Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

天気雨のあとに

2020年07月08日 | 映画など

ウディ・アレン監督

「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」を見る。

さて困った。傑作だぞ、これ。

なぜ困ったかは後述するとして、

アレンの映画にエル・ファニングが出ると聞けば、

何を置いても見たくなるわけで。

80歳超えの監督が撮ったとは思えない快調なテンポと

ロマンチックでありながら、ファンタジックにはならない苦味の妙。

 

 

アリゾナの大学生アシュレー(エルファニ)が、

有名な映画監督にマンハッタンでインタビューすることになり、

彼女の恋人でニューヨーク育ちのギャツビー(ティモシー・シャラメ)が、

アシュレーを案内がてら、ニューヨークを満喫しようと計画する。

でも、アシュレーがインタビューした映画監督はノイローゼ気味で、

これは特ダネが取れると踏んだアシュレーは、

ギャツビーと落ち合う約束をすっぽかしてしまう。

いっぽうギャツビーは、映画撮影をしている旧友に会い、

そこでかつて付き合っていた娘の妹のチャン(セレーナ・ゴメス)と再会し、

役の上とはいえ、クルマの中でキスをすることに。

 

ニューヨークの映画人をどんどん虜にしていくアシュレーと、

物憂げに自分探しをしながら、

ニューヨークの街を徘徊するギャツビー。

たった1日のあいだに起こるハプニングのなか、

ふたりの性格や生き方、生活信条などが浮き彫りにされ、

このふたりはどう見ても合いそうもないし、

何よりお互いを必要としていない感が際立ってきて、

見終わったあとは、いくばくかの苦味が残る。けれどその後味は悪くない。

 

それもこれも、すれ違いがどんどん広がっていく状況を、

あくまで軽やかに描いているからだろう。すんなりと見られて、

ちょっと笑って、最後は少しだけ人生の苦味とか渋味を

観客に思い知らせてやろうという演出と脚本。

 

これまでの出演作で、

不機嫌な表情と仕草を観客に振りまいてきたエルファニ。

今作では、意外なコメディエンヌぶりを存分に発揮していて、

これが大人の俳優になっていくことなんだろうなと。

エマ・ストーンとか、ジェニファー・ワトソンみたいな

大スターになっていくのかな。と少しだけ残念に思うのは何故だろう。

 

今が旬のティモシー君は、

先日見た「ストーリー・オブ・マイライフ」でも好演していたし、

なんと今度はディランの伝記映画に主演するらしい。

あとセレーナ・ゴメスって女優さん、つい最近見た気がしたけれど、

「デッド・ドント・ダイ」のちょっとアンニュイ(死語)なお姉ちゃんでした。

エルファニの正統派ぶりとは好対照に、いい感じにやさぐれていて好感。

 

とまあ、大満足の一作で、まさに傑作だと思うのだけど、

結局のところ、何が困ったかというと、実は…

というところで、時間がなくなっちまいました。

また追って書きます。

 

 

コメント
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