昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(186)中国との付き合い方<落語談義>

2013-11-18 04:33:14 | エッセイ
 <落語談義9>

 熊さん:中国がフィリピン台風被害の支援を増額しましたね。
 
 ご隠居:当初、アメリカや日本に比べるとあまりにもケチっていたからな。
 熊さん:日本の五分の一だって言ってましたね。南シナ海でフィリピンとは敵対しているからでしょうね。
 ご隠居:大国として恥ずかしいんじゃないかって、外国のみならず、国内からも批判が出て修正せざるを得なかったんだろう。
 
 
 熊さん:ところで、中国共産党の重要会議を前に天安門広場や共産党ビル前で連続爆破事件が起きて、<三中全会>はうまく乗り切れたんですか?
 
 ご隠居:無事終幕したようだな。
 熊さん:爆破事件の背景には、腐敗汚職問題や、貧富の格差、異民族抑圧などがあるようですが、そういった<民意>に対し党はどう収めようとしているんですかね?
 ご隠居:結果からみると、<民意>をくみ取るというより、抑え込むという姿勢をさらに強化したようだな。
 熊さん:強化?
 ご隠居:<国家安全委員会>なるものが新設された。
 熊さん:<国家安全委員会>?
 ご隠居:テロ事件の再発を許すなという<党意>を鮮明にしたということだ。
 熊さん:<党意>?
 ご隠居:警察、司法、軍、外交部、宣伝部を集中して管理しようという組織なんだ。
 熊さん:司法も? するってえと、<民意>を訴えるべき司法までもが党の管理下にあるってことですか?
 ご隠居:そうだ、中国では三権分立は認められていないからな。
 熊さん:ところで日中関係は膠着状態ですが、改善する目途は立っているんですかい?
 ご隠居:最近、習政権も軟化しているようにも見えるね。<党意>は<党意>として、<民意>にも、国内ばかりじゃなく、外国の世論にも配慮しなければならないという強硬一辺倒じゃない姿勢が出て来た。対フィリピン台風支援増額も、その一つの現れじゃないかな。
 熊さん:そういえば、最近日本との間でも民間レベルで経済交流の動きがあるようですね。
 ご隠居:習近平主席も、尖閣問題は譲れないが、経済関係については前向きの発言をしているようだし。<党意>はともかく、我々は彼らの<民意>に寄り添って徐々にでも彼らの頑なな扉を開いていく努力が必要なようだな。
 熊さん:いざという時の抑止力は保持しながらでしょう?
 ご隠居:もちろんだよ。恐るべき<党意>を懐にしている国だからな。
 


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