ホウ・シャオシェン監督「風が踊る」を見る。
監督40周年記念の特集上映で、
これまで未公開だった本作。
日本映画で言うと、60年代ぐらいの
明朗快活な松竹映画の肌触りがある。
東宝でも大映でもなく、松竹。
番匠監督の花嫁シリーズのような、
って力説するほどのものではないけれど、
台湾映画はやっぱり、いい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/b2/5e44d93fe02fcc7c121b7b15016fc406.jpg)
カメラマンのシンホイは、
CMの撮影中に事故で視力を失った青年チンタイに出会う。
彼女にはローザイというCMディレクターの恋人がいるのだけど、
朴訥なチンタイにだんだん心を引かれていく。
かといって、彼との恋愛にのめり込むわけでもなく、
軽やかにローザイとも仲良くする。でもドロドロの三角関係など皆無。
チンタイが彼女の実家を訪ねる展開が
これまたのんびりしていて、心地良い。
二人は他愛のない会話をしたり、
子どもたちと遊んだりするだけなのだ。
結局彼女はどっちの男を選ぶんだろう、と思いつつ、
これまた軽やかに裏切られる結末とともに、
ゆるゆるの演出とレトロな台湾歌謡に酔いしれる。
後年、ピリピリした映画をつくり続ける
ホウ監督とは思えない可愛らしさだったのです。
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