昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

有名人(41)男の魅力(14)本田圭祐

2010-06-25 10:42:03 | 男の魅力
 「やった!」サッカーワールドカップ、強敵デンマークに3-1で勝利を収め、日本は決勝トーナメント進出を決めた。
 
「それほどうれしいとは思わない」 勝利の立役者本田圭祐はそう言った。


「(自分には)持ってるものがありますね」「(自分にとっての)目標は優勝ですから」
 緒戦、カメルーンに貴重な1点をもたらした時の彼の言葉だ。
 正直このことばを聞いて、なんとふてぶてしい男だろうとぼくは思った。

 オランダ戦でボールを奪われ、圧倒され、何の働きもしない彼の姿を見て「いやあ、言ってるほどの者じゃないよ・・・」と言っていた彼のおじいさんの言葉を思い出し、やっぱり単なる<ビッグマウス>にすぎないのか、口ほどにもないやつだとぼくは彼の評価を下げた。

 しかし、今回のデンマーク戦でぼくは彼を完璧に見直した。
  

 フリーキックを遠藤ではなく、彼が打とうとしていたとき、ぼくは前の試合、彼の浮き上がった失敗キックを思い出していた。
 ヨーロッパ選手権のとき、ロシアのチームの一員として成功したキックだって、相手のゴールキーパーのミスかもしれないじゃないかと・・・。
 
 しかし今回のフリーキックは評判どおりの無回転で落ちる完璧なものだった。
 それと、3点目のアシストがすばらしかった。普通の選手ならあの時自分でシュートしただろう。しかし、彼は冷静にサイドの岡崎に送って完璧を期した。
 そういえば、カメルーンから奪った貴重な1点も彼の冷静な足捌きから生まれている。

「今回はゴールしたとき観客席に向かいましたが?(前回はベンチに向かった)」
 バカなインタビュアーが彼に心情的なコメントを期待して質問したが、彼は「ただ、近かったから・・・」といなした。さらに「胸の国旗のマークに手を触れたように見えたのですが?」と国を背負う言葉を引き出そうとすると「それは当たり前のことで、むしろテストマッチの際はその意識が強すぎてから回りしていたので、今は自然体でやている」と返した。
 つまり、彼は単なる大口たたきではなかった。冷静に状況を見極め処理するクールガイでもあった。
「それほどうれしいとも思わなかった・・・」
 月並みでない、この言葉に彼の本心が現れていると、ぼくは彼を改めて見直した。
 彼はこんなものでは満足しないのだ。
 
 日本に新たなスターが誕生した。
 


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