ソフィア・コッポラ監督「オン・ザ・ロック」を見る。
なんともゆるい娘と父のコメディ。
ニューヨークが舞台だからだろうか、
ウディ・アレン的なテイストで進んでいたかと思えば、
ときおりキレた演出が挟み込まれたりする映画。
精神的に親離れ・子離れできない親子の物語なんだなと思う。
娘は結婚して子供もいるというのに、
いつまでも「自分の娘」であることに固執する父。
親離れしたいけれど、あまりにも魅力的な父に
夫とのすれ違いを不満げに話す娘。そして一緒に夫を尾行する。
父がスポーツカーをぶっ飛ばす場面は実に痛快だ。
父を演じているのがビル・マーレイなのだから、
それはそれは魅力的に見えるだろう。
でも、実はクズ男であり、ないがしろにされた
家族のことで軽くなじる娘の言葉は、
このジジイにどれくらい刺さったのだろうなと思う。
父と娘をつなぐものが口笛で、
「吹けなくなっちゃった」と嘆く娘に、
「こうやって吹くんだ」と教える父。
そんな親子の行方は、果てしなくやさしく
ソフトランディングしていくのでした。
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