昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(449)宗教で読み解く世界(1)

2016-10-22 04:49:19 | なるほどと思う日々
 昨日は三鷹市民大学の公開講座、橋爪大三郎「宗教で読み解く世界」に参加してきました。
 
 さすがこの道の権威、分かりやすく興味深いものでした。
 (1)グローバル世界
 
 まさに今や世界を知らずしてわが生活は成り立たない。
 彼は宗教という視点で世界を読み解こうとする。
 
 キリスト教文明  25億人
 イスラム教文明  15億人
 ヒンドゥー教文明 10億人
 中国文明     13億人 
 まさに世界の90%近い人達が我々日本人と異なる考え方のもとに生活している。
 
 (2)一神教 注目しなければならないのは「一神教」という考え方だ。
 われわれの多神教の考え方と対比してみると分かりやすい。
      
 
 
 もともと神様をたくさん持つ共同体が歴史的には圧倒的に多かったのだが、現状は一神教の伝統を持つ社会が地球を席巻している。
 特に日本人は神様はおおぜいいたほうがいいと考える。友達か親戚みたいなもので仲間なのだ。おおぜいと仲よくすると自分の支えになる。これが日本人の社会を生きていく基本だ。
 しかし、一神教の神は人間ではない。で、人間は神の創ったモノにすぎない。つくった神は「主人」で、つくられた人間は「奴隷」なのだ。
 神は全知全能で絶対的な存在。
 
 丸山眞男曰く「一方の極に、神が宇宙を創造する。他方の極には、宇宙は植物のように生成する」日本は君が代の「苔むすまで」からも読み取れるように後者の考え方をとっている。
 そして、一神教では「正典」を持っている。正典とは人間はかくあるべきだという基準だ。
 「正典」とは神との契約であり、神の命令書でもある。
 キリスト教の「聖書」であり、イスラム教の「コーラン」だ。
 しかし、日本にはかかる正典はない。古事記や日本書紀は物語に過ぎない。
 
 キリスト教では神のことをGODと呼ぶ。(キリストは神の子だ)
 *1人しかいないから名前はない。
 *GODは天地を6日間で創った。7日目は休んだ。ユダヤ教では週の初めは日曜日、土曜日がお休みだが、キリスト教ではキリストが復活したのを記念して日曜日に休む。
 (ユダヤ教とキリスト教は根は同じ)
 *人間にとって、命より大切なものは神。人間は神の持ち物に過ぎないから自分には死ぬ権利さえない。つまり自殺は禁じられている。
 *神に背くと罰せられる。人生の目的は救いを求めることである。

 *人類の歴史の中で最も影響が大きかった出来事。それはイエスの処刑。
 冤罪ではないかと思うような微妙な罪で、十字架刑という最も惨めな方法で殺された。
  神の子でありながら人間として処罰され殺害されるというイロジカルな存在となった。
  そこには最後の晩餐の際「この中で誰かが私を裏切る」とユダの裏切りを誘導する「自己成就的な予言」が見られ、復活に至るという劇的なストーリーが仕組まれていたとも言える。
 
 それだけに後々に与えたインパクトは大きい。

 ─続く─
 




 


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