昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(222)若者論

2011-12-15 05:17:31 | なるほどと思う日々
 <不安があるのに満足なんて、変> 
 昨日の朝日新聞にそんな記事が載っていた。
 
 内閣府の2010年の世論調査によれば、20代の70%が今の生活に満足と答えている。
 どの世代よりも高く過去40年で最高。
 一方で「悩みや不安がある」という答えは1980年代後半は40%を切っていたのに今は63%に上る。

 社会学者の大澤真幸氏の説によれば、
「将来、今よりも幸せになれると考えた時、人は現在の生活に満足できなくなる。逆に将来これ以上幸せになれないと思うから現状に満足する」ということになる。
 野田総理はこれからの社会保障制度に関して
「50年ほど前の支える人がいっぱいいた<胴上げ型>から、現役世代3人で高齢者を支える<騎馬戦型>、いずれは1人が1人を支える肩車型>になる」 と言う。つまり<悩みや不安>の根源は<少子化>か?

 そこで思い出すのがジェームス三木氏の<若者に対するオジンの役割説>だ。
「私たちの若いころ、・・・年配者の長説教や、自慢話のくだまきを、はいはいと聞きながら酒を飲んだものだ。あれはいったいなぜだろう。その理由はふたつある。
 昔の若者はカネがなかった。おとなについていかないと、酒が飲めなかった。今の連中はカネがある。
 もうひとつは、話題にジェネレーションギャップがなかった。たとえば流行歌は、10年も20年も長持ちしていたから、同じ歌が歌えた。今の連中は、5歳違うと歌も話も合わないらしい。
 こうして年配者は、知らず知らずのうちに、若者文化から疎外されていく。はじき出されていく。渋谷とか新宿とかはオジンがあるいているだけで、異物のように見られる。・・・
 だからといって迎合するのは悔しいではないか。・・・
 若者文化に逆襲をかけ、ギャフンといわせる方法はないのか。・・・
 ここでは個人的オジンの努力目標を、ひそかに伝授しておく。
 まず若者文化の弱点をいえば、異様なほど、視聴覚文化に偏っていることである。人間の五感のうち、味覚、嗅覚、触覚じゃ、まったく進歩していない。これらは古い世代ほど、すぐれているのである。
 その証拠に、五感のすべてを必要とするセックスが、若者において退化しているのではないか。若者を感心させ、屈服させたければ、できるだけ視覚、聴覚の話題を避け、味覚、嗅覚、触覚について、ウンチクを傾けなさい。オジンのつけいる隙はこれしかない」