昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(103)金正日の死と北朝鮮

2011-12-24 06:54:46 | エッセイ
 中国は北朝鮮に金正日総書記の国葬後に食糧支援を準備
 
 中国は金正恩新体制を支援していく姿勢をそろりと始動させた。
 すでに四面楚歌の北朝鮮としては、病状を押して度々中国を訪問した金正日の姿勢にもうかがえるように、経済的には中国に頼らざるを得ない現状がある。

 まだ、権力移譲が始まったばかりだったので、金正恩は実質的に何もコントロールできない。
 事前にそのことを予測していた金正日は、彼の妹金敬姫の夫、金成沢に権限を与え、正恩を支える体制を整えてきた。  
 現状の権力者たちは、金正日の亡き後も自らの立場を守るという一点で、この新体制を維持しているように見える。
 そして、経済的には中国に依存していくことで取りあえずこの危機を乗り越えようとしている。

 金正日がなぞってきたという中国の独裁者毛沢東の死後、勃発した権力闘争を見ると、北朝鮮の今後を占えるかもしれない。
 毛沢東が選んだ無難な華国鋒が、毛の死後の政局をコントロールしようとしたが、毛沢東の妻、江青を中心とする四人組が毛の教えを頑固に守ることを旗印に策動、これに軍部が動き、彼らを逮捕。そして小平が再登場して<開放>政策へと導く。

 おそらく中国は彼らの経験に基づき、北朝鮮を<開放>政策へと導き、なし崩しに<核兵器>に依存する独善体制を放棄させるように仕向けるだろう。
 
 しかし、金一族の強固な自尊心はこれを許さない。
 ましてや来年は<強盛大国>を目指す年と位置付けられている。
 ただ、自尊心だけでは国を守れない。
 貧困にあえぐ国民からのプレッシャーとの板挟みで、権力構造に激震が生じる可能性は大きい。