ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

やっとこネトフリメソッドが逃れた!

2020-12-25 09:20:04 | 映画

 Netfrixいいいよなぁ!癖になる。オリジナルのシリーズものなんて、2週間以上も釘付け、9時半過ぎのネトフリタイムが待ち遠しいよぉ、って中毒症状が続いてる。大量にあるコンテンツの中から何を選ぶか?これがいつも悩みの種だ。幸い、狙いはほぼはずれたことなく、見応えのある作品を連打している。

 が、時には駄作?いや、相性の悪いものもあって、最初の10数分で、あっダメこれっ、って見切りをつける場合もあれば、数回のエピソード見て、ちっ時間無駄にしやがって!と離れるものもある。ただ、早く気づければ傷口も浅くない。中にはダラダラと引きずられ漫然と見続けて、気づけば20回分も見てた、なんて場合もあって、こんな時のむなしさは言いようがない。

 で、こういう、なぜか見続けちまうって作品には共通の作り方があるってことに気づいたんだ。深掘りせずに次から次と見どころを繋いで行くって手法なんだなぁ。細かいことは一切無視、手に汗握るシーン、矢継ぎ早の興味津々、これでどんどん引っ張って行く。観る側としちゃ、ついつい先が知りたくて何話でも何晩でも見続けることになる。

 ま、麻薬性メソッドと言っていいだろう。全体の構成とか均衡とかストーリーの無理のなさなんて二の次さ。興味をつなぐためには、どんどん新しい登場人物が出て来るし、死んだと思った人間が不死身の復活を果たしたり、反面、情け容赦なく消し去られたりする。すべては、物語の快楽性を追求するためだ。

 て、ことで、一昨日まで依存症に苦しめられていた作品がブラジル発の『3%』だ。ディストピア映画ってことで見始めた。貧困にあえぐ「大陸」と呼ばれるどん底の街から毎年3%の若者が選別され「島」と呼ばれるユートピアに暮らす権利を与えられるって筋立てだ。なっ、ぐぐっと惹かれるだろ。今問題の格差社会の行く末を暗示させる設定じゃないか。最初のシーズンはもっぱらその過酷な選抜試験に立ち向かう若者たちの姿が描かれる。その仕掛けがすさまじくて、引き込まれる。

 と、言ってもその過酷なテストにどんな意味があるのか?つまり、選別の基準は何か?ってことの説明はおざなりなんだ。そりゃそうだ、このユートピアそのものが、トロピカルアイランド的楽園以下にしか描かれていないんだから。これは一例。シーズンが進んでも、チョイ見せの新展開が続いて行くんだが、よく見ればそこら中に、そんなんあり得ねぇぇ!が散乱してるんだ。徹底した監視社会かと思えば、反抗グループでも無線は自由に使えるとか、反発もある中、街頭での予備登録がたった数名でやってて襲撃されるとか、街の与太者グループが「島」の選別施設の防衛に引き入れられるとか、捕まった主人公の戒めの縄が噛み切れる位置にあるとか、もうすべてのエピソードにこの手の、触れてはならない細部が散らばっているんだ。細かいこと言ってんじゃねえ、ストーリーの面白さに身を任せてりゃいいのさ、ってのがこの作品の作り方なんだ。

 なっ、これってジャンキー向きだと思わないか。楽しけりゃいい、考えちゃダメ、ただ"心地よい"に身を任せてりゃいいのさ。ともかく気を引くシーンさえ作ればいいんだから、もう、どんどんと継続していく。終わらない。いや、完結させる気がない?!スタッフはひたすら魅力的なシーンや展開を出し続けりゃいい、って、作る側も中毒症状なんだぜきっと。

 で、シリーズは何回にも重ねられ、視聴数を稼ぐって仕組みなんだ。結構気に入った『凍れる死体』なんかでもこの傾向はあった。謎解きの後で振り返ってみると、その筋立ては、まったく本筋と関係ないじゃないかってものがあって、ただ、話しを複雑に絡み合わせてミステリアスにして、回数を稼ぐ意味しかなかったな、なんてところもあった。

 まっ、それがNetflixとそこで制作する映画人の暗黙の了解、秘密の狙いなんだから、見る側としちゃ、その手の策略に気づいたところで、断固断つという勇気が必要になるってことだ。ずるずると引きずられて時間と脳細胞を無駄にしないために。できれば、もう少し無駄のない、メリハリ効いた作品作りを心がけて欲しいもんだよな、って思っていたら、

 おっ、と驚く作品に出合ったんだよ。でも、それについてはもっとよく見てからだ。

 って、こっちも思わせぶりで次に繋ごう。

 

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