Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

一瞬の夢

2018年08月07日 | こんな夢を見た

「村田? 村田だよな?」

「おお。しばらく」

「しばらくどころじゃないよ。

 だってもう20年ぐらいになるんじゃないか」

「そうかもな」

「お前、変わらないな。昔と同じ」

「そっちはだいぶおっさんになった」

「そりゃあそうさ」

「年は取るもんだな」

「お前は昔のままだ」

「まあいろいろあったからな」

「急に行方不明になったから、びっくりしたんだよ」

「ああ」

「実家に電話しても要領を得ないし、

 藤江はお前が宗教に走ったんじゃないかって」

「おお。藤江か。懐かしいな。あいつはどうしてるんだ?」

「フリーターだな。あいつはエンジニアだから、

 派遣で仕事したりプラプラしたり」

「いいご身分だな。お前はどうしてるんだ」

「俺は相変わらずだよ。ライターとか編集とか」

「まだやってたんだ」

「それしかできないからな。安い金でこき使われてるよ」

「儲からない?」

「ああ」

「そうか」

「お前はどうなんだよ。仕事してるのか?」

「うーん。どうかな」

「やっぱり宗教関係なのか。そういえばこのあいだ」

「ああ。死刑になったみたいだな」

「まさかお前も」

「そんなわけないだろう」

「だったらいいんだけど」

「お、時間が。じゃあな」

「そうなのか? どこ行くんだ?」

「それは言えない。

 俺はそもそもこのあたりにいる人間じゃないんだ」

「どこに住んでる?」

「それも言えない。まあ縁があったらまた会おう。

 藤江によろしく言っておいてくれ」

「そうか。時間があれば一杯やろうと思ったけど」

「お前は相変わらずだな。そういうところ」

「まあ。なんかずっとこんな感じだ。だいぶガタは来てるけど」

「元気でやってくれ」

「ああ。じゃあな」

「また」

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コピーロボット頂戴 | トップ | ひとひらの夜と霧 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

こんな夢を見た」カテゴリの最新記事