昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

小説「レロレロ姫の警告」改定版」(3)変身(3)

2018-01-06 06:15:47 | 小説「レロレロ姫の警告」改定版
 ・・・今日は金曜日だからパパもママも出勤日で、本来なら会社に行っているはずだし、わたしも特別支援学校に行っているか、おじいさんの家でおばあさんのお世話になっているはずなのにいったい3人でどこへ向かおうとしているのかしら?・・・
 ・・・ああそうか、今日はわたしの誕生日だからパパとママはわざわざ会社を休んでわたしのためにサプライズを考えているのかもしれない・・・
 
 だいたいうちは共働きだから休日は朝寝をする。だから、10時過ぎに朝昼兼用となる。
「おっ! ここはつけ麺が美味しいので評判らしい。行ってみよう」
 
 パパはネットで次々と新しいお食事処を開拓するのが得意だ。
 ・・・わたしの大好きな<ちゅるちゅる>のお店かもしれない・・・
 なんて思っていたら、突然、脳の中枢神経に強烈な刺激を感じた。
 ・・・ひょっとしたら・・・
 
 わたしはあわててパパのシートに蹴りを入れた。
 
 何回も入れた。
「パパ、愛がおかしいわよ! 車を止めて!」
 ママが後部座席のわたしを見て叫んだ。
「何だよ、なんだよ・・・」
 パパは車を路肩に停めて、外へ出てわたしのドアを開けた。
「おしっこかしら? そんなのお知らせしたことがないのに・・・」
 ママも外へ出た。
 パパがわたしのシートベルトを外し、抱えて外に出た途端に、地面が強烈に揺れた。

「地震だ!」
 パパはあわてて揺れる車からわたしを遠ざけた。
 わたしはパパの手をすり抜けると、ひょこひょこといつものペンギン歩きだったけれど、わたしなりに一生懸命目指す竹藪めがけて走った。
「ここって、愛が生まれた病院じゃない! 愛!どこへ行くの!」
 ママが絶叫した。
 パパがあわててつまづいた。
「パパ、だいじょうぶ?」
 ママがパパに気を取られている間に、わたしは病院の裏手に密生している竹藪の中へ入って行った。

「愛! 待ちなさい!」
「愛! どうしたの? 待ちなさい!」
 二人でわたしを追って竹藪に入ってきた時、また地面も竹藪も揺れた。

 ・・・これよりミッション電磁波を送る・・・
 無機質な声がわたしの脳に飛び込んできた。
 その時、空は晴れているのに稲妻が走った!
 
「きゃーっ!」
 パパとママが光を遮るように手をかざし、竹藪の中で二人とも腰砕けになって坐りこむのが見えた。

 ─続く─
  
 昨日、茨城と富山で同時に地震が発生した。
 
 今日も二か所
 
 
 
 今年は地球自転速度の変化により、世界各地で大地震が頻発する可能性が高いという。

        





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