昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(642)江戸川乱歩

2019-12-15 04:31:50 | なるほどと思う日々
 大久保喬樹東京女子大名誉教授が次に取り上げたのは、
 江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」でした。
 ・・・わが郷田三郎は、(酒や女に生きがいを感じない)「こんな面白くない世の中に生き長らえているよりは、いっそ死んでしまった方がましだ」しかし、・・・「死ぬ死ぬ」といいながらつい死にきれずに生き長らえているのでした。
 ・・・さて、彼が今度移ったうちは東栄館という新築したばかりの新しい下宿屋でしたが、ここで彼はひとつのすばらしい楽しみを発見しました。
 ここで、明智小五郎という素人探偵と知り合うのです。
 *隣は誰が住んでいるか分からないといういわば、都市推理小説の誕生です。

 そして「パノラマ島奇譚」
 ・・・それは一見、非常に宏大な庭園に過ぎないのですが、ある人はそこから、何物か、途方もないある種の計画、若しくは芸術という様なものを感じないではゐられぬでありませう。それと同時に、その人は又、その辺一帯に漲る怨念といふか、鬼気といふか、兎も角も一種の戦慄に襲はれないではゐられぬでありませう。・・・

 *バーチャルリアリティを現実の島に実現。
 *文化の変容を先取りして、まさにディズニーランドの世界です。        

  リアリズムの終焉からポストモダンへ


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