昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

小説<手術室から>(29)目の手術(5)

2015-09-14 04:38:52 | 小説・手術室から
 内科検診が終わった日は既に清算窓口も閉まっていて、秀三は救急受付窓口へ回って処理をさせられた。
 
 そして今日、その結果を聞きに来てくださいと看護師から言われていたのに、先生は「今日はどうしました?」だと。
「手術ということでしたら入院手続きをしなければ・・・」
 秀三はおずおずとながらも、先生の目を見て言ってみた。     
「あらそうでしたか。まだでしたか・・・そうでしたか」
 先生はけろっとしている。

 ふたたび入院手続きのため待合室で待っていると、検査室のほうから呼び出しがかかった。
「検査はすべて終わっているはずですが・・・」
 聞いてみると、先生から前の検査で不十分だったので再検査を指示されたのだと言う。
 ・・・散々待たされた後、また検査?・・・
 
 秀三はきしむ腰を伸ばした。

 ─続く─ 

 <好奇心コーナー>
 

 大相撲初日、めずらしく大関陣が全て勝ったが結びの一番で白鵬が隠岐の海に敗れる大波乱。
 
 インタビューで勝利の要因を隠岐の海は「嫁の愛情だ」なんて言って相好を崩していた。
 
 彼は今年6月結婚したんだ。

「いやー驚いたね。万が一にもないと思っていたのだが」
 
 解説、北の富士がめっちゃ喜んでいる。

 そういえば以前彼は孫弟子について、「隠岐の海はまったくけいこをしない!どうしようもない」と批判していた。
 
 隠岐の海はそれを聞いて、「きびしいですね。でも愛情表現だと思うことにしています。けいこ嫌いだけどそこまでは。人並みにはやってます」
 なんて言っていたのを思い出した。


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