Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

たまらなく、銭湯

2017年05月03日 | 映画など

中野量太監督「湯を沸かすほどの熱い愛」を見る。

実は、この映画の予告編は何度も見ていた。

難病モノなのは明らかだし、

あざとく泣かせる映画なんだろうなと。

宮沢りえは達者な女優さんだから、

絶対泣いちまうんだろうなと。

でも、違った。そんな映画じゃなかった。

というか、驚いた。作り手の強固な意志というか、

メッセージがぐんぐん伝わってきて、気がついたら

思い切り堪能していたという。

 

 

盛りだくさんの映画だと思う。

末期ガンを宣告される母親。

学校でいじめを受け不登校になりそうな娘。

行方不明になっていて、帰ってきたと思ったら、

別の女との間にできた小さな娘を連れてきた父親。

その他、クルマで旅行する母と娘にヒッチハイクする青年や、

母が夫を探し出すために依頼している探偵など、

登場人物一人ひとりにドラマがあり、

それが過剰になることなく決着し、

張られた伏線も綺麗に回収される。

つまりは脚本が良くできているということだろう。

 

人が生きて死に、残された者は

しっかりと生きていかなければならないのだけど、

その意味を問いかけてくる映画というか。

だから泣けない。安易に感動などできないなあ、と。

 

あと、銭湯が出てくる映画はハズレがない。

仕事など早めに切り上げて、銭湯行こうかな。

 

 

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3 コメント

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Unknown (denkihanabi)
2017-05-13 23:50:54
見たよ。
これを見る前の晩に「永い言い訳」を見ていたので、西川美和の圧倒的な深さに対して、これは浅いなと感じてしまった。オダギリジョーのキャラと関係性としてもTVの「おかしのいえ」の方がよかったな。
とはいえ、ベタになりすぎそうな話をギリギリ魅力的に持って行く俳優の力。それを引き出す演出と脚本の力はやるなと思った。
この監督は、数年後にすごいのを撮るかもしれない。
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永い言い訳 (taco)
2017-05-14 21:15:53
お涙頂戴な映画だと思い込んでいたので、
やられた感じがあったんだよな。
「永い言い訳」か。あの映画、ほとんどホラーだと
思いながら見ていた。なんか怖いんだよな。
ヒマがあったらブログに書きます。
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Unknown (denkihanabi)
2017-05-14 21:36:50
西川美和は桐野夏生と並んで(映画と小説の表現ジャンルの違いはあれど)人間観察が怖い女性作家の両巨頭だと最近感じているのだが、桐野夏生が女のダークサイドを怖く描くのに対して、西川美和は男のズルイサイドを見事に描いてみせる。この人どんだけダメンズWALKERだったんだろうって、見てて思う。意外と女は守られているんだよ、この人の映画では。
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