ステージおきたま

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やっぱりいい!高校生の定期公演:『シンデレラ ストーリー』

2013-07-07 22:26:08 | 演劇
 置農演劇部定期公演だった。鴻上尚史:作『シンデレラ ストーリー』。僕が顧問から抜けて初めての定期公演、不安というか、部外者的というか、ちょっと不思議な気持ちで公演を見た。

 鴻上の作品ということで、シンデレラはシンデレラでも一ひねりも二ひねりも効いたものなんだろうな、と思って見たら、これが意外や意外!元々のストーリーをコミカルに味付けしただけの作品だった。分かり易い!しかもミュージカルだ!

 この作品を選んだことは間違いなく正解だったと思うな。昼の部など100人近い高校生が来ていたので、きっと観客も楽しい時間を過ごせたのじゃないだろうか。今年のメンバーの特徴からもこの作品は適切だったと思う。あまりシリアスな演技の得意でない3年生なので、ギャグ満載で歌も華やかで盛り上がるものだったから、部員達もやりやすかったと思う。

 まず僕なら絶対に取り上げない作品だから、新しく顧問=演出が変わって良かったと思った。今回たくさん来てくれた高校生、置農生と基督教独立学園の生徒たちに、演劇って楽しいね!って好感度で見てもらえたようだから、これからは、この路線を大切にして観客層を広めて行けるんじゃないかと思うな。

 さて、舞台の出来だが、いろいろ目に付くところ、気になるところはあった。意図した笑いがとれずに滑ったところも多かったし、笑いの台詞と理解していないのか?って感じる部分もあった。役の作り方にもまだまだ不十分!というところや、キャスティングのミスかな?と思える部分もあった。ダンスはもっと練習して欲しかったし、歌は伴奏に生歌で勝負して欲しかった。実際は、楽譜が手に入らず、プロの歌付きの音源を使ってそれに生歌をかぶせるという方法だったが、これはやはり大きな減点ポイントだろう、ミュージカルとしては。

 舞台作りの面でも、暗転幕や紗幕の使い方にもったいないと感じる部分や、短いシーンの作り方に要工夫と思えるところもあった。音楽も統一性に欠けているかな?とも感じた。

 でも、これだけ転換の多い作品を、よく上手くまとめたもんだと言うべきだろう。特に、夜の部は手慣れたこともあり、とてもテンポの良いノリノリの舞台に仕上がっていた。役者たちもそれぞれ適役を得て、はつらつと動き回っていた。

 なにより、作品が分かり易いので、観客も安心して見ることができたようで、笑いも拍手も手拍子もそこそこにあって、フィナーレでは舞台と客席が一体になった感じがした。

 大感激の客出しなど、高校演劇部定期公演の良さをつくづくと感じさせられた。うーん、やっば、高校生と作るのはいいよなぁ!

 それにしても、昼の部の観客の多さ!140名!!って置農の定期公演では初めての数字だな。観客の中心は置農生、中でも1年生が多かった。そりゃそうだろう、120名弱の全1年生のうち16人が演劇部なんだもの、そりゃ見に来るさ。それにしても、変わった!置農生!数年前は観客って言ったら同盟関係?にある吹奏楽部+ちょぼちょぼだったんだもの。男子生徒なんてほとんど来なかった。それが、今日の公演では、かなりの動員数、しかも男子もそこそこだった。一生懸命やっている仲間の発表に関心を持つ、演劇鑑賞という知的、文化的時間を楽しむ、そういう生徒が増えたってことだ。実に望ましい変化っていうことだな。

 さぁ、この公演成功の勢いを駆って、大会の方も一気に地区を突破しようぜ!

 

 

コメント (2)
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