マル鉄・鉄道写真館

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クモエ21009 救援車:伊那松島機関区

2012-02-28 00:30:00 | 旧型国電
クモエ21009 救援車:伊那松島機関区


救援車は、大規模な鉄道事故が発生した際に、現地へ出向いて救援活動を行うための車両です。そのため、車内には様々な工作機械等が用意されています。
車両種別としては電車と客車があり、気動車の救援車は存在しません。非電化区間においては客車で用が足りるということによります。

飯田線においては、当時機関区のあった伊那松島と中部天竜に救援車が常置されていました。
飯田線は、天竜峡から中部天竜辺りまで天竜川沿いの狭い場所を通っているため、救援用の機材を車外に搬出するにあたり、サイドから降ろすことが出来ない状況にあります。このため、車外に資機材を下ろすためのクレーンを線路方向へ伸ばすために、前面が大きく観音開きで開くようになっているという特徴があります。



昭和56年11月23日 伊那松島機関区にて

これは2度目に飯田線を訪れた際、初めて同所に行った時の写真です。
初めてだったので中に入れてもらえると思わず、一般道から撮りました。一番奥まっていたところに止まっていたので写真は撮り易かったのですが、特徴ある反対側を撮ることができませんでした。
この手の救援車は「クエ」を名乗って自走式ではないタイプが多く存在するのですが、線形の特殊性でしょうか、自走の出来る「クモエ」となっていました。



昭和58年2月23日 伊那松島機関区にて

記録によると、同線に6回目に訪れた時。この時は機関区の中央辺りに止まっていました。
検査が上がったばかりなのでしょうか、下回りなども非常にキレイになっています。
そして、特徴のある前面も堂々と撮ることができました。



昭和58年8月6日 伊那松島機関区にて

飯田線の旧型国電、最終最後のさよなら運転の日に撮影したものです。機関区は入りたい放題の開放で、大勢のファンで賑わいました。
この日はファン大サービスが行われており、このクモエ21009もなんとパンタグラフを上げて展示(と言うか留置)されていました。検査入場でもないと撮影できない姿です。


昔の古い写真を見ると、飯田線に常駐していた救援車は、前面に白い大きな三角と、黄色い丸の警戒色が付いているのが特徴でした。ただ、それもかなり昔の話であって、私が初めて逢った頃は既に無くなっていました。

救援車というのは、機関区など車両区の片隅に止まっており、なかなか撮影の機会が無いのですが、この飯田線の「クモエ21009」の特徴ある車両だけは撮りたかった。そして幸運にも、こうやって記録を残せておけて大変良かったと思います。

1つ悔やむとすれば、中部天竜区に常駐していた木造救援車の写真が撮れなかったことでしょうか。

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