ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

機械の進歩にゃ追いつけぬ!いや、追いかけず!

2018-05-13 17:27:23 | 農業

 儲からん、お先真っ暗だ!って言ってるわりに、農業機械の方は、年々新機種登場なんだよな。

 トラクターが個室タイプで、冷房、ステレオ完備の快適耕耘!になったのはもう10年以上も前だし、収穫後の乾燥、調製がライスセンター一括管理になって、農家の手から離れたのもそのころかな?

 最近の流行りと言うと、後輪がクローラ、昔風に言うとキャタピラー、になったものが急速に普及しつつある。これなら少々ぬかるんだ田んぼでもすいすい作業が捗る。そりゃ、あればいいよなぁ!一昨日の耕耘作業の時だって、危うくずぶずぶと泥田にはまり込みそうになったからね。キャタピラーまでは望まぬ、せめて四輪駆動なら、って切実に思う我が家だよ。今日だって、バッテリーの接続不良で、エンジン始動せず、仕方なく軽トラとブースターケーブルつないでやっとこ動いたくらいだもの。

 今年、一気に広がったのが、畔塗機械だ。トラクターに取り付けて使用する。田んぼの周囲を掘り起こしちゃ、円錐形のドラムでぎゅうぎゅう押し付けて、30センチくらいの畔を作り上げていく。黒々と塗り固められた畔、美しい!さっ、今年も田んぼが始まるぜ!って始発の儀式って感じさえする。これで周囲をぐるりと走り回れば、ネズミ穴なんて、すべて全滅だ。水漏れの心配はまったくなくなる。羨ましい!

 頼んでやってもらえぬわけじゃないが、お願いするってことが苦手な偏屈ジジイのこと、いいさ、いいさ、いつも通りに我が家方式でネズミ穴塞ぐから。耕耘を始める前に畔の上にトラクターの前輪載せて走るってだけのことだけど。トラクターの重さで穴はほぼつぶれる。雨降りの翌日なんかだと、効果はさらに高い。それでも、見過ごした穴は、水張りの後、一つ一つ、埋めていけばいい。

 ただ、問題は、何年もこの方法を繰り返していると、畔がだんだん低くなってきて、満水時にオーバーフローするようになっちまうことだ。まっ、そんな深水にすることなんてあまりないから、これまでは見て見ぬ振りで通過してきたが、さすがに、ここは水が超えるよな、隣りのブドウ園に流れ込んだら、ごしゃかれるよな、って思いいたって、しゃあねえなぁ、復旧作業だ。

 田の土をスコップで堀り上げては、畔の上に盛って行く。腰に来るんじゃないか?って、恐る恐る初めてみたら、これが意外と快適な?作業。1掘り、1掘り、畔が高くなっていく達成感、まんざらじゃない。結局、その一辺だけじゃなく、その他の田んぼで気がかりな畔もすべて嵩上げしてしまった。

 顔を背けていた課題に向き合うって、ほんと、気持ちいいものだ。人生、逃げてちゃダメ!ってことだな。とは言っても、毎年、30アールすべて上げるか?なんて、気持ちにゃならないけどね。まっ、そこそこに、これも人生の極意だから。

コメント
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