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国鉄 直流型電気機関車:EF58152・153(宇都宮運転所)

2017-11-19 14:46:00 | 国鉄・JR電気機関車(直流)
国鉄 直流型電気機関車:EF58152・153(宇都宮運転所)


EF58シリーズ、今回は宇都宮運転所の152号機と153号機です。

前記事の151号機と同じ宇都宮運転所の所属で連番でもありますが、形態が違うので別記事といたしました。
152号機と153号機は宇都宮運転所で少数派のヒサシ付きであり、その出自も同じものとばかり思っていましたが、調べてみると全然別ものであり、一見そっくりな両車もかなり違いがあるようです。


152号機


昭和51年後期? 蕨~西川口間にて EF58152牽引 上り急行「八甲田」

まずは152号機です。
写真は上り「八甲田」を牽引する152号機で、この時点において既にHゴム化が完了しています。
同機は新製配置が高崎第二機関区であったため、当初から上越仕様であったようです。150番代では新造当初からHゴム窓で誕生したカマもあったようで、原型小窓でツララ切り装備としては最後のカマだったようですね。



昭和55年8月13日 上野駅にて 455系と並び出発を待つ152号機

お盆の多客シーズン真っ盛りの上野駅。455系は山形・会津若松から到着した「ざおう6号」「ばんだい10号」。152号機牽引の列車は「津軽3号」と思われます。時刻表によると、この並びはありえない筈なのですが、番線変更があったのかもしれません。



昭和56年5月 蕨~西川口間にて EF58152牽引 上り急行「八甲田」(再掲)

12系化された後の上り急行「八甲田」。12系9連で上野方にスニ40を連結しています。以前はワサフ8000を連結していましたが、12系化とほぼ同時期に置き換えられたと思われます。

宇都宮運転所に異動すると運転台窓の二重化が行われ、この際に窓内側が下辺R付き、外側がR無しの非常に珍しいスタイルとなっていたそうです。
しかし、EF58の中でも比較的早いうちにHゴム化されてしまったため、特徴あるスタイルを記録する間もなく標準化されてしまったようです。


153号機


昭和52年 大宮駅にて 153号機牽引 上り急行「八甲田」(再掲)

続いて153号機です。
こちらは新製配置が宇都宮機関区でしたが、ツララ切りを装備しています。この辺りの経緯を示す記述が見つからないのですが、東京区でもあったように、寒冷地への入線に備えて一部のカマに施工されたものと同じような事例かもしれません。
そのためか、上越型のツララ切りとほぼ同じような形状ながら、やや下向きに取り付けられているようです。

写真は旧客時代の急行「八甲田」。この当時はワサフ8000の他に、さらに郵便車が連結されています。電気暖房を必要とする旧客時代の、もっともEF58が力を発揮していた時代の1コマです。



昭和52年8月 蕨~西川口間にて 153号機牽引 12系臨時急行

ピンボケ写真で恐縮です。上りの臨時急行列車と思われますが、資料が不足しており詳細は不明です。当時、12系臨時列車の場合は、東北急行が6連+6連の12両編成、上越線は9連が一般的でした。写真は12系8両編成であり、東北本線の急行列車として考えるのは非常に不自然なため、ひょっとすると、信越からの臨時急行を高崎から牽いてくる臨時運用に借り出されたことも否定できません。謎の列車です。
撮影時期が上の写真と同じくらいであり、152号機と違ってまだHゴム化されていません。 



昭和56年12月頃? 蕨駅付近? EF58153牽引 上り急行「八甲田」?

こんな撮り方しているので、列車の状況すら把握できませんが、おそらくは急行「八甲田」ではないかと思います。あまりにも酷いのでプリント化すらしていませんでした。
しかし、良く見るとHゴム化された後の153号機であり、自身としてはこれ以外に状況を記録するものがありませんでしたので、敢えて資料として残すことにしたものです。

宇都宮運転所のEF58としては貴重な存在であったヒサシ付きのカマでしたが、ほぼ同時期に廃車になってしまったことにより、これを受けてEF5889が解体を免れたという逸話の関係車でもありました。


152号機

昭和33年 3月27日 東芝製 高崎第二機関区
昭和36年??月    転出 宇都宮運転所
昭和58年 2月18日 廃車 宇都宮運転所


153号機

昭和33年 4月 9日 東芝製 宇都宮運転所
昭和58年 3月11日 廃車 宇都宮運転所