところをご理解いただきたく、よろしくお願いいたします。

     平成26年5月 子どもの日
     レロレロ姫をこよなく愛するジジより