ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

楽しんでもらえたかな?演歌ショー『夢芝居』

2010-07-25 19:11:34 | 地域文化

 演歌ショー『夢芝居』の公演が始まった。一週間に二回、何れも老人介護施設での公演だ。こういう所での公演は初めてなので、戸惑うことも多いが、ある意味刺激的だ。

 まずどきっとするのは、車いすはともかく周囲をベッドで囲まれての公演ってことかな。寝たきりのお年寄りも見てくれるわけなので当然と言えば当然なんだけど、最初はかなりびっくりした。

 次に大変だったのは、場所がどちらも食堂だってことだ。これまで学校とか公民館でやってきたので、人が多く集まる所にはホールというか、集会室というか、そんな空間があるものと思っていた。でも、入所者やデイサービスのお年寄りにとって集まるのは、食事の時なんだよな。施設を運営する立場としても、当然無駄な空間はいらないわけで、必然的に演じるのは食堂。テーブルと椅子を片づけてできた空間が、ステージってわけだ。舞台があるわじゃない。平台があるわけでもない。いやいや、それどころか、舞台の袖ってもんがないから。

 初めの所はまだ隣に和室があってそこが上手い具合に袖兼楽屋になったけど、昨日の場合、なんと風呂場の脱衣所が楽屋兼袖だった。蒸れること!蒸れること!!職員の方が気を使って扇風機を入れてくれたけど、振り袖姿には酷な環境だった。

 そんな目的外使用の会場だから、明かりとか声の届き具合とかが、会場ごとにまるで違う。しかも、食堂なので、本番直前まで本来の目的に使用していてリハーサルもままならない。初めの万世園など、隣が調理室になっていて昼食の後かたづけの物音が、がしゃんじゃがじゃがとうるさいことうるさいこと。しかも、中間に通路があるせいか、声が客席の後ろまで通らない。「声、聞こえねえ」ばあちゃんのクレームに慌てて楽屋に走って、「声を大きく、滑舌はっきりと、せりふはゆっくり!」と指示を出したが、やはりダメだった。まあ、踊りがあるのでなんとか、勘弁してもらえたってところかな。

 失敗の経験を生かし、昨日の成島園ではしっかり、ゆっくり、はっきりが徹底して、コントもまず伝えられたと思う。職員の人たち、かなり笑ってたから。

 さて、一番問題だと思うのは、振りこめ詐欺防止のコントが、果たして寝たきり同然のお年寄りに意味があるのか?ってことだ。電話かかってくるわけでなし、訪問ってことだってないわけだ。それ以上に、20分近いコントを追うこと出来てんのか?ってこと。一生懸命反応を探ってみたけど、・・・・わからない!いや、多分通じてないんだろう。踊りだって楽しんでもらってるのかどうか?

 そんなこと考えると、身も蓋もない!って感じだけど、あのお年寄りたちには、若い者が訪ねてきて、自分たちのためになんかやってくれてる、ってことが意味あるんじゃないだろうか。いやいや、表情には出ないが、しっかり理解して鑑賞してくれているのかもしれない。ともかく、一口にお年寄りと言っても千差万別!油断は禁物!!しっかり一つ一つの舞台を大切にしていくしかないな。

 もっとも、ディサービスのお年寄りは、これは随分はっきりしていて、昨日の公演でも、手拍子は打つ、歌は歌う、涙は流すで喜んでくれた。そして、終わった後の感想。「今までで一番良かった!」ええーっ!今までって!そっか、こういう施設利用の人たちってボランティアの慰問に結構慣れてんだぁ。これはうかうかしてられないぞ。比較されてるってことなんだもの。「今日の人たちはいまいちだったな」なんて言われないよう頑張んなくちゃ。

 明日は地区公民館の老人大学、コントも踊りも、結果がはっきりと出るはず。気を引き締めような、みんな。

 

コメント (3)
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