ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

笑ってもらってなんぼでしょ!

2013-12-18 22:45:52 | コント
 久しぶりにコントの動画をアップした。

http://www.youtube.com/watch?v=t-rWeFqmG70&feature=youtu.be

 10月にフレンドリープラザロビー特設ステージで開催した置賜アマチュア演劇人コント大会に出した一本『おせっかい!』だ。正直、受けは今イチだった。大会の最初の出番ってことも大きかったかも知れない。内容と観客のミスマッチも考えられる。もちろん、台本がつまらない、演出がろくでもない、ってことも大いにあり得る。改めて、笑いを取るのは難しい!

 で、この作品、後日、川西町の芸文祭でも披露した。まっ、初演の低評価もあったし、さらにぐぐーっと高齢に偏る観客層も考えると、この作品、きっと、しら~~~だよな、って思っていた。かと言って、さらに新しく作品仕上げる余裕なんてなかったし、せっかく定着しつつある菜の花座コント、今年は取りやめ!なんて無様なことしたくもなかったから、仕方なく上演することにした。

 消極的だったのは、題材が近未来的でちょっぴりシュールだったからだ。1人暮らしの老人の所に、先取りサービスなんて訳のわからん男と片づけ名人商会の派遣社員が闖入して、老人を良いように引きずり回すって話しなんだ。今時、おせっかいなビジネスがこれでもか!ってくらいはびこっているでしよ、あれを戯画化してみたわけだ。

 お年寄りには向かない(と、思われる)理由はさらにあって、スマホとかフェイスブックとか”いいね”とか今風の話題があちこち散りばめられてるのよ。、これ、高齢者には無理!じゃね、と勘ぐったってこと。

 ところが!これが大受けだった!って、驚きだよ。実は、この日僕は米沢の芸文ステージフェスの舞台監督してて、その記念すべき光景を見ていない。残念!

 出演者にどこが受けたんだって聞いたら、老人が勝手放題に動き回る若者に翻弄される所とか本を部屋中にばらまく所とか、要するに動きのあるシーンが受けていたってことなんだ。

 なるほど、なるほど。それならわかる。そう、この作品、ドタバタ喜劇の効果も狙って作っていたんだ。すぐに何かを始める人間とすぐそばから片づけていく人間、その間に立たされて右往左往する老人。両者の思惑の離間とともに、動きのドタバタじたばたの食い違いがすごく笑えるって思ったんだ。書きながら頭に浮かべてたのは、チャップリンの「モダンタイム」。あの機械にもてあそばれるチャップリンの姿だった。どうだ、結構いろいろ考えてるだろ。話しがよく理解できなくても、笑える!これって、絶対ある。

 例えば、バナナの皮を踏んですってんころりに何故笑いが追い打ちをかけるのか?セリフもない。ストーリーもない。あるとしたら、転ぶ人間のキャラクターくらいかな。これって、ごく普通に歩いている、(あるいは気取っていればなおいいが、)人がすっころぶことの落差が笑いを引き出すってことだ。

 あるいは、最近流行りの一発芸人たちの芸というより仕草。これも動きが引き出す笑いだ。動きばかりじゃない。表情なんかも笑いを生む。何もしてないのに、見ているだけでつい笑ってしまうなんて、お得な表情持ってる奴っているよね。喜劇人なんかはその風味は違っても、それなりに人を和ませたり、くつろがせたりする何かを、その顔立ちや立ち居振る舞いの中に持ってるもんなんだ。これは、面白くない奴がどんな傑作ギャグやってもすべるという厳しい現実をつきつけるわけで、どうも、修行や訓練では如何ともし難いところなんだなぁ。

 話しを戻す。菜の花座の『おせっかい!』が受けた理由だ。それは理不尽さに翻弄される年寄りの右往左往にあった。と同時にそれを演じた主演役者のぎごちない動きが見事、その題材にマッチしたってことなんだと思っている。なんてことは当然本人には話していない。当人はどちらかと言うと、面白いものをつまらなくしてしまうタイプのキャラクターだが、今回の役に関しては、そのオロオロぶりは、まさしくバナナの皮を踏んだんだと思う。

 こんな笑いは邪道だって切り捨てることもできる。セリフで勝負しょ、って粋がる人もいる。それはそれでわかる。台本作者としては、それを狙わず何を目指すって言うのか。面白い設定、滑稽なキャラクター、吹き出したくなるようなセリフのやりとり、当然、無いアイディアを頭を脱水機に掛けて絞り出す。でも、それをひとたび舞台に上げるとなれば、ありとあらゆる笑いの可能性を盛り込みたいと思うんだ。誰が見てもどこかで笑える、そんなコントや芝居を作りたいと思うんだ。

 シニア二期生の卒業公演、今年もコントと各自の芸を出すってことになった。もう、昨年のような手持ちネタは無い。そう、新作を書かねばならないんだなぁぁぁ。クリスマスプレゼントに送るからねぇなんて言っちゃたけど、おいおい、後一週間だよ。どうする、どうすると右往左往。僕も笑いを取れるキャラではない。

 

 

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