ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

テレビのコント番組が痛いっ!

2015-08-30 09:17:50 | コント

 テレビ番組について、とやかく言える身じゃない。見るのはスポーツ中継とか映画とか、たまにドキュメンタリー程度のもんで、今や主力らしい民放のバラエティ番組やドラマなんか、誤ってチャンネル選んでも、しまった感いっぱいで、即電源を切るか、他局に飛ぶ。劇台本書く身で、そんな間口の狭いことでいいのか?なんて気が咎めないわけじゃないが、時間ムダ!って思いすぐに反省を払拭してしまう。

 それでも、昨年の今頃は、HHKがやたらコントに肩入れして、三宅裕司の「コントの劇場」があり、若手お笑いタレントを起用しての「七人のコント侍」があり、内村光良をフィーチャーした「Life」なんかも同時進行していて、楽しくコントの勉強をさせてもらったもんだった。ここまでコント番組が作られるなんて、今や世の中、コントの時代に突入寸前か!よっしゃ!がんばっぺ!と意気込んだりもした。

 ところが、どう見たって質が高く着実に笑いを取っていた「コントの劇場」が終了となり、一時消えて、まっそうだろう、あれじゃね、って思っていた「Life」の継続が決まった。どうして?内村の「Life」って面白いの?ああいうのが若い人たちには受けるのか?かなりショックだった。いや、ショックはない、ただ馬鹿にしただけだ。ガキ、笑わして偉そうな顔するな!例えば看板コント?「イカ大王」、ああいう、いかもの、おっとダジャレ、で笑い取るのって、昔のたけちゃんマンや志村のへんなおじさん、と同系列で、ストーリーの面白さやせりふのやりとりや役者の演技で唸らせるのと違って、突拍子もないキャラクターだけで勝負してるわけだ。あとは観客との間に成立したお馴染み感、これが強みの笑いなんたな。

 そうそう、話しは大きく寄り道するけど、最近はまりつつある笑いの番組に「笑けずり」てのがある。これもNHKだが、無名の若手漫才コンビ8組を合宿させてネタを競作させ、毎週1チーム、審査で最下位になったコンビが削られ合宿から追放されていくって内容だ。毎回、先輩芸人が講師となって講義を行い、そのテーマに沿ってネタ作りをする。その講義内容が、コント作家を目指す?僕にも共感できるものが多いのだ。先週は「中川家」がつかみの大切さを説き、今週は「笑い飯」が発想の独創性を教えていて、そうそう、そうなんだと肯きつつ、さっ、若手がどうこなすか、と興味津々で見ている。番組進行役って言うより野次馬の突っ込みを担当する尾上松也と美女三人のコメントも気が利いているし、削られる芸人が宿舎を去っていく後ろ姿にもつまされるものがあって、お笑いに青春を賭ける若者たちの必死さと悲哀が描かれた優れた番組だ。

 今週削られたのは吉本の「アルドルフ」、イケメン二人組で、若い女性には圧倒的な人気で、楽屋待ちも群がるほどなんだそうだが、あえなく削られた。そう、ネタの面白さ、しゃべりの技量、だれがどう見て、ワンランク下だから当然。問題は、彼ら、ホールでは大爆笑を勝ち取っているってことなんだ。番組でも突っ込まれることだけど、箸がころんでも可笑しい娘たちが大笑いしても、それは笑いの質の高さを保証しないってこと。それをちょっと思い出した。

 こんなの笑いじゃない!なんてお墨付きを争うつもりは毛頭無いんだが、もうちょっと洒落たセンスとか知的なエスプリとかで笑わせるコントが幅を利かせるようになって欲しいとは思っている。三宅さんのコントなんかは、こういう知的なナンセンスや社会風刺や想像力の飛躍に満ちていた。例えば、静謐が当たり前の図書館で、司書がやたら音を立てて仕事する人だったりとか、作家の原稿取りに来た出版社社員がスポ根系、松岡修造的熱さで執筆を応援するとか、殺し屋がホテルの窓からターゲットに狙いを付けているとその外にガラス拭きがゴンドラに乗って邪魔をしたりとか、あっと驚き、あったら面白いと感じさせるセンスの良さでほとほと感心する。

 今回、コント大会で笑いを問う3作品、果たして目指すところに達しているかどうか、大いに不安だ。これから目一杯仕上げていくしかないのだが、コント大会にもう一つ目玉がある。上に紹介した三宅さんのコントを書いた吉高寿男さんの講演があるってことだ。笑いについて日々厳しく向き合っているプロの作家のコント論、笑いの本質等貴重な話しが聞けるはずだ。高校生の溌剌コント、今回も健在だ。

日時は9月13日(日)13:30開演

会場は川西町フレンドリープラザロビー 入場料500円、安いもんだ。

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